第406話
「そろそろ大丈夫かにゃ?」
「はい。大丈夫です」
「それじゃ、話を始めさせて貰うにゃ。と言っても難しいことはないにゃ。ラーとホルスを復活させて欲しいのにゃ」
やっぱり神を復活させて欲しい系のお願いか。体力は使うけど。何度かやっている事だし、問題なく達成出来るお願いだな。
でも……
「ラー神は太陽神だから俺でも復活させることは可能だとして、ホルス神は天空神ですよね?俺の力で復活させるのは難しいのでは?」
「そこら辺は気にしなくていいにゃ。ラーを復活させるとホルスも自動的に復活するから」
ラー神とホルス神って同一神って解釈もあるんだっけ?
なんだったら大ホルス、小ホルスみたいなホルス神が複数存在する解釈も存在した気がするし。
なんだったらバステト神ってラー神の妻だったり子どもいろんな解釈があった気も……
ここら辺は深く考えるのはなしにしよう。
目の前にいる本人?本神?に聞いたらさらにこんがらがりそうだし。
ラー神を俺が復活させればホルス神も復活するそれがわかってれば問題ないだろう。
「それじゃ早速復活させましょうか」
わざわざ、後回しにする理由もないからな。
と言うわけで、いつもの方法でラー神を復活させる。
ラー神はフンコ━━━スカラベの姿をしていた。
この姿はラー神の姿の1つで力をある程度取り戻す事が出来れば別の姿もできるようになるらしい。
それとスカラベの横にいる隼はホルス神だ。
ホルス神も現在は隼以外の姿にはなれないらしい。
「新たな超越者映司よ。我らを復活させてくれた事感謝する」
ラー神からお礼を言ってもらったんだけど。
スカラベの姿なんだよね。
スカラベがメッチャイケおじボイスでお礼を述べるってシュールってレベルじゃない。
「バステト神に報酬を前払いしてまでお願いされましたからね」
「そうだったか。バステトよ迷惑をかけたな」
「気にすることないにゃ。私ひとりで神の仕事をするのが面倒くさかっただけにゃ」
と若干ツンデレっぽいセリフを言いながらバステト神がモジモジしている。
「バステトは変わらんな。そんなことより。映司達への褒美を決めなくてはな」
既にバステト神から貰ってますよ?と思ったけど。貰えるもんは貰っておくに限るので、貰うことにした。
追加でなにか貰っても問題ないぐらいの事しているし。
「ふむ、神からの褒美となると一番分かりやすいものは加護なのだが……既に超越者である映司には加護は不要。妻であるエルフも我々の加護と相性が良いとは言えない。それに何より本人が望んでいない。となると……」
そう言ってスカラベ姿のラー神がクラリスさんの事を見る。
楓さんがクラリスさんを同行させた方が良いってのはこうなるって分かってたからか。
「成程。ならラー神の加護をクラリスさんにお願いします」
「私はただのメイドですし。今回なにかした訳では!」
「まぁまぁ、クラリスさんにはいつもお世話になってますからね。今回だって色々手伝って貰いましたし」
プライベートジェットの手配とか色々丸投げしちゃったし。
クラリスさんがいなかったら俺がEG国に来るのはもっと後になっていたかも知れない。
そう考えるとクラリスさんは今回かなり活躍している。
「クラリス諦めて貰って起きなさい。と言うか断っても無駄な状況でしょ?これは」
と言うソフィアの発言がトドメとなって。
クラリスさんが大人しくラー神から加護を受け取ってくれることになった。
「与えられる加護は一人につき1つ。だから普通は、私かホルスかどちらかの加護しか与えることは出来ないが。今回は特別だ。ラー・ホルアクティとして私とホルス2人分の加護を与えよう」
ラー・ホルアクティ神ってのはラー神とホルス神が融合?した存在って感じだったかな?
ラー・ホルアクティ神の加護はラー神の言う通り2神分の加護って訳か。
そもそも一人につき加護は1つって話を初めて聞いたけど……加護を貰うなんて話、今回が初めてだし仕方ないか。
それなら今回貰える加護はかなりお得という訳だ。
楓さんに言われた通りクラリスさんを連れて来て良かったな。
クラリスさんはソフィアのメイドさんだけど。護衛としても働いてたから、どんどん実力の差が広がっていくのを地味に気にしてたからな。
「良し。これでそなたにはラー・ホルアクティの加護が与えられた。ステータスにも表示されているはずだ」
少し目を離した隙に終わってしまったらしい。
結構あっさり与えられるもんなんだな加護って。
「はい。確かに加護の欄が増えてラー・ホルアクティの加護と表示されています」
「うむ。問題ないようだな。それでは次に加護の効果を説明しよう」
しっかり説明までしてくれるのか。
ラー神親切な神様。
与えるだけ与えてあとは放置って神様の方が多そうだし。
神様が説明してくれるんだから、しっかり聞かないとね。
それにしても、バステト神に渡す為に用意したお土産渡すの忘れてたな。
ラー神の加護の説明が終わったら渡そう。
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読んでいただきありがとうございます。
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