第325話
「これは有難く受けたらせて頂きます。近いうちに直接お礼を……直接会うのは難しいですかね?」
直接お礼を言いに伺わせて頂きますって言おうと思ったけど。相手は神様だからな、直接会うなんて出来ないかもしれない。
そんな事無いと思うけど。
「そんなこと無いにゃ。龍王が来てくれるなら。バステト様ご自身が全力で歓迎してくれるはずにゃ」
それはそれでどうなの?って思うけど。
まぁ、それなら行かない訳には行かないか。
面倒事の雰囲気は凄いけど。
「そういう事なら伺わせて頂きます。それと、凄く関係ない事なんですけど。喋る猫って語尾ににゃってつくのが普通なんですか?」
「さぁ?私はバステト様が『日本人と話す時は語尾ににゃって付けとけば万事上手くいくからつけるように』って言われたからつけてるだけだけど?」
……バステト神に会うのが凄く不安になった。
確かに猫とか猫獣人が語尾ににゃって付けて喋ったらそれだけでノックアウトされる日本人も存在する事は否定できない。
だからと言って全員がそうって訳じゃ無いからね?
「あぁ、そうなんですね……」
「とりあえず。要件は終わったし。人も近づいて来ているから、私はこの辺で失礼するにゃ。EG国に来る時はこの番号に連絡してくれたら、私が現地を案内するにゃ」
俺に電話番号とバステト様の神官シェラと書かれた紙を私た瞬間。シェラの気配が物凄く希薄になった。
透明になっている訳じゃ無いけど。
これなら気づかれずにこの建物から出て行くことが出来るだろう。
そのまま部屋から出ていくのかなって思っていたらシェラが黒い霧に包まれて黒い霧がどんどん小さくなっていく。
霧が晴れたら、猫が一匹現れる。
猫に姿を変える事も出来るらしい。
色んなところに侵入出来そうな能力だ。
「それにしても神官か……神の使いとは別の存在なのかな?」
神の使いだったら神の使いって言いそうだし。
多分違う気がする。
神の使いは神様が創り出した神造生物。
神官は神に仕える人間見たいな。
まぁ、気になるようだったらリーリンさんにでも聞けば正解を教えてくれるだろう。
出来るだけ早く行くとは言ったけど。
何時になったら行けるだろうか?
タイミングによっては全然行けないってことにのなりそうだ。
そこまで遅くならないとは思うけど。
とにかくEG国に行く準備をしておいた方が良いかな。
そう言えばシェラは日本語で話していたなと今更気づいたけど。元から日本語勉強していて喋れたとか。スキルで喋れるようになったとか色々可能性を考えられるし。
そこまで気にする事では無いか。
「映司君、ちょっと良いかな」
「待機しているだけで暇なので、ちょっとと言わず話し相手になって下さい」
話と言っても今日の金額が合計でいくらになったとか、そこからいくらが政府のお金になるかとか。
いつ俺の口座に振り込まれるかとかそう言った内容なので、全然楽しい感じじゃ無いけど。
お金が沢山手に入るって話だから楽しい話しでは有るのか?
まぁ、どっちでもいいや。暇つぶしになったのは間違い無いし。
「そう言えば、近いうちにEG国に行ってこようと思うんですよ」
伝えずに勝手に飛行機のチケット取って勝手にEG国に行っても問題ないっちゃ無いんだけど。一応伝えておく。
「それまた何で唐突にEG国に?」
「ピラミッド見てみたいなって冗談抜きで何か秘密が隠されてそうじゃ無いですか」
「まぁ…分からなくも無いけど……」
河村さんの目が絶対それが目的じゃ無いよね?って目をしている。
まぁ、ベアトリーチェさんの件があったばっかりだからな。そうやって警戒されるのも仕方ない?
実際EG国に行く理由は神様に会いに行くためだからね。
まぁ、ピラミッドには隠された秘密が有りそうってのもホントに思っている事では有るけど。
万が一秘密があったとして、それに俺が気づいたとしても。
勝手に持ち帰ったり出来ないだろうし。あんまり興味が無い。
そもそも持ち帰れる物じゃない可能性だってあるし。
「まぁ、映司君が海外に旅行に行くことを止める事は出来ないから。これだけ言っておくけど、EG国で騒ぎを起こさないでよ?」
「俺から何か起こすつもりは無いです。
ただ、騒ぎが向こうからやって来るんです」
俺から騒ぎを起こした事はほとんどないと思うんだよね。
全く無い訳では無いけど。
それにEG国で何かやらかした場合、助けて貰えるツテが無いからそれなりに慎重に行動するつもりだよ?俺自身は。
まぁ、バステト神に会いにいくって時点で何も起きない訳が無いと思うけど。
だから目標としてはバレないようにコッソリやらかすって感じだな。
河村さんは感情を読み取る魔眼をスキルで得ているので、俺がどんな事考えているか。
読み取った感情から何となく予想出来ているんだろう。
本当お願いだから大人しくして?って顔に書いてある。
と言っても直接お礼を言いに行くって伝えちゃったからな。
今更やっぱり行かないなんて言えないので、諦めて欲しい。
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