第352話
「正直無理だと思ってたけど。ワイバーン報酬が貰えるとは……」
正直戦闘終わった瞬間勝手に消えたし。そんなやつの報酬なんて用意している訳無いだろうボケェって言われるかなと思ったけど。
あの時の報酬って貰えますかね?って冒険者ギルドの受付で相談したら普通に貰えた。
「本来は活躍によって報酬が増えたりするのですが……」
「こっちが無理言っているところもあるし。こうやって報酬が最低限出ただけでも感謝しているから。謝る必要無いですよ」
2人合わせて金貨30枚も手に入ったし。
金貨はだいたい日本円で1枚1万円ぐらいの価値で取引されている様なので。
30万円手に入ったことになる。
ワイバーンと戦闘して1人あたり15万しか貰えないと考えると少ない気もするけど。
これは参加しただけで貰える最低金額だからな。
「すみません。後、うちのギルマスが直接話してみたいと言っていまして…お時間ございますか?」
ギルドマスターと話か……
ウィーに情報収集してもらった感じ俺がこの街で好き放題しだしたら話は別だけど。
そうじゃ無ければ敵対する事にはならなそうな感じだし。1度あって話をしておくか。
「今日は暇ですし。問題ないですよ?どこに行けば良いですか?」
「1度あちらからカウンター裏に入って来て頂いて、そこからは私がご案内させていただきます」
そう言う訳みたいなので、受付の人に案内して貰ってギルドマスターのいる部屋にたどり着いた。
「失礼します。映司様をお連れいたしました」
ギルドマスターはワイバーン防衛戦の時に全体の指揮を取っていた人物だ。
あの時からそんな気はしてたし。ウィーからの報告で容姿についても聞いていたので別に驚かない。
「初めまして映司殿。私はこの街でギルドマスターをしているグレゴリーだ。ワイバーン防衛戦から始まり魔人の襲撃に手を貸して貰い感謝する」
「まぁ、折角観光に来たのに邪魔されたから排除しただけですよ。運が良かったとでも思っておいてください」
この世界のドラゴンは、こんな感じスタンスの個体がそこそこいるみたいなので。
こう言っておけば、まぁドラゴンだしって納得してくれるだろう。
「タダで助けてくれる事も有れば、いくら報酬を用意しようとも力を借りる事が出来ない事もあると聞く。今回は本当に運が良かった」
「本当、気分次第ですからね。あぁそうそう。観光で思い出したんですけど。この街って図書館みたいな本が所蔵されていて一般人でも読むことが出来る施設って有りますか?」
「1箇所存在しますが、図書館ですか?」
ドラゴンが読書するイメージが出来なかったのか不思議がられてしまう。
「人間の文化や知識を学ぶのに読書は結構役に立ちますからね。それに純粋に読んでいて面白い本もありますから」
この世界の情報を集めるのに本を読むと言うのはかなり役に立つはずだからね。
目の前のギルドマスターとか姫さんに質問攻めにしても良いんだけど。
1から10まで聞くのはなんか申し訳無いし。
調べる事で更に質問したい疑問が浮かんでくる事も有るだろう。
「成程。映司殿はかなり勤勉な方のようだ。図書館の場所はこちらになります。冒険者ギルドからだと━━━━━」
街の地図を使って図書館の場所を説明して貰う。
「教えていただきありがとうございます。それと勤勉なのではなく、長命種は時間が有り余ってますからね。暇つぶしですよ」
長生きだからこそ何か目的を持って生きないと究極の暇人になっちゃうだろうし。
その後は世間話とかが始まってしまうと確実にボロが出てくるので、そろそろ失礼しますと言ってギルドマスターの職務室を後にした。
「そう言えば。ランク上げもしないとか」
最低限冒険者のランクを1つ上げないとダンジョンに入れないので、街の外にある森でのクエストを2人で20個分クリアしないと。
また、クエストを受ける為だけに冒険者ギルドに来るのはめんどくさいので、クエストの期限が数日あるクエストで20個分受注する。
これで、冒険者ギルドでやれる事は終わりかな?
別人としてダンジョンに行った時の魔石以外の素材の売却とかもできなくは無いけど。
映司としては、まだ一度もダンジョンに入っていないからな。
なのにダンジョンで手に入る素材を売却したら怪しまれてしまうだろう。
まぁ、このダンジョンだけで手に入る素材じゃないし。別のところで狩ったのを仕舞いっぱなしだったのを忘れてただけと言う言い訳も出来そうだけど。
そこまでして売却してお金にしないといけないぐらいお金に余裕が無い訳じゃないし。
映司としてダンジョンに入れるようになったら一度ダンジョンに入って帰ってきた後に売却すれば良いだろう。
冒険者のランクを1つ上げるぐらい難しい事じゃ無いし、その気になれば今日中にダンジョンに入れるようになるだろう。
この姿じゃ転移を使えるの隠して無いし。
一度、宿で待っているソフィアを迎えに行って一緒に図書館に向かった。
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