第141話
「出来るだけ日本に早く帰って来れるように努力はしますよ。まぁ、俺があっちで暴れ回ってもいいように調整してくれるならですけど」
どんな形でE国に行くことになるのかはっきり分からないけど、SCSFの特殊隊員。つまり日本政府の職員として派遣されることになると思うんだよね。
自衛隊の紛争地域の派遣みたいな感じ。
あれと全く同じ条件かは知らないけど。
こっちから戦端を開くのは禁止ぐらいは言われそうだよね。
それだといつまで俺はE国にに居なきゃ行けないの?
って話になっちゃうんだよね。
政府同士の交渉で、期間をしっかり決めた上での派遣になるとは思うけど、最低でもひと月ぐらいはE国にいることになると思う。
そうなると確実に混乱するだろうダンジョンの一般開放がされる時期に俺は日本にいないことになる。
後、学校の休校期間が開けるので俺は欠席扱いになっちゃう。
本格的に通信制の高校に転向することも考えないといけないかもしれない。
最悪最終学歴中学校になるかもしれない。
さすがにそれは避けたいなー。
でも、この件に関しては自分で了承したものだし、誰にも文句は言えない。
ソフィアと結婚する時にE国の王族の方々と揉めたくないし。
今回は貸しを作るためにもE国には行っておくべきと思ったから了承したわけだし。
かと言って自分中卒ですなんて言ったら、それはそれで、そんなやつと結婚させられないって言われそうだしな。
何とかして大学まで卒業しといた方がいいよな。
なんかめっちゃ頭が良くなるスキルとかないかな。
出席日数もだけど、そんなに頭良くないから
高校を何とか卒業してもいい大学に行けるかは微妙というか絶望的だし。
全てを完璧にこなすのは不可能だけど、少しでもいい方向に進めるように努力はするべきか…
「それに関しては、映司くんの要望関係なしに派遣先のテロリスト相手に先制攻撃が許可されるようになると思うよ。映司くんが一時的に日本からいなくなるかもしれない。と言う噂を聞いた複数の組織がもうその時に向けて行動を開始しているからね。正直、今の日本は映司くんがいなければ、日本としてやって行けなくなるだろう」
戦争に負けてから色んな国のスパイとか入りたい放題だからねと河村さんは言う。
「嫌になる話ですね」
「まぁ、まだマシな方だよ日本は。地続きの国はいろんなところで、戦争が起きたり。国によっては内紛が起きてる国がある。それに比べたら島国で良かったと言えるかもね」
「核ミサイルは撃ち込まれましたけどね」
俺がどうにかできたから良かったけど。大事じゃ済まされない出来事でしたよね?
「それも含め、日本はもう映司くんなしではやっていけないということだよ」
「まぁ、相手によってはこちらからの先制攻撃が認めらえるなら、問題ないです。とは言え、自分が力を持ったと勘違いした政治家が世界征服を企て始めるとか嫌ですよ?」
「先制攻撃が許されるのは、テロリストだと複数の国から認められてる場合に限るとかかなり条件は付けられる。流石に他国に対して言いがかりをつけて戦争を始めるようなことはさせない。それは映司くんもそうだろう?」
国会が暴走した場合は軍隊のクーデターか...
それはそれで、良くないと思うけどな。
「俺はそうならない事を祈ってますよ」
人間とは欲望まみれの生き物で1手に入れたら10欲しくなって、10を手に入れると100欲しくなる。
政治家の暴走も心配だけど。今後、武力を持った人間の発言力は嫌でも高まるだろう。
こんな世の中だしね。
その時に軍部の人間が暴走する可能性だってある。
注意しなきゃ行けないのは政治家ばっかりじゃない。
これまでも権力争いはドロドロしたものだったろうけど。暗殺とかもありのもっとドロドロしたものになっていきそうだ。
正直そういったことには関わりたくないけど
さすがにそれが許されるとは思っていない
高校生なんだけどな〜と言いたい気落ちもあるけど、龍になれる存在がそんな言い訳許されるはずがない。
舐められないように大人に対しても強気な態度を崩す訳には行かない。
少しでも弱みを見せようものなら一瞬で食い物にされる。
かと言って強気にで過ぎると、俺はあらゆる手を尽くして消されるだろう。
この世界は武力だけが力では無い。
それを武力で強引にねじ伏せてもいいけど、それをしたら最終的に全人類を敵に回すことになるだろう。
まさに龍王だな。
孤独の王様になんてなる気は無いし。
そんなことならないように飼われるつもりは無いけど、協力はする。
そのぐらいの距離感を保つために頑張ってるわけだ。
主にソフィアやクラリスさんが。二人ほどじゃないけど河村さんも助けてくれてる。
だからこそ河村さんからのお願いは断りずらい。
あーだこーだ言ってもやっぱり高校生にできることなんてたかがしれてる。
武力だけで全てが解決できるなら なんたなるけど。
そんなの人類の敵コースまっしぐらだ。
正直武力で解決できるならな〜と何度考えたことか。
この話を続けると、色々考えてどんどんストレスがたまって行くので、この後はオークションの話に戻って色々とオークションの内容について詰めて行く。
気づいたら男性アイドルと撮影班のお守りをしに行く時間になっていたので、河村さんとふたりでダンジョンの入口に向かった。
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