第364話
スゥの穴掘りをずっと眺めているのも時間が勿体ないので、スゥが穴掘りしている場所から離れて手当り次第雪を溶かして何か無いか探す事にする。
しかし、雪を溶かせど溶かせど、現れるのはクレーターのみで特に何かが出てくる事は無い。
やっぱり何かあるのはスゥが穴掘りしている場所あそこだけかなと思い出したところでクレーターのそこで何かが太陽の光を反射して光る。
何か埋まっている?と光を反射した何かがある場所に向かうと、その場所にはポッキリ折れているが、そのこと以外は新品のように綺麗なロングソードが埋まっていた。
どうやら刀身の1部だけが地面から出ていて、光を反射したようだ。
それにしても、この剣が邪神と創造神の戦い参加していた者に使われていたものだとすると。 かなりの期間地面に埋まっていたはずなんだけど。一切、錆がついていないどころか新品同然って普通の剣じゃないよな。
ポッキリ折れているので剣としては使えないけど。鋳潰して再利用する事は出来そう。
なんか特別な金属を使ってそうだし、溶かす事が出来るかと言う問題も有るけど。
それに創造神復活についてのヒントにはなりそうにないけど。何を見つからないよりはマシだろう。
そろそろ、スゥの方も何か掘り出しているかなとスゥが穴掘りしている場所に戻ると、宝石のようなものを咥えているスゥが待っていた。
スゥの直感は当たっていて本当に地面に何か埋まっていたようだ。いやまぁ何かと言うか想像以上の物が埋まってたみたいだけど。
「これが地面に埋まっていたのか……それにしてもこれは……」
この宝石ようなもの、物凄く既視感が有る。
具体的に言うと、あれだケツァルコアトルの切り裂かれた体の一部に物凄く似ている。
但し、ケツァルコアトルのものでは無いはずだ。直接見ているからコレがケツァルコアトルの物なら見ただけでわかる。
神の体の1部だとは思うけど。どの神のものなのかは分からない。
この世界にあった物なんだから創造神か邪神どちらかの体の一部なんだろうけど…
「復活させてみるか……」
創造神なら炎も司っている事になるだろうし。
絶炎を使えば、復活させる事は可能だろう。
破壊神は分からないけど。炎を司っていても可笑しくないよね。
炎だって破壊というより物を燃やして焼失させたりする訳だし。
問題は、神を復活させるとなると混沌大陸を浄化し続けている聖炎を解除しなきゃ行けなくなる。
直感だけど。あの穢れは浄化しといた方がいい気がするんだよね。
浄化しているおかげで、それの対応に邪神がリソースを割かれているおかげで邪神の復活が遅れている的な。
本来だったら、特に何もしなくても近いうちに復活出来るから特に大きな動きを見せる事は無かったけど。
突然すごい速度で穢れを浄化され始めてこのままでは復活が遅れてしまうと焦って急いで活動を始めたとか?
それだと、混沌大陸を浄化し始める前に魔人たちに襲われた街の件が訳分からなくなるか。
あぁでも、魔人に襲われたのはあの街だけっぽいんだっけ。
ダンジョンの最奥にある邪神の一部が狙いだった場合。ダンジョンは世界中に何ヶ所もあるし。他のダンジョンがある場所も魔人に襲われてなきゃおかしくないか?と気になっていたけど。
邪神の体の一部は狙いじゃないくて、あの街には、それより重要なものがあってそれを手に入れる為に魔人達は襲撃に来た?
なんも理由が無くあの街だけ襲われたって納得するよりはその方が可能性ありそう。
いやまぁ、魔人の数は少ないから複数箇所を同時に攻撃する事が出来なかっただけかも知れないけど。
魔人って元からそう言う種族が存在したんじゃなくて、人間が魔物化した種族な訳だし。
数が多いって事は無いだろう。
なんと言うかこっちの方が現実的な気がして来たな。
まぁ、どちらにせよ。一度あの街に帰る予定だからその時にちょっと調べて見ればいいか。
調べたところで分かるかどうかは怪しいけど。
「体の一部を使って神を復活させない事には手詰まりか……」
リスクは有るけど。これで復活したのが邪神だったとしても、体の一部を使って復活した場合かなり弱体化した状態で復活する事になる。
それはケツァルコアトルを復活させた時にそうだったから間違い無いはず。
邪神だった場合、復活した瞬間に一斉攻撃すれば何とかなる……筈。
なんと言うか、こうやって毎回今度からもうちょっと慎重に行動しよう的な事を言っておいて、確証も無しに神を復活させるの?って感じだけど。
今回に関しては慎重に行動していると手遅れになる。そんな気がする。
混沌大陸を浄化し続けている聖炎の維持をやめて、全力を出せる状態に戻る。
ケツァルコアトルを復活させた時から、他の神も復活させるような事になるだろうと予想出来てたし。絶炎の制御力アップは俺のパワーアップに繋がるので、頑張って鍛えている。
だからケツァルコアトルを復活させた時よりは消耗する事は無いだろうけど。気合いを入れないとな。
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