第296話
「綿のドロップは100体に1個って感じかな?」
トイウルフの群れはだいたい10頭前後で、トイウルフの群れと17回戦闘して2個目の綿がドロップしたので大体そんな感じだと思う。
200体ぐらい倒して綿のドロップ数が2個だし。
運とかも有るかも知れないけど。
大きく違うって事も無いだろう。
「もっと魔物の種類が増えてるのかと思ったらそんな事は無かったな」
種類が増えない方が探索しやすいし有難いけど。
種類が少ないとドロップ品の種類は少なくなっちゃうからな。
魔石以外のドロップ率って、そこまで高くないから、ドロップ品の種類の少なさなんて気にならないかも知れないけど。
そんな事より綿をもっと集めないと……
ドロップしたぶんの量じゃ俺が想像するサイズの抱き枕は作れないはず。
「もっとトイウルフが襲いかかって来てくれれば良いのに。……戦闘音が聞こえて来る。どうやら戦っている同業者がいるみたい。どうする勝彦、見に行ってみる?」
「ダメとは行かないけど。無駄に警戒させるだけだし。イチャモン付けられるかもしれないぞ?別にそこを通らなきゃ先に進めないって訳じゃ無いだろう?」
確かに戦闘中に近づいて来られたら気が散るだろうし、いい顔されないか。
フィールド型ダンジョンでそこを通らないと先に進めないって訳じゃ無いし。
「それもそうか。それじゃ、少し迂回して先に進もうか」
戦闘音がする方を避けるルートを進む。
迂回ルートを歩いている間にもトイウルフの群れに遭遇して戦闘になった。
「すっごい今更な事言っていい?」
「どうしたの勝彦」
「針葉樹の模型がリアルな分。床がフローリング見たいな感じなのが凄い気になる」
「あ〜確かに」
針葉樹の模型はかなりリアル(サイズは樹齢千年越えと言われるようなサイズ)
だけど。床は室内のフローリングっぽい感じで。
子供が模型の木を床に直接並べて見ました感が凄い。
ダンジョンの見た目じょうそれを狙っているのかも知れないけど。
確かに違和感が凄い。
但し、地面が平面なので歩いやすいし、俺はこれで良いと思う。
「まぁダンジョンだしって納得するしか無いでしょう」
そう言った事が出来てしまうのがダンジョンだし。
そんなことを話しながら歩いていたら針葉樹の模型で作られた森を抜けた。
森を抜けた先は1階層目と同じような積み木で作られた建物や障害物が設置されてる。
パッと見た感じ一階層目より建物や障害物の数が増えている気がする。
「それにしても、思ったより人がいるね森の中じゃ、人と会うことはなかったのに」
正確に言えば1組とは遭遇できそうだったけど。
戦闘中だったから回避した。
それだけ人と遭遇することは無かったのに。
目視できる範囲に7組ぐらい確認できた。
森の中って避けて通るべき場所だったりする?
もしくは機関車に乗って移動したから駅が存在しない森の中は人が少ないとか?
どちらにせよ、森から出て直ぐにこれだけ人と遭遇するって事は森の中は不人気って事だろう。
「龍王様からしたら、あの森の中だろうと問題ないだろうが。一般冒険者からしたら、トイウルフの群れの数が多いし。群れとの遭遇頻度も多いしで、入らず避ける場所なんだよ。機関車の駅からも離れてるしな」
「ご丁寧に教えていただき有難う御座います。所で丁寧に教えてくれる為だけに話しかけて来たんじゃないでしょう?」
ご丁寧に森の中に冒険者が少なかった理由を話してくれた男性にお礼を言いつつ本当の目的は何?と話しかける。
なんの見返りもなしに丁寧に教えてくれるって事は無いだろう。俺の事を知っているなら尚更。
「こんな調べればすぐ分かる様な情報で情報量をよこせとか言わねぇよ。ただ、龍王様は森を抜けて来たんだろう?トイウルフの数が増えてなかったか?」
成程。それを聞きたかったのか。
初手から教えてくれって言っても渋られるかも知れないし。
調べれば分かる情報だけど。俺が知らなかった情報を喋ったと。
「俺がここに入るのは初めてなので、はっきり断言する事はできないですけど。
ネットに上がっていた情報よりはトイウルフの数が増えていました。あぁ後くるみ割り人形を騎乗させた個体もいましたよ」
「やはりか。それにそんな個体までいたのか……有難う。かなり有益な情報だった」
そう言って離れて行った男性は仲間たちと相談を始めた。
「さて、俺たちは先に進もうか。確かこの先にある駅に先に進む魔法陣があるって話だし」
勝彦にそう言って積み木エリアを歩き出した。
積み木エリアで遭遇するトイウルフの群れは大体6〜7頭の群れだった。針葉樹の模型で作られた森の中では基本10頭前後、多い時は15頭を超える群れだった事を考えるとかなり少ない。
それにくるみ割り人形を騎乗させた個体と一度も遭遇しなかった。
話しかけて来た冒険者の雰囲気からして、積み木エリアも増えてこれって感じなんだろうな。
遭遇するトイウルフを蹴散らしながら早歩きで移動して30分程度で積み木で作られた駅が見えて来た。
冒険者がそれなりにいたけど。先に進む様な感じでは無いので、帰りの機関車を待っている冒険者達だろう。
そんな冒険者達にチラチラ見られながら3階層目に転移した。
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