第53話
「ねえ雷太。龍種の話とか今のエルフの話とかって別世界の話ってことであってる?」
「そうっす。情報だけでその世界に行ったことは無いっすけど」
やっぱり存在するんだな異世界。
「そんなことはどうでも良いっす。問題はソフィア嬢っす」
元は人間だったから。異世界のエルフよりは顕著じゃないけど。エルフの特性はソフィア様にも適応されてるわけで…
俺以外の男に惚れる可能性は限りなくゼロに近い可能性があると。
「ソフィア様。まずはお互いに知るところから始めませんか恋人として」
「そうよね。ちょっと焦りすぎてたわ。最短でも2年は先だもんね映司と結婚できるの」
確かに2年後には法律上は結婚できるけど高校生で結婚するってどうなのよ?
せめて20歳まで待って欲しいかな。
と言うか王族とこんな軽い感じで恋人になれるの?
「こんなことを聞くのも悪いとは思うんですけど。王族のソフィア様と一般人の俺って結婚できるものなんですか?」
政略結婚だとか許嫁とか居そうじゃない?
「これに関してはソフィアお嬢様ではなく私が説明しますね。別に王族だから許嫁がとかそう言うのは全くありません。犯罪歴とかそう言うのは確認されますが普通の一般人なら普通に結婚できます」
結婚は一般人と変わらないってことでいいのかな。
「それなら安心しました。というわけでこれからお願いします。ソフィア様」
「よろしくね映司。それと恋人同士ならソフィアって呼び捨てで読んで欲しいわ」
それもそうか。
「よろしくソフィア」
「それでは邪魔者はこれにて失礼します」
「俺も大人しく消えるっす」
そう言ってクラリスさんと雷太はそそくさと部屋からいなくなった。
「2人っきりになったわけですが何しますか?」
「ゲームでもする?私それなりに得意よ?」
ガン〇ム観に行きたいって言ってたもんな。
ゲームとかも普通に好きな人だよね。
王族って言われるそう言うのとは無縁そうだけど。
実際はそんなことないんだな。
まぁ、ゲームしながら色々話したりもできるだろうしちょうど良いか。
結局2人でゲームに熱中して気づけば朝になっていた。
「熱中しすぎた。今日登校日なのにオールしちゃった。すげぇ眠い」
すぐに授業は無いし眠くても問題ないけど。
「やっぱり協力プレイをするなら1人1台ゲーム機が必要だから買いに行きたかったけど。そんなことより寝ないで大丈夫だったの?」
「雷太の言うには俺もひと月ぐらい寝なくても問題なく活動できるって言われてるし大丈夫だと思う」
なのに眠いってのは今まで人間として暮らしてきたからだろう。
人間は基本毎日寝るものだし。
「それと学校は課題を受け取るだけだし、帰りにゲーム機は買って来るよ。ご飯食べに下に降りよう。そういえばソフィアって和食大丈夫?」
そう言えばホテルで護衛してる時は一緒にご飯を食べたことなかったな。
俺が断ってコンビニ飯を食ってたからだけど。
「勿論。寧ろ大好きよ」
「それなら良かった。うちは朝、パンじゃなくてご飯派だから」
やっぱりご飯の問題は重要だと思うからね。
和食が問題ないなら良かった。
まぁうちは和食と言うより日本の家庭料理って言った方が正しいのかもしれないけど。
「毎日じゃなくても良いから偶にパンが食べたいかも」
やっぱりそうだよね。
「俺は全然問題ないよ。と言っても朝ごはんを用意する母さんに相談してもらう必要があるけど」
「そうね。後で相談してみる」
そんな話をしてからリビングに降りたわけだけど今日の朝ごはんはたまごロールとツナロールつまりパンだった。
母いわく家に1人しかいないのにご飯を炊くのが面倒くさかったからパンを食べてたのよとの事。
それを聞いてあぁなるほどと思った。
「そういえば学校に行く前に冷蔵庫とオーブンレンジを魔導具に置き換えてくか」
節電になるし。せっかく手に入れた魔導具だし使わないと。
「映司。魔導具ってそんな家庭的なものもあるの僕のところに鑑定で回ってくる魔導具は武器になるものとかダンジョンで使うようなものばっかりなんだけど」
仕事で持ち運ばれた魔導具の鑑定をしているらしい父がそういった。
「そもそも魔導具ってそこまで手に入らないでしょ?」
宝箱かボスモンスターの初回討伐報酬ぐらいでしょ?今手に入れる方法。
「ボスモンスターを倒すと確率でドロップするらしくて1日数個ぐらいのペースで運ばれて来てたよ」
ボスモンスターって初回討伐報酬以外にもいいもの落とすんだ。
「映司様トラップウィードは倒しちゃダメっすよ」
「わかってるわかってる。流石にトラップウィードは倒さないよ」
あれは倒す魔物じゃないからね。一応倒しちゃうと先に進めなくなるっていうデメリットはあるけどもう少しデメリットあってもいいんじゃないかな?
「じゃあ行ってきます」
全員に見送られて家から駅に出発する。
俺以外は全員何もないらしい。
「おはよう勝彦」
駅に向かって歩いていると勝彦を見つける。
「おはよう映司昨日は凄かったな」
「かなり刺激の強い1日だったと思うけど。大丈夫だった?」
「正直かなりやばかったけど。サティをモフったら復活した」
やっぱりモフモフは正義だよな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます