第210話
「さて。ちゃっちゃと地図を完成させちゃいますか」
昨日は正直に言うとダンジョンのマッピングと言うよりか採集の方がメインだったらな。
今日はダンジョンの中を飛び回って地図を完成させてしまおう。
E国の人からしたらどんな魔物がいるのかの情報も役にたったみたいだし、一日でこれだけの範囲のマッピングを終えられるとは……って驚かれたけど。
それにしても確かに魔物の情報も重要ではあるよな。
魔物について予め知っていれば対策を立てる事ができる。
普通は歩いてマッピングするだろうからダンジョン内にいる魔物と遭遇するし自然とそう言った情報が手に入るんだろうけど。
残りは空を飛んで地図を埋める予定だからな。
飛行できる魔物ぐらいしか遭遇しないだろう。
そう考えると歩いて地図を作成することにも意味があったわけだ。
このダンジョンかなり広いっぽいし歩いて地図を作成するとなると何日かかるか予想もつかないし。
歩いて地図を埋める気にはならないけど。
入口に立ち中に人が入らないように守護している兵士さんに挨拶をしてダンジョンの中に入っていった。
「さてと、種族進化してから龍の姿になるのは地味に初めてだな」
そう言えば最上位龍になってから一度も龍の姿になってなかったなと思いながら龍の姿に変身する。
「やっぱり、特に姿が変わったりはしないのか。それにしても色が黒って火属性の龍としてどうなんだろう?」
何となくそんな気はしていたけど、姿は特に中位龍の時と変わっていなかった。
見たは同じでも爪や牙はより頑丈で鋭く。
他の部分も進化しているんだけどね。
それと色に関しては黒色カッコイイと思うけど、闇属性の龍だと思われそうだなと思っての発言だ。
実際は炎を使って攻撃しているし火属性の龍だとは認識されているだろうけど。
火属性の龍とか竜って赤色ってイメージを持っている人も一定数いそうだよね。
そもそも、色関係なく様々な属性を使いこなす龍や竜が出てくるアニメや漫画、ゲームも有るし、色が火属性の龍っぽくないって考え自体意味の無いものかもしれない。
赤か黒、色を好きに決められると言われても黒の方が好きだし黒を選ぶけど。
「今はどれだけ飛行速度が上がっているかの方が重要か」
翼を広げて加減をして上空に飛び立つ。
最初っから全力で飛ぼうとすると絶対失敗するからな。
実際、半分以下の力で上昇したつもりだったのに進化前の全力で上昇した時と同じぐらいの速度がでていた。
今回は一気に2段階種族進化したからな。そのぐらいの違いが出てもおかしくないだろう。
一気の速度を上げることはせずに徐々にスピードを上げていきながらダンジョンを自由に飛行する。
途中、こちらに向かって来た魔物もいたけど。
そのまま体当たりで倒した。
余裕で音速は超えてるだろうなと言う速度が出ているので、こちらに向かってきた魔物は体当たりでバラバラになってしまった。
ドロップ品を回収するために速度を落とすのも面倒臭いのでドロップ品は拾いに行かずに無視した。
「おっ、もう端っこまで来ちゃったか。それじゃ今度はこっち御方向に」
このジャングルフィールドは霧で囲まれているようで、そこがフィールド限界になっている。
このダンジョンのフィールド限界は透明な壁で、しかも先にはジャングルの景色が見えていて普通に進めそうに見えるとかだったら透明な壁に激突してたかも知れないから分かりやすくて本当に良かった。
透明な壁バージョンのダンジョンも実際に存在するからな。
ちょっと気をつけるべきだった。
想像以上に早く飛べてちょっと楽しくなっちゃってそこら辺警戒するのすっかり忘れてた。
取り敢えず、先ずはダンジョンの限界に沿って飛んで地図を埋める。
後は内側を適当に埋めれば地図が完成する。
やっぱり綺麗な正方形なんだな。
洞窟等の狭い通路を進むようなダンジョンだとそうでも無いけど、フィールド型のダンジョンは基本正方形のようだ。
その後全力で飛行して、大して時間をかけず
に地図を埋め終わった。
「地図が完成したしそのまま外にでてっても良いんだけど、折角だし2階層目を少し見てみるのもありか」
地図を完成させたので次の階層に進めるポイントは既に判明している。
時間の余裕も有るし、2階層をお散歩がてら飛んだり歩いたりするのも良いだろう。
そんな軽い気持ちで次の階層に進むための魔法陣の上に乗って2階層目に移動した。
「引き続きジャングルか。もしかしたらガラッと変わるかもなって思ってたけど残念。まぁ、せっかく来たんだし、ちょっと歩き回ってみよう」
1階層目がジャングルフィールドだから2階層目以降もジャングルフィールドとは限らない。
俺からしたらジャングル以外の環境の方が楽しかったけど。E国からしたら2階層目でもポーションに使う薬草の類を採集できる訳だからこっちの方が嬉しいだろう。
同じジャングルでも出現する魔物が若干変更されてたり、採集できるものが変わってたりする可能性は十分あるからなと2階層目の探索を始めた。
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読んでいただき有難うございます。
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