第19話
「そう言えば映司様ダンジョン初攻略者報酬として望むアイテムを1つ貰えるっすけど。なにか欲しいアイテムは有るっすか」
正直どんなアイテムがあるのか全然知らないからな〜俺が知っているアイテムで欲しいものってなるとやっぱりバーニングソウルのスキルの書だよな。
ドラゴニアンの俺なら体温を上げれば上げるほどBPを上昇させるって効果をしっかり使えるだろうし。
「バーニングソウルのスキルの書って選べる?」
そう言うとサンダードラゴンくんがちょっと嫌そうな顔をする。
「やっぱり本能でバーニングソウルを習得したくなるっすかね〜。竜や龍の中で火属性の龍はBP詐欺モンスターって言われてるっすけどなんでかわかるっすか?」
「さぁ?検討もつかないな」
「実は火属性の龍ってほかの属性の龍に比べてBPが低いんすよ。なんすけどバーニングソウルとの相性が良すぎるんす」
火属性の龍はBPが低いのにバーニングソウルとの相性が良すぎるから結局ほかの属性の龍よりBPが高くなるってことかな。
「他の属性の龍はBP5倍程度が限界なのに対して火属性の龍は20倍ぐらいまで行けるっすからね」
そりゃ強化倍率が違いすぎるな。
「ちなみになんだけど。同じレベルで両方下位龍の場合、火属性がBP5000だとしたらほかの属性のBPはどのぐらいになるの?」
「だいたい10,000BP前後っすかね」
ってなるとお互い最大倍率でバーニングソウルを使ったとして火属性が100,000BP
他の属性が50,000BPか確かにBP詐欺って言われてもおかしくないかもね。
「バーニングソウルの嫌なところは体温が上昇すること自体にも効果があるところっす。倍率20倍になるなんて体温が何千度レベルっす近づいただけで魔物を倒せちゃうっす。火属性以外の龍も普通にダメージを食らう温度っすから」
突っ立ってるだけで敵を倒せるようになっちゃうわけね。そうなるとやっぱりバーニングソウルは絶対に手に入れておくべきだ。
と言っても高い強化倍率を使えるのは1人の時だけになっちゃうけど。
味方も巻き込んじゃうだろうし。
そう言う点ではちょっと使いづらくはあるか。
まぁ、でも秘密兵器にはなってくれそうだし。
「じゃあバーニングソウルのスキルの書でお願い」
「了解っす」
「そう言えば俺ってここのダンジョンクリアした判定で良いの?」
ダンジョンの1割すら探索したか怪しいのに
「ダンジョンマスターを倒すとは違いますけど無力化したっすからね。ダンジョンクリアっす」
こっちが圧倒的に得をしてるんだから文句を言うつもりはないけどなんか釈然としない。
「用意できたっすよ。バーニングソウルのスキルの書っす」
サンダードラゴンくんからスキルの書を受け取り使用する。
(スキルバーニングソウルを取得しました)
そう言えばスキルの書もう1冊手に入れてたな。トラップウィードの初回討伐報酬でスキルの書を手に入れていたことを思い出してリュックサックからスキルの書を取り出して鑑定モノクルで中身を確認する。
「言語理解(E国語)かちょうどいいっちゃいいけど。2人とも日本語喋れるしな」
と言ってもE国語は義務教育で勉強する言語だし言語理解でE国語をマスターできるならE国語の授業は勉強しなくても完璧なんじゃない?
言語理解スキル最高じゃん!?
言語理解(E国語)のスキルの書も使用する。
(言語理解(E国語)を習得しました)
使ってみないことには分からないけどこれでバイリンガルになったはずだ。
「そろそろダンジョンから出るか。サンダードラゴンくんは小さくなれる?と言うか小さくなってくれないと連れ出せないんだけど」
サンダードラゴンくんのサイズは龍の姿の俺よりでかいそのままのサイズじゃダンジョンの外に出す訳にはいかない。
まぁ、ダンジョンから出た後、周囲の安全確認をして普通のサイズに戻ってもらおうかなとは思ってるけど。
いい感じに牽制になるだろう。
「小さくなるぐらいなら自由に出来るっす」
そう言って頭の先からしっぽの先まで30cmぐらいのサイズまで小さくなった。
ちなみににサンダードラゴンくんは四足歩行の西洋竜だ。
「それなら問題なく外に出れるね。後は名前をつけておいた方が何かと便利か…決めたお前は雷太だ」
こう言うのは分かりやすく単純な方が良いだろうチャラ竜とどっちにするか迷ったけど。名前は雷太。あだ名はチャラ竜ってことで。
「了解っす今日から雷太として頑張って行くっす」
ダンジョンから出てきて河村さんにどうなった説明したら「やりすぎだ」と怒られた。好きにやっていいって言われたのに……
まぁ俺もやりすぎだと思う。
俺はこうやって河村さんに連絡するだけですんでるけど。河村さんはそうはいかない。
今から大量の報告書を書くのだろう。
後しっかり雷太に上空で元の姿に戻ってもらった。
そろそろホテルに戻って寝ないと明日も朝から護衛のお仕事があるし。
ダンジョンも雷太が一時的に誰も入れなくすることも可能って言うからここを離れても何も問題ない。それをしてもらって竜牙兵は全員送還した。
「そう言えばあのホテルってペット入れるかな?」
雷太は毛がないし賢いから備品を壊したりはしないだろうし許してくれないかな?
ペット扱いは酷いっすと言う雷太を無視してホテルに帰っていった。
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