第92話
「温泉か〜」
鑑定してみたらホントに温泉らしい。
捻挫や切り傷によく効いて肩凝り解消にも良いらしい。
まんま温泉である。
「と言ってもいつ魔物に襲われるか分からないダンジョンの中で温泉に入るのはちょっと……」
タンクとかに汲んで帰るってのもありかも知れないけど。
疲れるレベルの量を汲んで帰ったらかなりの量になるし、マジックバッグの重量制限をすぐにオーバーしてしまう。
「底に泥が溜まってるっすね。泥を鑑定して見て欲しいっす」
底の泥?確かに底に泥が溜まってる。雷太の言う通り泥に鑑定してみると、この泥を肌に塗るだけで古い角質やら毛穴に詰まった汚れを取り除いてくれる泥だそうだ。
泥パックってやつかな?
持って帰れば喜ばれそうだけど容器を持ってきてないからな。これも明日ここに寄ってからだな。
「それにしても魔物が襲ってこないね。目の前にいるのに」
さっきから魔物がちょこちょこ温泉の近くまで来ては何もせずに帰っていく。
ゲーム的に言えばここは魔物に襲われないセーフティゾーンってやつか?
普通だと雪の上を歩いて進む必要があるから進むの大変だし、いつも以上に体力を消耗するだろうから休憩できる場所があるのは有難い。
俺は体温で雪を溶かしながら進んでるからそこまでだけど。
温泉を後にして探索を続ける。
8階層に進む階段を見つけ8階層に進む。
「やっぱり地形は変わらないんだな。そう言えばさ、ずっと吹雪いてるのに雪が一定以上積もらないって何気にすごいよね」
まぁ、ダンジョンだからとしか言いようがないと思うけど。
それにしても採取出来るものって意外に少ない。
生えてる針葉樹とかも伐採して持って帰れるんだろうけど。
丸太の重量だとマジックバッグ仕舞えないしな。
7階層では結局スノーティラノに遭遇出来なかったけど、8階層では遭遇できるかなと辺りをキョロキョロしてると大きなフクロウと目が合う。
目が合った瞬間顔をクルクル回し始める。
フクロウっぽい動きで可愛い。
「映司様。愛でるのは良いっすが催眠かけられてますよ?」
え?催眠。
特に操られてる感じはしないけど。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヒュプノシスオウル
目があった生き物を操る魔眼を使い仲間割れさせる。
ヒュプノシスオウル本体も弱くないので目をあわせなければ簡単に倒せると勘違いするのは厳禁。
BP3160
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガッツリ催眠かけられてるじゃん。
まぁ、俺には効いてないけど。
可愛いフクロウなんだけどな...残念。
熱線でヒュプノシスオウルを燃やす。
「元々、魔物っすから。可愛い見た目をしてても。従魔でもない限り油断しちゃダメっす」
だって、従魔になるとみんな俺の事警戒するんだもん。
猫カフェとかにもいけなくなっちゃったし。
「ただの動物じゃなくて魔物だもんな。っとそれよりグラサンドロップしてんだけど」
「敵の魔眼の効果を防いでくれるグラサンだと思うっす。目と目があった時に発動する効果だけっすけど」
さっきの催眠みたいなのは防げるけど。
見た場所を発火させるとか目をあわせなくても効果が発揮する魔眼は防げないって訳か。
「催眠能力は厄介だからな防げる手段ってのは嬉しいな」
「そこまで強力なアイテムじゃないっすけどね。これで防げない催眠攻撃をしてくる魔物は沢山いるっす。因みに保護してるヴァンパイアっ娘の魅了の魔眼も防げないと思うっすよ」
ヴァンパイアっ娘魔眼持ってんの!?
そう言えばヴァンパイアって見たものを魅了する目を持つってお話も多いよね。
「防ぐ方法は?」
「楽なのは目を抉っちゃうことっすね」
流石にそれは……
万が一ヴァンパイアっ娘が魔眼を使用した時はそうするか。
「それより溶岩湖エリアは特に出現する魔物は変わらなかったのに、雪原になってからは階層が変わる度に出現する魔物が変わってる。そう言うところも含めて難易度が上がってるってことなのかな?」
雪の中から飛びかかって来た狐をカウンターで倒しながら先に進む。
「そうっすね。ダンジョンマスターの気合いの入れようの差とも言えるっす」
あ〜そう言う。
「魔物の種類が変わろうとダンジョンを攻略する事に変わりはない」
リーリンさんから話を聞いて欲しい魔導具の検討はついてるからな。
リーリンさんが言うにはダンジョンの初回攻略報酬じゃないとまず手に入らないって聞いてるし。確実に攻略して手に入れたい。
「まぁ、映司様が苦戦する魔物が出てくるとは思えないっすから。このまま進んでればそのうち攻略出来るっす」
「まぁ、そうだな」
襲いかかって来たサーベルタイガーをアイアンクローで拘束しながら返事をする。
この階層から魔物が積極的に襲いかかってくるようになった。
「あれマンモスの群れ?」
長い牙が生えていて毛が長い象の群れを発見する。
マンモスの肉イメージだけど恐竜より美味しそうだよね。
数いるし一体ぐらい肉をドロップしないかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます