第42話
「ちなみにこのフォスフォフィライト欲しいですか?」
正直、持っているだけで怖いしかと言って売却すると言っても大問題になるのが目に見えている。
「正直、欲しくないと言ったら嘘になるわ。でも死にたくないからいらない」
これを持ってるってバレたら毎日刺客に襲われてもおかしく無さそうだもんね。
「他にもこのサイズの宝石持ってるの?」
「ありますよエメラルドとかルビーとかダイヤモンドとか俺でも名前がわかるようなやつが」
マジックバッグからテーブルに宝石類を出していく。
宝石が傷つくからそのままテーブルに置かないの!と怒られてしまったけど。
正直、宝石にそこまで興味ないし。
「フォスフォフィライトほどではないけど、どれも当然安いわけではないわね」
宝石だし、安いってことはないよね。
「こんなにジャラジャラ手に入るものじゃないって想像はできるけど。これがダンジョンで手に入るってやばいわね。実際どうなの雷太?」
「そんな頻繁に手に入るものじゃないからあ安心するっす。詳しくは言えないっすけど。宝石には特殊な使用方法があるっすから。ダンジョンが宝箱の中身に設定するのにそれなりのリソースを消費するっすからね。まぁ映司様の牙錬金を使えばその限りではないっすけど」
特殊な使用方法ねぇ。観賞用や装飾品以外にも使い道があるってことか。
「有りそうなので言うと、魔法の威力をあげてくれる効果があるとか」
緑系の宝石なら風魔法の威力をあげてくれるとかラノベではよくあると思うけど。
ラノベじゃなくても宝石を魔法や魔術の触媒にするってのはよくある話な気がする。
だがどうにも違いそうだ。雷太のドヤ顔を見る限りだけど。
「完全に間違ってるってわけじゃないっすよ?確かに宝石を触媒に魔法の威力をあげたりはできるっす。でももっと凄い使い道があるっす」
………
「魔法陣を刻んで人工魔導具のコアにできる…とか?」
なんでわかったって顔をしてるしビンゴだな。
と言っても俺の数少ない友達に魔法陣ってスキルを手に入れたやつがいたのを思い出してもしかしてって思ったけど。
人工魔導具か~
「ちなみに知り合いに魔法陣ってスキルを手に入れたやつがいたんだけど…」
「そういうことっすか…その通りっす。宝石は人工魔導具のコアとして使えるっす。ちなみに宝石じゃなくてもコアを作ることはできるっすが。宝石以外は使い捨てっす。繰り返し使えるものを作りたいなら宝石が必要っす」
これが広まったら、ただでさえ価値のある宝石の価値が更に爆上がりするな。
「話を聞いてしまった以上、実際に見てみたいけど……」
一応E国のお姫様だからな。日本の秘匿事項として見せて貰えない可能性も考慮しているわけだ。
「まぁ、いいんじゃないですか?もう話しちゃった訳ですし。下手にこっから内緒ですってするより、しっかり最後まで見せてあまり広めないようにお願いした方が良いだろうし」
とりあえず河村さんと勝彦に連絡しないなんとも言えないけど。
先に勝彦からだな。河村さんから電話をしてしまうと勝彦が断れない状況になってしまう。
今回はリビングで堂々と連絡をする。
「久しぶり勝彦。今大丈夫か」
「おお、久しぶりだな映司!お前と違って時間しかないから全然大丈夫だぜ。それにしたって突然電話なんてどうしたんだ?もしかして俺をダンジョンに連れていってくれるとか?」
「場合によってはマジでそれも考えてる。勝彦のスキルまじでやばい可能性が出てきた。これが広まったら勝彦の身柄は勿論家族とかも狙われかねない」
「そうなる前にダンジョンでレベル上げってか…と言うかそんなにヤバいの俺のスキル?」
想像以上にガチトーンで話したせいで勝彦はかなりビビってるようだ。
「可能性と言うか実際ヤバいスキルだ。人工魔導具を作るために必要なスキルって言えばヤバさが伝わるか?」
「魔導具ってラノベに出てくる。魔力で動く便利道具であってる?」
「それであってる。ちなみにダンジョンで手に入るけど 、今のところ宝箱からとか限られた方法からでしか手に入らない。結構レアな感じ」
「まじか〜。強スキルならもっと分かりやすく自分が強くなるスキルが良かったなその方が身を守れるし」
そうかもねレアな物は作れるけど自身はあんまり強くないって誘拐してくださいって言ってるようなもんだよな。
まだ、そこまで混沌としていないと思いたいけど。スキルを使ってテロが起きてる時点で手遅れだよな。
「でだ。習得しているスキルを消去する方法なんて知らないし。それなら強くなるしか無いわけだ。ちなみに勝彦は羊好き?」
この際羊飼いを勝彦に覚えさせてしまおう。
テイムスキル持ちならダンジョンに入っても騒ぎにならない。事前に許可は取らないといけないけど。
「なんでいきなり羊 ?別に普通だけど」
「いや、羊系の魔物だけテイムできるスキルがあるからそのスキルを取得してもらおうと思って。代金代わりに俺に人工魔道具をいくつか作って貰うけど」
「話を整理したいからちょっと休憩させて?」
さすがに畳み掛けすぎたな。
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