第363話
「うーんと言っても。ディメンションルームの中に入っていれば、俺たちは何もしなくても被害は受けないよね」
ディメンションルームに入って来れるような魔物はいないだろうし。
今俺たちがいる場所って俺たち以外に人もいないから魔物を倒す必要無くない?
世界中でこうやって魔物が出現してるんじゃない?って事に関しては広範囲すぎるし。
この世界の人達に頑張って貰おう。
まぁ、理外でワープホールを作り出して俺たちが拠点にしていた街の状況だけ確認したけど。
あっちでは魔物が出現してなかったし、魔物が出現したのはここだけっぽい?
ワープホールを作り出した事でちょっと疲れたけど。後は寝るだけだし、問題ない。
と言っても。ここでしか魔物が出現していないなら、何でここだけ?って疑問は有るんだよね。
なので少し、外の魔物たちの行動をモニター越しに確認させてもらう事にした。
すると魔物たちのの中で火を使う事ができるもの達が火を使って雪を溶かし始めた。
魔物たちが何かを探している?
やっぱりこの場所には何か神に関わる重要なものが残されている?
魔物になった人間である魔人が邪神を信仰しているという事は魔物は邪神の勢力だと考えられる。
と言う事はここに残されているのは邪神に関する何かなのか?
取り敢えず、あのまま魔物たちを放置するのは不味そうだ。
と言う訳で、出現した魔物達を殲滅する為にディメンションルームから外に出る。
「あの程度の魔物わざわざ映司が相手するまでもないわ。それに理外を使って疲れてるんでしょ?私がやる」
ソフィアがやると言うならソフィアに任せよう。ソフィアが言ったように俺が手を下さずとも十分蹂躙可能だ。
分かったと答えソフィアの後ろに回る。
「それじゃ、消えなさい」
ソフィアから溢れ出した霧が魔物から包み込んでいく。
少しして霧が晴れると、霧に包まれていた魔物達はカラカラのミイラになって死体になっていた。
コレが嫉妬の能力の1つ。敵の生命力を吸収する霧を生み出し操る事が出来る。因みに1番基本的な能力だ。
「これで魔物は倒した訳だけど。月の色は変わらないわね」
確かに魔物は全滅させたけど。月の色は変わらず赤だ。
取り敢えず、月をどうする事は出来ないだろうし。今の俺達に出来そうな事をやるとしよう。
魔物が雪を溶かしていた場所の雪を溶かす。
地面が顔を出したけど。特に何も見つからない。
魔物は何処にあるのか分かっていたわけではなく手当り次第に雪を溶かして捜し物を探すつもりだったのか。
それだったら魔物が1箇所に集まって雪を溶かすような事しないと思うんだよな。
そう言えば火を使う事が出来る魔物だけじゃなくて、モグラみたいな地面を掘るのが得意そうな魔物もいたな。
「って事は、地面に埋まってる?」
と言っても、俺たち地面を掘るのは雪を溶かす程簡単に出来る訳じゃないぞ。
そう考えているとスゥが任せてくださいと自信満々に吠えて、前足で地面を掘り始めた。
なんと言うか物凄く忠犬だよね。スゥはどちらかと言うと狼のはずなんだけど。
いやまぁ、忠犬的な性格をしていてくれた方がこちらとしては助かるけど。
地面を掘る作業はスゥに任せて、後の面子は新しい魔物が湧いて来ないか警戒する事にした。
月はまだおかしいままな訳だからな。新しい魔物が湧いて来ないとも限らない。
その後 、予想通り魔物が次々と現れて襲いかかってくる。
さっきまでの採掘要員では無く採掘の邪魔をする俺たちを排除する為に戦闘特化の魔物達だ。
と言っても。俺たちの敵じゃない。と言うかソフィアが嫉妬を使って霧の壁を俺たちを囲むように配置したので、魔物達は勝手に霧の壁に突っ込んでミイラになっている。
なんというか。邪神は頭悪いのかな?もしくは今の状況を完璧に把握出来る程復活している訳じゃない?
自分の復活に必要なものを手に入れるため魔物を作り出したら、その魔物達が倒された。敵の情報を確認する事は出来ないから取り敢えず、追加の魔物を作って様子をみてみよう的な?
取り敢えず、ソフィアは敵から奪った生命力を自分の生命力や魔力に変換する事が出来るので、魔物が出現して来る間、魔力切れで霧の壁が維持出来なくなる事はない。
結果から言うと魔物達は一晩中湧き続けて襲いかかってきた。
と言ってもどいつもこいつも霧の中に自分から突っ込んで行くから特別何かすること無く魔物は自動で倒されていった。
色々と残念な魔物達だったな。
そんな魔物達は日の出と同時に出現しなくなった。
やっぱり、あの月が本来魔物が出現しないような場所で魔物が出現していた理由なのだろう。
魔物達の捜し物に関しては、一晩中スゥが地面を掘っていた訳だけど。
未だに発見出来ていない。
止めるべきか、そのまま穴掘りを続行させるべきか迷ったけど。
スゥがもう少し掘らせて下さい私の直感が此処に何か埋まっていると囁いてるんですと懇願して来たので、そのまま穴掘りを続けさせる事になった。
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