第435話
「という訳で河村さん申し訳無いんですが。水の用意お願いします」
「わかった直ぐに用意させよう。他になにか必要になりそうな物も教えてくれれば事前に用意しておくよ」
必要になりそうな物か……
「犬とか猫用のフカフカしたベッド、ブランケット、トイレをする場所としてペットシーツにワイバーンの赤ちゃん達がトイレをした後にお尻を拭いてあげる為のウエットティッシュ現状パッと思いつくのはそれぐらいですかね?」
まだまだこれがあった方がって物が有りそうだけど。
現状パッと思いつくものはこれぐらいだな。
「となるとペットショップか……誰か今すぐペットショップに買い物を頼む。当然経費で落ちるので領収書を発行して貰うのを忘れないように」
まぁ、ワイバーンのための用品だからな。
ペット用品だとしても経費がおりるだろう。
「承知致しました!大至急ペットショップに買い出しに行ってきます」
女性隊員の1人が敬礼して部屋から出ていく。
SCSF隊員が突然来店してペット用品を経費で購入していく……
ペットショップの店員さんはびっくりするだろうな。
「映司くん。飲水は下の自販機のミネラルウォーターで大丈夫かな?」
「濾過器で濾過した水道水でも問題ないと思いますよ。まぁ、ペットボトルの水の方が運んで来るのが楽だとは思いますけど」
あーでも、交換式のろ過カートリッジが取り付けられる容器。ああ言うのが有れば、持ち運びの点で苦労する事は無いか。
そもそもワイバーンの赤ちゃんなら水道水を直飲みしようが体調を崩す事は無いだろうけど。
俺が濾過器を挟まないで水道水を飲むことはないのにワイバーンの赤ちゃんたちに水道水を直飲みさせるのはな……
「それじゃ。あの子たち用の交換式ろ過カートリッジを装着出来る容器も追加で買ってきてもらおう」
そう言って河村さんがさっき部屋を出ていった女性隊員に追加で買うものが出来たと連絡を入れた。
「とりあえず。こうやって何度も連絡するのも大変だから、必要そうだなって思ったもの取り敢えず片っ端から買ってきてと伝えといた」
それが良いと思う。そうじゃなきゃ何度も連絡する事になりそうだし。
「ミネラルウォーターをお持ちしました」
「じゃ、一緒に行こうか」
「い、一緒にですか!!」
「いや、だってあの子たちの面倒はSCSFの皆さんが見るんですよ?今のうちに最低限敵じゃないと信用して貰っとかないと。あの子たちの体力が戻ったらブレス攻撃されたりしますよ?」
今はもう鳴き声で威嚇する程度の体力しか残ってなかったから、実際に攻撃される事は無かったけど。
ご飯も食べてくれたし。これからどんどん体力も回復していく。
その前に最低限の信用を得ておかないとワイバーンの赤ちゃんたちはSCSFの人たちを敵として攻撃し始めるかもしれない。
俺がダメだよと事前に言い聞かせておけば、流石にそこまでの事は起きないと思うけど。
近づいてくるSCSF隊員に当たら無いようにブレス攻撃をして威嚇ぐらいならやりかねない。
そういう事が起きないよう今のうちにコミュニケーションを取ってもらおうという訳だ。
「確かにその通りだね。映司くんがいる間に私たちもワイバーンの赤ちゃん達とコミュニケーションが取れるようになっておきべきだろう。ってことで大瀬崎くん映司くんの指示に従ってワイバーンの赤ちゃんとの仲を少しでも深めてくるように」
「待ってください。佐原隊員より先にワイバーンの赤ちゃんと触れ合ったとバレたら絶対面倒臭いですって!」
「SCSF隊員同士の人間関係に関しては其方で対処してください。ほら、行きますよ。
あっそうそう。大瀬崎さん手をワイバーンの赤ちゃんから見えないところに動かしちゃダメですよ?警戒されちゃいますから」
「はっはい」
「大瀬崎さんは一旦ここで止まって。一度あの子たちに説明してきますので」
一定距離まで近づいたところで、大瀬崎さんに一旦止まってもらい俺だけでワイバーンの赤ちゃんの所に戻る。
「待て待て。そんなに興奮しない。俺だってずっと君たちの面倒をみている訳には行かない。だから俺以外にも面倒を見てくれる人を紹介したいんだ。だから落ち着いて、ね?」
どうしてそいつを連れてくるんだ!と興奮するワイバーンの赤ちゃんたちを説得して宥める。
ご飯を満足いくまで食べたおかげで、既に体力が戻りつつ有るらしい。
さっきより動きにキレがある。
流石ワイバーンだな。赤ちゃんと言えど体力の回復が早い。
もう数時間もすればブレス攻撃が出来るぐらいまで回復しそうだな。
「よしよし分かってくれたか。いい子だなお前たちは。と言うわけで大瀬崎さん。ゆっくりこちらに近づいてください」
大瀬崎さんを手招きしてこちらに呼ぶ。
大瀬崎さんとワイバーンの赤ちゃん達互いに凄い緊張状態だ。
「それじゃこのお皿に持ってきたミネラルウォーターを注いでください」
底が深めのお皿をマジックバッグから取り出してそこに大瀬崎さんが用意した水を注いで貰う。
取り敢えず。俺から以外も食べ物や水を貰ってくれるようになってくれないとな。
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