第376話

秀明さんのスマホを充電しているあいだ。

俺のスマホのホルダに保存されている写真や動画を見せながら現在の地球がどうなっているのか説明する。


「それじゃ俺が異世界に召喚された少し後に地球でもレベルとかスキルの概念が適応されて。ダンジョンまで出現したってことか」


時間軸的にはそんな感じかな。


「実際見るまで完璧に信じるのは難しいと思いますけどね」


「それより。俺はこの世界で9年暮らしていたのに地球では大体80日ぐらいしか経っていないと言うのが一番実感がわかない。でも、それが本当なら現代医学じゃ治せないと言われた母さんの病気を治療することも……」


「出来るかも知れませんね。この世界に9年もいれば色々なアイテムも手に入れているでしょうし」


絶対とは言わないけど。可能性は高いんじゃないかな。


「なら、日本に!」


「まぁまぁ落ち着いて下さい。奥さんたちとも話し合いは必要でしょう?まぁ、奥さんたちは日本に連れてけないとか意地悪な事は言わないですからしっかり話し合って下さい」


実際に連れ帰れるのか知らないけど。日本人をこの世界に召喚できたんだから逆も可能だろう。


とりあえず。言い合いをしていたのに、全員黙ってこちらの会話を聞いていた秀明さんの奥さん達と話をするべきでは?と一旦落ち着かせる。


「それにしても、しっかりラノベ主人公してたんですね?」


「いやまぁ、成行き?自由を手に入れる為に頑張ってたらこうなった感じです……ちょっと話あって来ますね」


ハーレムね……ソフィアと会う前なら羨ましいとか思ったかも知れないけど。

今は全くだな。むしろソフィアとイチャイチャする時間が減っちゃうし、ハーレムには興味無いな。


「映司もやっぱりハーレムに興味があるの?」


「興味があるように見えた?ソフィアと会う前する時間を減らしたくないし。ソフィア意外とイチャイチャするつもりないしハーレムに興味はないよ」


秀明さんが奥さんたちと話し合いをしている間ソフィアとイチャイチャして時間を潰す。

潰すと言うか話の流れでイチャイチャしてたらいつの間にか秀明さんと奥さんたちの話し合いが終わっていたというのが正しいな。


「それで、どうなりました?」


「日本に帰ることにしました。それでなんですけど……妻たちも日本に行けると言う話だったけど。戸籍とかそういうのって……」


「そこら辺は政府の人と要相談ですね。まぁ、総理大臣とも知り合いですし。どうにかなりますよ」


ティル・ナ・ノーグで暮らしていたフェアリードワーフのカイゼルも戸籍を用意して貰ったし。

なにか犯罪を起こして新しい戸籍を作りたいって訳じゃないから大丈夫何とかなる。

まぁ、異世界人だとか公表することになるかも知れないけど。


ティル・ナ・ノーグも妖精たちが暮らす異世界ってことで公表する事になったし。

公表したところで信じられているかと言えば半々ぐらいかな?

半分の人が信じてるって逆にすごいなって思ったけどね。


「そ、そうなんですね……」


なんか引かれてしまった。問題ないとわかったんだしむしろ喜ぶ場面じゃ?

まぁ、いっか。


「とりあえず。すぐに帰るって言うのは無理なので、準備が整うまではこの街で普通に生活していて下さい。準備が出来たら呼びに行くので」


邪神を倒してからじゃないと帰れないからね。

正確に言えば帰れる事は帰れるけど。

創造神の力を借りる必要がある以上、俺達も

創造神に力を貸して上げようって感じだ。


「俺も帰るって決めたわけだし。日本に帰るために必要な事なら俺達も手伝うけど?」


「うーん。邪神との戦いについてきてもらっても、ぶっちゃけ足でまといだと思うし……あ〜そう言えば。何か特別な武器の欠片を溶かしてオリハルコンと混ぜて作った武器に心あたりないですか?」


「聖槍のことかな?何か勇者の証とか言って使わされてたけど。ぶっちゃけ穂が総オリハルコン製の槍の方が強かったからアレッタルト竜王国との交渉に使ったからもう持ってないけど。今は竜戦姫メナージュ・アレッタルトが持っているって話だった気がする」


Oh……

いやまぁ、持ち主がわかっただけ良かったと思っておこう。



「と言うか邪神を倒さないと日本に帰れないの?」


「帰ることはできないくも無いですけど。その場合、この世界は滅ぶことになるんじゃないですかね?それは後味悪いんで手伝うって感じですね」


「確かにこの世界を犠牲にするのは俺も嫌です。出来れば協力したいんですけど。足でまといですか?」


「うんまぁ、戦闘に関してはそうですね」


(因みに、創造神さん彼らに手伝って貰えそうな事ありますか?)


(正直、映司さんがいれば。他の人の協力が必要かと言われると……不要かと。種族進化でさらに強くなっていますし。正直、破邪の力を持つ精霊武器を用意する必要も有るか微妙に感じて来ていますので)


創造神さん的には賭けに勝って自力での種族進化に成功した俺がいれば邪神の討伐も既にヌルゲーだろうと考えているようだ。

俺は念の為に破邪の力を使える精霊武器を用意した方が良いと思うからしっかり例の武器探し続けるけどね。


続けると言うか誰が持っているのか分かったし。

メナージュがダンジョンから帰って来るのを待つだけだけど。



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読んでいただきありがとうございます。


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