第91話

「この皮で作るとしたらライダースーツみたいな服になるのかしら?まぁ、某怪盗3世の女性キャラが着ているようなライダースーツじゃなくて、バイクレーサーが着るようなライダースーツならそこまで恥ずかしくないかしら」


某怪盗3世って峰不〇子ってことか。

確かにあれを着るのは恥ずかしいだろう。


でもちょっと見てみたいよな。


「いや、ああ言うのを来て欲しいならわざわざ魔物の素材から作るんじゃなくて普通のを買えば良いじゃない。あれを着て外を歩き回る訳じゃないんだし」


確かに2人っきりの時に着てもらうだけだし。

ダンジョンに防具として着てかないなら魔物の素材を使う必要ないよな。


「と言うか俺の考えてることってそんなに分かりやすい?」


「こう言う話の内容の時は特にね」


はははと苦笑いする。


丁度、晩御飯の用意が出来たようなの逃げるようにテーブルに向かい椅子に座る。


「そういえばクラリスさんは今日どこに行ってるの?」


「E国大使館に行って色々用事を片付けて貰ってるの。あとは休暇ね」


なるほど。日本に長期滞在するのに申請しなきゃいけない事とかいっぱいありそうだしな。


実際にどんな申請が必要なのか知らないけど。


それにさすがのクラリスさんにも休暇は必要だよな。



「煮込み料理を作るには時間が足りなかったから、ステーキだけど」


おー見た目はただの肉だけど。

ニンニク醤油をかけてステーキにナイフを入れる。


少し抵抗を感じたけど硬いって言う程ではない。


「じゃあ、いただきます」


スノーティラノのステーキを口に入れる。


確かに何回も噛まないといけないけど 、噛む度に肉の旨みが溢れくるので何度も噛むのが苦にならない。


「美味しいけど顎が疲れるわね。煮込まないならもっと薄く切った方が食べやすいかも」


「そう?このぐらい大したことないと思うけど」


そう言って気づく。龍になって俺の噛む力が増してるから気にならないのか。

レベルが上がってる力が上がれば人でも大丈夫になるかもね。


「更に硬さは増してしまうが顎に自信が有るなら、ジャーキーにすると味が凝縮されて。素晴らしい酒の肴になる。と言うわけで私に1kgぐらい分けてくれないか?」


硬さが上がるけど味が濃くなるか...


俺も食べてみたいな。


「良いですけど俺にジャーキー分けて貰えません?」


「龍なら硬くなろうが関係無いだろうし。分けるんじゃなくて。映司の分も一緒に作ってやろうか?」


あ〜そっか俺の分も頼んじゃえば良いのか。


「じゃあ俺の分1kgを含めた合計2kg渡しますね。ってことで母さん後で1kgのブロックを2つリーリンさんに渡しといて」


「はいはい」


ご飯を食べ終わったあとは昨日シャワーしか浴びれなかったのでゆっくり湯船に浸かって

疲れを癒してから布団に入る。



〜次の日〜


朝から新幹線で鹿児島に向かう。


今回は到着した日はダンジョンに行かずにぶらぶら鹿児島観光をした。


〜更に次の日〜


「道標は消えちゃってるし。また迷いながら先に進むしかないか」


前回このダンジョンに来てから24時間以上経過してしまってるので前回つけた道標は消えてしまっている。


と言ってもどちらの方向に階段が有るかは把握してるので、吹雪の中歩いている間に歩く方向が変わらないように注意をしながら歩けば問題無いはず。


何度か迷いかけたけど何とか前回の到達階層7階層までたどり着くことが出来た。


「新しい魔物を創造してまで吹雪が吹き荒れる雪原に爬虫類に恐竜を登場させた意味はあるのかね」


それよりマンモスとかサーベルタイガーを登場させた方があってる気がするけど。


まぁ、そのおかげで恐竜肉を食べれたし。俺に何か不都合があった訳じゃ無かったけど。


「それにしてもスノーティラノの写真を見た廣瀬さんのテンションの上がりようは凄かったな」


そう言えばスノーティラノの写真を廣瀬さんに送るの忘れてたなと新幹線にのっている時に送ったんだけど。

アルがスノーティラノに嫉妬するレベルで興奮しているらしかった。

新幹線の中だから電話は出来ないから想像にはなっちゃうけど。送られてきたメッセージ的にそこまで間違ってないと思う。


ダンジョンの難易度が今までのダンジョンに比べたら難易度が高いことを説明したら凄い落ち込んでいた。


と言っても諦めた訳じゃなくて強くなって必ず直接会いに行ってテイムするって意気込んでいた。


代わりに写真じゃなくて動画も撮って来て欲しいって頼まれたけど、前回使ったカメラは動画も撮れるし、そこは問題ないだろう。

問題なのはスノーティラノのBP的にそう簡単に遭遇できる魔物じゃないだろうってところかな。



その時はそのときで自分で直接会った時の楽しみに取っておくという事で我慢してもらおう。


予想通りスノーティラノとは遭遇することなく7階層を進んでいると、湯気が上がる水源を発見した。


天然温泉ってことでいいのかな?

いや、ダンジョンが作り出してるんだから人工?

そもそも温泉とも限らないし。


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読んで頂きありがとうございます。

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