第16話
「いやぁ、いい暇つぶしになった。明日からも宜しく」
ソフィア様の質問に答えていると思ったより時間が経過していたらしく。仕事の終了時間になっていた。
明日もか…と言うかこの仕事いつまで続くんだろうか?
とりあえずこれで今日は終わりってことならさっさと家に帰ろう。
そういえば河村さんと帰りの話をしてないけど迎えに来てくれてるのかな?ここから奥多摩まで電車で帰るとなると結構辛いよ?
「そうしたら、1番左の部屋を自由に使っていいから。ご飯はどうする?私たちの食べてるのと同じのを用意する?」
パードゥン?
何?俺この部屋に泊まるの?
いちばん豪華な部屋だし部屋は何ヶ所も有るみたいだけど、俺泊まり込みで護衛するの?
そう言えば何故か今回報酬前払いって現金で河村さんに渡されたな。
護衛の時に着る服も複数渡されたし。
そう言うことか…
「外に買いに行くのでご心配なく」
寝巻きやら泊まりに必要な物も買ってこないと行けない。
「じゃあこのカードを渡しておくわね。これがないとこの階にエレベーター止まらないから」
エレベーターの中にカードをタッチするところがあってカードの種類によって止まる階が変わるヤツか。
ありがたくカードを受け取って外に向かった。
「最近のコンビニはまじでなんでも売ってて便利だよな」
寝巻きの代わりの服と明日以降の下着もコンビニで買えるのはマジで便利。
この周辺にはお高いお店しかないからコンビニがなかったら電車で隣の駅まで買い物に行くことになってたな。
一般高校生にお高いお店に入る勇気なんてないし。
そんな感じで一通り必要な物を買って帰ろうとコンビニを出ると地面が揺れる。
「ただの地震…じゃないみたいだな」
交差点のど真ん中に出現したダンジョンの入口を視線を向けながら、急いで河村さんに電話をかける。
「って訳で河村さんダンジョンが出現しました、交差点のど真ん中だから車とかも大混乱ですし。警察を派遣してくれると助かるんですけど」
交通整理はそれこそ警察の本領発揮する場面だろう。
「交通整理についてはわかったすぐに警察を派遣する。ダンジョンを自衛隊に掠め取られないように何してもいいからダンジョンに人を近づけないようにして欲しい」
なんつう無茶ぶりを…
「私たちは午前中映司くんが綺麗にしてくれた土地に出現したダンジョンの方で手一杯だから非常に申し訳無いんだが頼む」
そっちにもダンジョンできてるのか。
まぁ、護衛の仕事は終わってるし。
残業代は出してもらうけどもうひと働きするか。
「交差点のど真ん中に出来たおかげで人が群がったりはしてないな」
もしくは今無理に入ろうとしなくても2ヶ月待てば合法的に中には入れるとわかっているからだろうか?
いい感じにスペースがあいてるので思い切って龍化してダンジョンの入口の前に陣取る。
暇だし竜牙兵量産して待ってよう。
牙を引っこ抜いては魔力を消費して新しいのを生やしてを繰り返し火龍の牙を大量ゲットする。
龍の姿のままどんどん竜牙兵に作り替えていく。
最初に作った大盾を持ったタイプとスタンダードな小盾と片手剣を持ったタイプの竜牙兵を半々で作ってみた。
「竜牙兵が50体もいると壮観だな。大盾を持った竜牙兵はダンジョンを囲んで人が近寄れないようにしろ片手剣を持った竜牙兵はその内側で警戒しながら待機」
ここまですれば近づいて来るやつもいないだろう。ダンジョンに入らなくたって俺と竜牙兵が見世物になってるし。
その状態で数分待機しているとサイレンの音が近づいてくる。
パトカーが竜牙兵達を囲むような感じで数台止まる。
「攻撃する必要ないからな」
パトカーから降りて来た警官と少し話し合って、竜牙兵はそのまま俺はダンジョンの中の入れることになった。
そういえば着替えホテルに置いてきちゃったな。
どうしよう人の姿に戻れなくね?
寝巻き替わりにかった服1式があるからそれを着るか?
いや待て。アニメとかラノベだと龍が人の姿になる時は魔力で服を作り出すのが定番。
俺だってそれをできるようになれば良いんだ!
正直このままだと龍になる度に新しい服を買う必要があるから凄いお金かかるし面倒だなって思ってたんだよね。
服を来た姿の自分を想像して人の姿に戻ってみるとしっかり服を着ていた。
しっかり想像できてないところは作りが微妙になってたりするみたいだけど。
この程度誤差だろ誤差。
いちいち着替える必要が無くなったってことの方が重要だな。
「じゃあ、俺はこれからダンジョンも突入します。竜牙兵に関しては俺が命令しないと動かないので威圧か盾ぐらいにしか使えないと思いますけど。上手く利用してください」
そういってダンジョンに中に入っていく。
「これは凄い」
ダンジョンの中は前回入った洞窟みたいにダンジョンではなく、見た人間の八割は魔王城だ!って言いそうな禍々しさをしている城があるダンジョンで、スタート位置は城門の目の前だった。
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