第248話
「おっ、無事みたいだね。良かった良かった」
数分間程そのまま消えなかった絶炎が徐々に消えていき確認出来なかったブリザードウルフの生存を確認する事が出来た。
ブリザードウルフは地面に伏せて目を閉じて体を震わせている。
特に火傷をしたりはしてない見たいだな。
理外で増幅させた絶炎の制御する練習をしないとな。
消費する魔力量の問題で短時間の練習しか出来ないのがネックだけど。
ただ、ブリザードウルフとダンジョンの繋がりを切り離す事に成功した筈なので、普通に理外を使うよりも絶炎を纏わせた方が強くなると言う考えは正解だった。
ブリザードウルフとダンジョンの繋がりなんて直接確認することは出来ないけど。
ブリザードウルフが滅茶苦茶弱体化しているから繋がりをしっかり切り離す事が出来たと判断した。
ダンジョンによるBPブーストが切れて本来の強さに戻ったって事だろうからな。
必要な時になってあの時もっと制御の練習をしておけばって後悔したく無いし。
どうにかして制御出来るようになっておこう。
さて、いつまでも目を閉じてブルブル震えているブリザードウルフにもう大丈夫だよって教えて上げるか。
ブリザードウルフに近づき頭を撫でながらもう大丈夫だよと声をかけてあげる。
恐る恐る目を開けてゆっくり左右を確認して俺の事を見たと思ったら飛びかかって来た。
攻撃ではなくて、生きていたのが嬉しくて飛びついて来た感じだな。
噛まれたりしてないし、しっぽをブンブン振り回している。
ついでに顔を舐められて顔中ベトベトになってしまった。
ブリザードウルフが落ち着いたところでソフィアにテイムして貰う。
ブリザードウルフが抵抗する気なんてないので、問題なくテイムは成功した。
「よろしくねスゥ」
どうやらブリザードウルフの名前はスゥに決まったようだ。
名前からわかる通り女の子だったようだ。
「上手くいって良かった。あっ、宝箱が出現した」
かなりイレギュラーな事をしたつもりだったんだけど。
従魔にした事でクリア判定になったらしい。
宝箱を開けて見ると中には紙の束が入っていた。
そう言えば宝箱の中身を回収したら闘技場から強制的に転移させられるんだった。
紙の束をとる前に家と闘技場を繋ぐワープホールを破壊する。
これで闘技場にやり残した事は無いはず。
闘技場全体をもう一度見回して何も無い事を確認して宝箱の中に入っている紙の束を取り出す。
内容を確認する前に転移で闘技場から追い出されてしまった。
家に帰ってウィーに体全身を水洗いして貰った後に紙の束に書いてある文章を読んでみると、何とこの紙の束は大型魔導具である
〈魔石発電炉〉の設計図だった。
コレは個人で所有してても意味の無いものだな。
明日にでも日本政府に売っぱらってしまおう。
詳しい性能等、俺には理解出来ない部分が殆どだし、実験を何度もする必要もあるだろうし。
上手く行けば新たな発電方法が使えるようになるんだから政府は必死に魔石発電炉を研究してくれるだろう。
成功すればダンジョンが存在する限り永久に手に入る魔石で発電する事ができるようになる。
魔石の価値が上がり魔石の買取り価格が上がって冒険者も今より多少稼ぎやすくなるかも知れない。
SNSとかDtubeの動画を見ている感じ、単純にドロップ品の回収だけでは赤字となる人が多いようだった。
レベルが上がってもっと強い魔物を倒せるようになれば話は変わってくるんだろうけど。
強くなるまで赤字を垂れ流し続けると言うのは中々辛い。
魔石の買取り価格が上がると言ってもいきなり黒字になるほど上がる訳では無いと思うけど。
多少でも赤字が減るだけでも冒険者の助けになるだろう。
態々、魔石発電炉が無くても魔石を燃料に動く家電がダンジョンで手に入るので、それの入手頻度が高かったり。もしくは人の手で作れるようになったら。
発電自体必要無くなるかもしれないけど。現状では発電が必要無くなると言う事は無いだろう。
それにしても部屋がだいぶ賑やかになったな。
俺にソフィア、雷太、ウィー、フィロ、スゥ。
これだけのメンバーが一緒の部屋で寝てるのでかなりぎゅうぎゅうだ。
フィロが自由に農作業出来る土地を買った時についでに新しい家を建てる土地も買ったけど、早めに家を建てた方が良いかも知れない。
今後も土地が必要になりそうだしちょこちょこ買っておいた方が良さそうだな。
と言っても家を建てて更に追加で土地を買ってとなると流石にお金が無くなりそうだな。
オークションが開催されればまとまったお金を手に入れる事が出来るから、そこら辺はオークションが終わってからかな。
それにしてもスゥがもふもふしているのに少し冷んやりしていて抱き枕に凄く良い。
スゥがいれば夏も快適に眠れそうだ。
逆に冬はちょっと離れたところで寝て貰おう。
体温奪われそうだし。
そもそも、溶岩遊泳出来る人が夏の気温程度で暑いと感じ無いだろうと言う指摘をソフィアにされて確かにって思っている間にスゥをソフィアに取られてしまった。
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