第249話
「学校をサボったダンジョンね。ある程度そう言う連中が出るだろうなと思っていたけどここまでとは思って無かった」
今日は月曜日。祝日でも無いので学校に登校して来たら学校に全然人がいなかった。
学校に来ている人達の話に耳を傾けて見ると、どうやら学校をサボってダンジョンに行っている人がほとんどらしいという事がわかった。
中には土日にダンジョンに行って大怪我して入院中だったり、ダンジョンで行方不明恐らく死んでしまったと思われる人もいるようだ。
そう言う人もいるとわかっていても学校全体の生徒数の約30パーセントぐらいが学校をサボりダンジョンに行っている。
俺が通っている学校は全体で約950人ぐらいなので、大体285人ぐらいが同時に学校を休んでいる事になる。
そりゃ人が少なく感じるわけだ。
教師に関しては流石に来てない人とかいないよね?と思っていたけど。辞表を提出して退職した先生が数人いるらしい。
学校の先生って職業ブラックそうだなとは思っていたけど。そんな思いつたように退職して大丈夫なのかな?
このタイミングで辞めたって事は冒険者になるんだろうけど。
さっき言った通りダンジョンでのドロップ品だけで収支を黒字ある程度レベルを上げないと難しい。
それまで生活出来る貯金が有れば良いけど。
そもそもドロップ品の収入だけで不自由なく生活出来るようになるまで強くなれる保証も無いし。
最初から今の職業を辞めて冒険者1本って言うのはリスクが有るんじゃないかな?
まぁ、その人の自由だし、俺がこの事を声に出して言うつもりは無いけど。
「よう映司。総理大臣と直接あったり大変そうだったな」
「まぁね。不意打ちだったからちょっと驚いたけど。正直ずっと部屋で待機していただけだから暇で仕方なかった。そう言う勝彦は土日何してたの?」
教室に辿り着くと勝彦が話しかけて来た。
総理大臣と笑顔で握手している写真は総理大臣の支持率アップの為に大々的に報道されてるからな。
知らない人の方が少なくだろう。
俺と仲良さそうにしているだけで支持率が上がるとか、日本の影の支配者とか言われ出しそうでちょっと嫌なんだけど。
俺の事を奴隷のように使おうとしたりする人が総理大臣とかになるよりはマシかな。
「富美加の冒険者ライセンスの発行申請をする事は出来たけど。まだ、冒険者ライセンスを受け取る事が出来なかったから俺とサティでガーゴイル狩りをしていたよ」
青木さんは何とか母親を説得する事が出来たらしい。
「そう言えば勝彦以外にガーゴイル狩りに来た人はいた?」
ガーゴイルは初心者が倒すには少し難しい魔物だけど。小さな宝石をドロップする。
その誘惑に負けて無理して挑戦した奴もいただろう。
「あ〜そこそこいたぞ。20人位でパーティーを組んで何とかガーゴイルを倒していた奴らとか。と言っても1回戦闘する度にけが人が出ていたし。宝石がドロップすると言っても確定じゃないし、サイズは小さい。確実に赤字だと思うんだが……」
無理せずもっと弱い魔物を倒してレベルを上げてからガーゴイル狩りをすれば良いのにね。
宝石を売却した金額を20分割するとしたら大した金額じゃ無くなるだろうに。
「そいつらはまだマシな方だったな。酷いやつらは、俺がガーゴイルを倒した後近づいて来て『そいつは俺らが戦ってたガーゴイルだぞ!横取りしやがったな!』って因縁つけてくる奴らもいた」
「しょうもない奴らだな……と言ってもダンジョンの中で因縁つけられたって証明出来ないだろうし、結構めんどくさかったんじゃ?」
こちらから手を出したら逆にこちらが悪にされかねない。
「それならヘッドマウントカメラをつけて撮影しながらだったから、全然問題無かった。そう言った奴らが出てくるのは想像出来てたしな」
成程。投稿目的だけではなく、犯罪抑制目的としても動画をとる意味は有るのか。
変な絡まれ方されるの嫌だし俺もダンジョンに入る時はヘッドマウントカメラつけて行こう。
雷太がダンジョンマスターのダンジョンなら他人と遭遇しないようにしてもらえるけど。
他の場所じゃそうは行かないからな。
目立つ分絡まれる事は有るだろうし。
当分入るのは雷太がダンジョンマスターをやっている交差点ダンジョンか経験値ダンジョンだけにしよう。
もしくは1階層目からフィールドが溶岩湖になっていて出現する魔物も強い桜島ダンジョンだったら、他の人を気にせずダンジョンを探索出来るかな。
「貴重な情報ありがとう。俺もダンジョンに入る時はヘッドマウントカメラつけて行くことにする。情報量として昼ごはんに魔物の肉で作った1口メンチカツを上げるよ」
「マジか!魔物の肉食べて見たいと思ってたんだよな。早く昼休みにならないかな」
今日の肉は残念ながらマギアイアンワイバーンではなくブルーネックの肉だから、特殊な効果がある訳じゃ無いけど。味は美味しいから満足してくれるだろう。
ホームルームが始まるチャイムがなったので話はここまで、急いで自分の席に着席した。
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