第17話

「城以外には行けないのかなんか広そうなのに」


城は森に囲まれている感じなのでまずは森からって思ったんだけど透明な壁に遮られて森に侵入することは出来なかった。

先に進むしは城門を通って城に向かうしかないらしい。


城門に近づくと勝手に城門が開く。中は生垣迷路になっていて城に入るにはまず迷路を攻略する必要があるらしい。

空を飛んで先に進めないかなって思ったけど森に行けないように設置されていた透明な壁がここでも設置されていて無理だった。


「こう言うのはしっかり攻略した方が楽しめるんだろうけど今は急いでるし」


そう言って大きく息を吸い込む。

そして生垣迷路に向かって全力でブレスを吐く。

すると生垣迷路全体がうねうねと動き出す。

もしかして魔物だった?

鑑定モノクルで生垣迷路を調べてみる。


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トラップウィード


自らの体を使って迷路作り出して人を誘い込み捕食する。

迷路ないには同じ植物系の魔物を住まわせて戦力として使ったりする。


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うわぁ初っ端からやばいやつじゃん。


ダンジョンの壁も壊せたから生垣迷路もブレスでショートカットすれば良いじゃんって思って本当に良かった。


トラップウィードが黒いモヤになって消えると今までで1番大きな魔石とスキルの書が1冊落ちていた。


(レベルアップしました)


レベルも上がったらしい。


マジか魔物倒してスキルの書ってドロップするの?


もしかしてトラップウィードはボスモンスターであのスキルの書は初回討伐報酬?


ボスモンスターは5階ごとって聞いてたけどまだ10数個しかダンジョンが見つかってないんだし例外もあるだろう。


よく見るとコウモリとかヒュージセンチピードと変わらないぐらいの魔石が周りに落ちている。

トラップウィードが自分の迷路ないに住まわせていた植物系の魔物の魔石か。


鑑定モノクルの燃料になるのでそれもしっかり回収していく。


「さてと、このまま中に入りたいけど、ドアは開くかなーって鍵かかってるじゃん」


ドアと言うか門はうんともすんとも言わない

門のサイズに対して不釣り合いな鍵穴がひとつあるけど鍵なんて見当たらないぞ?


もう一度トラップウィードの生垣迷路があった場所を見渡して見るけど鍵らしきものは見当たらない。


「しょうがない、この門もぶっ壊して進むか」


と言ってもさっきみたいにブレスを使うと城の中まで被害が出ちゃう可能性がある。

持ち帰れる調度品があるかもしれないし、生垣迷路も正規の攻略をするとこの門の鍵が手に入ったのかもしれないって考えれば、無闇矢鱈と破壊するのは避けたい。


「となると門だけ綺麗にダメージを入れられる攻撃……」


手刀の形を作って手に火を纏わせる。


門を焼き切るかたちでひと1人入れる穴を開ける。


普通に近接戦でも使えそうだな。


城の中に入ってみると正面に大きな階段があって2階に上がることができるようになっていて1階にもドアが沢山あって隅々まで探すとかなり時間がかかりそうだ。


「そんなことよりなにあれ?」


気になったのは正面の大階段の前に犬の降参ポーズみたいに腹を見せて仰向けになっているドラゴンがいることだ。


「ひぃ。降参のポーズをしても許さない過激派の龍っすか!」


龍の中でもあれって降参のポーズなのかとりあえず鑑定してみるか。



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サンダードラゴン(特殊個体)


雷属性の上位竜。あらゆる雷魔法を行使することが出来る。


備考:ダンジョンマスター


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「上位龍が下位龍に降参のポーズを取るっておかしくない?」


普通に考えて逆だよね?


「何を言ってるんっすか!上位竜如きが下位とは言え龍にかなうわけないっす」



ん?なんか俺勘違いしてる?そう思ってもう一度サンダードラゴンの鑑定結果を見てみる。


すると上位龍ではなく上位竜となっていることに気づいた。


龍と竜では龍の方が上位種ってことなのか。

だから上位竜と下位龍一見下位って名前についてる方が弱そうだけど竜と龍だから下位龍の方が強いってことか。

なんかややこしいな。


それによく見るとあらゆる雷魔法を使うことができるって書いてあるな。

雷を自在に操ることができるではなないんだな。

そこら辺も龍の方が上位種って理由なのかも。


それにしてもコレダンジョンマスターなのか。


いい感じに味方にできないかな。


「で、サンダードラゴンくんは降参のポーズをして俺にどうして欲しいの?」



ちなみにサンダードラゴンは降参のポーズをしながら喋っている。喋りづらいだろうに

と言うかこいつ日本語喋ってんだよな。


「理想としては眷族にしてもらうことっすけど。この場を見逃してくれるだけでも充分っす。勿論お礼は精一杯させてもらうっす」


こいつ喋り方が煩い。まぁそれはいいや。


「ねぇサンダードラゴンくん正直、俺って龍になって2日目の赤ちゃん龍で龍について分からないことだらけなんだよ。サンダードラゴンくんが色々教えてくれたら眷族にすることも考えてあげようかなって思ってるんだけど、どうかな?」


そんななりたてなら俺でも倒せそうっすとか言って戦闘になる可能性もあるけど。そうなったら仕方ないから外で待たせてる竜牙兵を全部こっちに召喚して数の暴力でボコボコにしてからもう1回話をすれば大人しく聞いてくれるだろう。




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読んで頂きありがとうございます。


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