第90話
「送って頂きありがとうございます。貸出に関しては前向きに検討しますけど。しっかりと計画を練ってからという事で」
現時点で貸出とか借りパクされる未来しか見えないからな。
「貸出の件についてはそうだね。もっと具体的なシステムについて纏まったらもう一度話を持っていくよ。送迎に関しても映司くんにはお世話になってるからね。このぐらいは幾らでもさせて貰うよ」
河村さんにお礼を言って家に入る。
「ただいま」
「おかえり映司。早かったわね予定ではまだ桜島ダンジョンにいる予定じゃ無かったの?」
「魔物の肉が手に入ったから母さんに調理してもらおうと思って。主婦スキルって料理系スキルも内蔵されてるスキルだったでしょ?魔物の肉は料理系スキルで魔力抜きってのをしないと食べれないんだって」
「うーん多分出来るはず。スキルを発動させるだけっぽいし。現物見せてくれる?」
スノーティラノの肉を取り出してまな板には...乗り切らないなどこにだそう。
結局ラップを何列も並べてその上に肉を出した。
「すっごい大きなお肉ね。因みになんの肉なの?」
まぁ、気になるよね。
「スノーティラノって言う羽毛が生えたティラノサウルスの肉」
「恐竜?それ本当に食べて大丈夫なの?」
「鑑定モノクルで鑑定したら食用可って出てきたよ」
食用可としか出てこなかったから美味しいって保証は出来ないけど。
「因みにこれスノーティラノの写真ね」
廣瀬さんに見せるために撮った写真を見せる。
「ホントに恐竜ね。それにしても羽毛が生えてる方の説が正しかったってことかしら」
「どうなんだろうね?ダンジョンが作り出した存在だから大昔地球にいたティラノサウルスがこの姿だったかは分からない。それに雷太の反応的に羽毛の生えてないティラノサウルスも居そうなんだよね」
と言うか羽毛の生えてるティラノサウルスはあのダンジョンの限定魔物っぽいんだよな。
と言っても羽毛恐竜って言う分類は実際に存在するし、羽の生えてる恐竜にはあのダンジョン以外でも遭遇できるだろう。
「まぁ、食べれるって言うなら調理してみるわ」
「ただいま戻り━━━━━アレ?映司帰ってきてたの?それに大きな肉まで」
「ほう、魔物の肉かドロップしたのか」
母と話をしているとソフィアとリーリンさんが帰ってきた。
「リーリンさんが言ったように魔物の肉がドロップしたから帰ってきた」
ちょうど良いので、俺が忘れる前にヴァンパイアっ娘の養子縁組の話をしておく。
「私はヴァンパイアの女の子が良いって言うなら別に良いわよ。映司には責任もってお兄ちゃんして貰うけど」
お兄ちゃんして貰うって何?
面倒見てあげれば良いってことかな?
「まぁ、ヴァンパイアってだけで差別されそうだし。映司が守ってあげるのが一番良いんじゃない?」
「最低限面倒は見るよ?依存されすぎても困るけど」
ソフィアと結婚するんだからずっとは面倒見れないし。
「ヴァンパイアになったことに吹っ切れて力を使うことに躊躇が無くなれば問題ないだろう。適当に人助けをすれば文句の言う輩も減るだろうし。出てきたとして政府が守ってくれるだろう」
絶対とは言えないけど。まぁ、可能性は高いか。
「と言っても全てはヴァンパイアっ娘次第なんだけどね」
ヴァンパイアっ娘の話はここまでにして、母はスノーティラノの肉の調理を始める。
「スノーティラノの肉か、あれは筋肉質だから顎の力が弱い者からしたら少し食べるのに疲れる肉だな。味自体は噛めば噛むほど肉の味が溢れ出してくる美味い肉だぞ」
薄めに切って食べるか長時間煮込んで柔らかくするのが美味しい肉っぽいな。
スノーティラノ肉のシチューとか美味しそう。
「あっそうそう。ソフィアにお土産があるんだ。うさぎの毛皮なんだけど」
そう言ってスノーロップイヤーの毛皮を渡す。
うさぎの毛皮ってコートになったりもするし。
と言っても毛皮のまま渡すのもどうかと思うけど。
「うさぎの毛皮?うさぎにしてはかなり大きいけど。軽いし肌触りも良いし有難く使わせて貰うわ。今から注文すれば冬までに絶対間にあうだろうし。それにしても溶岩湖って言ってなかった?溶岩湖に真っ白なうさぎの魔物がいたの?」
「いや、途中から北極、南極レベルに寒い雪原に変わってね。そっちで遭遇した」
「そう言えばスノーティラノとか言ってたわね。地上では滅多に見れない景色だろうから。服がどうにか用意出来れば一緒に行って見たいんだけど」
魔物との戦闘ができるぐらい動きやすくて尚且つ溶岩の真横でも燃えない服がないとあのダンジョンは厳しいからな。
本人の火耐性は龍酒でどうにでもなるし。
「モンスターイールって言う魔物の皮は手に入ったけど...」
溶岩の中を泳いでたし。火耐性はバッチリだと思う。
問題はブヨブヨしてて見た目があまり宜しくないことかな。
ソフィアは少し考えた後、まぁ火耐性があるならと受け取った。
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