第41話

「まぁ、それをできるようにしちゃうと、殺さないように解体して素材をゲットするってこともできちゃうっすから」


そう言われて龍を拘束して、殺さないように解体されていく様子を思い浮かべる。

うんなしだな。

龍相手にそんな余裕があるのか疑問だけど。

そこまで極端じゃなくてもしっぽとか翼から攻撃して切断して回収ぐらいはできそうだからね。


「それをやられちゃうと、魔石だけドロップさせるより死体からリソースが回収できなくなっちゃうっすから、ダンジョンのリソースがすぐにすっからかんになっちゃうっす」


ちなみに魔石のみドロップならその魔物の召喚に消費した9割のリソースを回収できるらしい。


そう考えるとかなりエコな設定なのね今の設定。


「後、冒険者が素材回収のことを考えすぎて勝てる魔物に殺されることが増えそうってのもあるっす。あんまり死亡率が高いと危険と判断されて強い冒険者が派遣されてダンジョンを潰される可能性があると思ってたっすから。最初のお客さんが映司様だったすから全部無意味だったすけど」



こう聞くと俺の眷族になる前から人間ともちつもたれず共存するつもりだったんだなということがわかる。

味方にするならこう言うダンジョンマスターが狙い目だよな。


と言うか雷太の言い方的に死体が消えずに丸々手に入るダンンジョンもあったりする?

でもリソースを多く消費するみたいだし。

そんなダンジョン無いかもな。

魔石以外にも素材がドロップする確率が高いぐらいならありそう。


中には絶対人間殺すマンみたいなダンジョンマスターも居そうだし。


「ダンジョンの裏話を聞けるのも為になるけど、今は闘技場よ」


そう言えばそういう話だったのに俺のせいで全然別の話になっちゃってたな。


闘技場に挑戦するため城から出て入口の転移魔法陣に乗る。


祭壇にレッサーデーモンの魔石を5個も置いたのでちょっと不安だったけど。

雷太がBP500ちょっとの魔物しか出てこないと言われたので結局レッサーデーモンの魔石5個で挑戦することになった。


さっきの話で言えばレッサーデーモンを召喚する為に使ったリソースの1割分が魔石ってことだって考えればレッサーデーモンの魔石を5個使ったからってBP5000の魔物が召喚できるリソースが溜まるわけないか。


実際には冒険者に払う経験値の分もあるだろうし魔石は実際1割以下のリソースだろうし。


ホーンシープと言う角を自在に伸ばせる魔物だったけど。ソフィア様のアイスエッジで一撃で終わった。


「5級ポーション、浅い傷、軽い打撲や捻挫、骨折を治せるとだそうです」


メイドスキルの簡易鑑定で調べたクラリスさんがそう教えてくれた。


3級に比べるとだいぶ可愛い効果だけどそれでも持ってるだけで安心感が違うな。

レッサーデーモンの魔石5個で1個手に入るならいくつか手に入れておきたいって思う人も多いだろう。


と言うか簡易鑑定って名前だけが鑑定できるとかだと思ってたんだけど、全然そんなこと無かった。普通に鑑定できてない?


「思ってたよりいい物がでたんじゃない?」


「今回は結構運がよかったほうっす。普通は5級ポーションの材料とかが宝箱に入ってるっす」


ちょっと考えてたけど、やっぱりポーションって自作できるのか。と言っても薬剤師とか調合師とか医療関係者っぽいスキルを持ってないと作れないと思うけど。

もしくは錬金術師とか。


闘技場に挑戦することもできたのでソフィア様も満足したのでダンジョンを後にする。

ホテルに戻るまでかなりの人に見られたと思うけど。これはもう仕方ないということで。

またネットが騒がしくなりそうだけどまぁどうにかなるだろう。


「そう言えばソフィア様に見てもらいたいものがあるんですよ」


ホテルに戻ってきてシャワーを浴びてリビングに集合した時に闘技場で手に入った宝石をひとつ見せる。


透き通った綺麗な翠色した宝石を見せることにする。

ちなみに原石の状態ではなく綺麗にカットされた状態だ。


「もしかしてダンジョンで手に入れたの?」


想像以上に真剣な顔でソフィア様に質問される。


「例の闘技場で手に入れたものです」


「はぁ一応クラリスにも質問するけどこれフォスフォフィライトよね。しかも綺麗にカットされた状態で10ctは確実にある……」


「そうですね。簡易鑑定でもフォスフォフィライトとでています」


「悪いこと言わないわ。これは一生マジックバッグに死蔵しときなさい。もしくは闘技場のリソースにしちゃうか」


そんなにやばいものなの?このもう宝石かなり綺麗だとは思うけど。


「フォスフォフィライトってね。簡単に言うとすごくレアな鉱石なのに脆くてカットが凄く難しいの。最高品質のカットされたフォスフォフィライトは約2ctでも数百万の値段がつくのよ?このフォスフォフィライトいくらの値がつくでしょうね?私でも想像できないわ」


想像以上にやばいものだったってことを理解した。言われた通りよっぽどのことがない限りマジックバッグに死蔵しておこう。



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読んで頂きありがとうございます。




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