第377話
「そう言えば、秀明さんはこの世界に召喚された時にスキル貰ったんですよね?」
俺とソフィアは既に地球でスキルを手に入れていたから、召喚された時にスキルが手に入る事は無かった。
別のシステムが既に導入されてるからって事なのかな。
種族進化した時に物騒なスキルを手に入れたけど。あれは特殊な例だろう。自分で種族進化すること自体特殊な例だし。
「ああ。〈RPG〉と言うゲームで主人公が使えるマップとかインベントリ、レベルが上がるとSP(スキルポイント)が手に入ってSPを消費してスキルを獲得出来るスキルを貰った」
人、魔物、野生動物を分けて光点で表示してくれるマップに容量無限で時間停止付きの収納能力。
オマケにレベルを上げればスキルを選んで取得する事が出来る。
中々素晴らしいスキルだな。
どれか1つの能力だけ貰えるんでも凄いのにそんなスキルが一纏めになってるとか。
秀明さんがこの世界に召喚されたのは15歳の時。勇者と呼ばれて調子に乗って聖王国にまんまと騙され隷属させられてしまったらしい。
SPで奴隷術と言うスキルを取得して隷属状態を解除ドーム出来なかったらどうなっていたことか……と懐かしそうに語っていた。
その後色んな事に巻き込まれながら奥さんをどんどん増やして今に至るわけだ。
「凄く主人公っぽいスキルですね。俺の初期スキルは種族が変わるってだけのスキルなんで少し羨ましいかも」
龍化とRPGどちらか選べるとしても龍化を選ぶけど。主人公っぽいスキルちょっと憧れるよね。
RPG以外にも勇者って言う如何にも初期スキルを手に入れている人もいたし。
「種族が変わるだけって十分過ぎない?」
「えぇ、まぁそうですね。この初期スキルおかげで色々助かってますから。隣の芝は青く見えるってやつですね」
話をしている間に秀明さんのスマホの充電も終わったので、今回はここら辺で解散……と思ったのだが。数人ディメンションルームから出たくないとい言い出す人が出現。
他の人に引きずられて帰って行くと言う軽い事件が発生した。
「さてと、マジックボックスもあるし椅子は余分に用意しておかないとな」
基本俺とソフィア以外ディメンションルームに入る事は無いと言っても絶対って訳じゃ無いからな。用意しとかないと今回みたいに炎の結晶で作った椅子に座って貰う事になってしまう。
炎の結晶の価値とか、そこら辺のせいで椅子として使ってくれないんだよね。持って帰ろうとする人もいたし。
流石に持ち帰らせ無かったけど。
炎の結晶で作った椅子を消滅させる。
価値の高いもので椅子を作ったのが失敗だな。
まぁ、今回はそれしか方法が無かったんだけど。
(映時さんダンジョン入口付近に神鉄の反応が現れました。例の武器を持っている者がダンジョンから出て来たようです)
タイミングが良いな。
(と思ったけど。ダンジョンから出てきてすぐに武器を売って欲しいって人が来たら知り合いだとしてもウザイだろうから、明日以降に会いに行こう)
ダンジョン探索で疲れているだろうし。ダンジョン内ではシャワーを浴びたりもできない。
シャワーを浴びてゆっくり休みたいと思っているだろう状態で話しかけられると言うのは気分のいいものじゃ無いだろう。
ーーー次の日ーーー
「確かに持っているが。聖槍はお金で取り引きしたり、それより性能の良いものとなら交換出来るような武器では無いからな。それに妾が持っていると言っても、妾の持ち物では無く国の持ち物だからな。交渉するなら妾とでは無く国とになってしまう。本気で交渉したいと言うなら妾が交渉の場を用意するが?」
昨日ダンジョンから出た後、入手したものを換金する為に冒険者ギルドに寄っていたようで、俺の伝言を聞いたメナージュ達は自分たちの泊まっている宿の従業員に昼過ぎに俺たちのところに来ると言った内容の伝言を伝えて来たので、外出はせず。
メナージュたちが来るのを待ち、例の武器の話をしてみた結果がこれだ。
まぁ、武器の性能以外にも付加価値がついている場合色々と厄介な交渉にはなるよね。
国との交渉とか正直チンタラしている暇は……あるかも知れないけど俺が面倒臭いので却下。
後、ドラゴニュートって好戦的な感じもするし邪神の事正直に話したら、自分たちも参加するとか言い出しかねない。
ソフィアだって連れてく気ないのになんでお前らを連れてかないといけないんだって話だ。
俺が本気で攻撃できなくなるだけで、邪魔でしか無いからな。
役に立ちたいなら戦場に来ないのが1番ってやつだな。
ソフィアはそれを理解しているから、こう言う戦いの時はついて行くとか駄々を捏ねたりしない。
まぁ、破邪の力を持った精霊武器が有れば、ダメージソースにそれを使えるので、絶炎を100%防御に回せるので、被弾した時のダメージを減らせるかなってだけで。
絶炎を攻撃に使えば邪神にダメージを与える事は出来る訳だし。聖槍は諦めるか。
そうだなぁ〜失敗しても良いぐらいの気持ちで、ちょっと神剣を直してみようか。
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