第208話

「そうそう。時間がある時に顔写真を用意してここまで持ってきてくれれば、待ち時間無しで冒険者ライセンスを用意するから。早めに冒険者ライセンスを作って欲しい」


今は良いけど。ダンジョンが一般開放後はライセンス無しで好き勝手ダンジョンを出たり入ったりする訳には行かないからな。

無条件で用意してくれるなら、用意して貰うべきだろう。


普通にライセンスを発行してもらおうとしたら迷宮省の建物に行って何時間も待たないといけないだろうし。


「分かりました。早めに用意してここに持ってきます」


河村さんというかSCSF隊員全員が忙しそうなので話すのはここまでにして理外の拵を作ってくれた職人さんの所に向かう。


「なんと言うか。正に職人の工房って感じがしますね」


風魔さんの運転で到着した場所は普通人が来なさそうな山奥だった。砂利道があったので車で来る事が出来たけど、中々険しい道だった。


今は、理外を渡して部品を合体させて、細かい調整をして貰っているところだ。



(新藤映司がファンタジーアップデート後に初めて神器を完成させました。報酬として2段階種族進化しました)


突然、頭の中にアナウンスが流れる。

これって地球からの念話と同じ声だけど。

地球が念話をして来てるんじゃ無くて、予め用意したボイスを再生している見たいな感じっぽいな。


それにしても一気に2段階進化か。

神器の作成で1段階、一番乗りボーナスで1段階って感じだな。


なんて種族に進化したのか確認して見るためにステータスを確認してみると

最上位龍〈獄炎龍〉と表示されていた。


地獄の炎を操る龍だそうだ。なんか強そう。


地獄の炎は魂を直接攻撃出来る見たいだけど。

既に世界の法則すら無視して自由に炎を作る事が出来るから、これに関しては特に今までと変わらない。


それより魔力量が何倍にも増えたり、BPも人間の姿の状態で50,000まで上昇している方が重要だ。


やっぱり種族進化すると一気に強くなれるな。


「どうやら理外が完成したみたいですね」


「えっ?」


タイミングよく職人さんが理外を持って工房から出てきた。


木製の匕首拵なので、特に装飾は無いけど。

それが逆にカッコイイ。


理外を受け取ると、理外の姿が指輪状に変換した

メインは木で俺の龍になった姿に加工された刀身部分の炎の結晶が埋め込まれている。


「持ち歩きが大分楽になったな」


それに体外に排出される余剰魔力を吸収して貯蔵してくれている様だ。

容量についてはちょっと分からないけど。

かなり大容量だと予想出来る。


コレだけでもかなり便利だと思うんだけど、デバフとか鑑定とか全て遮断してくれるらしい。


なんでそんな事まで?と思ってつい声に出したら。


短刀は所有者を病魔や災厄から守るお守りとして利用されて来た歴史がある。

その短刀は実際にその効果があると言う事だろう。

と職人さんが教えてくれた。

この効果は短刀の形にしたから発動した効果と言う事だろう。


後は純粋に理外を使った時に消費する魔力が減少した。


種族進化して魔力量も増えたし、魔力回復無しで連続で15回ぐらいは使えるようになった。


余剰魔力を理外に貯めておけるようになったし、かなりの回数魔力を回復させないで使えるようになった筈だ。


職人さんに御礼を言って料金を払って、ワープホールを使い自宅に帰宅する。

車ごと通れるサイズで開けるかなと思ってやってみたら普通にいけたので、ワープホールの先を自宅の駐車場に設定して車に乗ってワープホールを通過して帰ってきた。

ダメだったらリーリンさんに借りてるマジックバッグに収納して持って帰って来るだけなので、どちらにせよワープホールで帰って来

てたけど。


風魔さんとは駐車場で別れて、直ぐにE国に移動する。


「ただいま。いや〜想像以上に俺も理外もパワーアップしたよ」


「おかえりなさい。映司が日本に帰っている間に幾つかテレビ局から取材したいってアポがあった程度で凄く平和だったわよ」


平和な事はいい事だ。

せめて2、3日ぐらいはこのままゆっくりさせて欲しい。


「テレビの取材ね……。ソフィアから見て安全そうなところの取材を受けようかな」


正直乗り気じゃないけど。以前ソフィアが全部断り続けると取材を受けてもらう為にここまでやるか?って事をして来るような所も有るから適度に取材を受けてガス抜きした方が良いって言ってたし。

なんで自分のところは出演してくれないんだって文句を言ってあることない事言い出すところとか有るだろうけど、そう言う所に対しては法廷で会おうってすれば良いだろう。

弁護士雇うお金ぐらいポンと用意出来るし。


「と言っても、E国での滞在日数を増やすつもりはないから。それでも良いならだけど」


「そこら辺の調整はクラリスにやってもらいましょう。最近はかなり働いて貰っているし。特別ボーナスを用意して上げないと」


確かにクラリスさんには滅茶苦茶お世話になっているからな。

それが仕事では有るけど。給料以上に働いて貰っているからな。

今まで渡してきたものも、ソフィアの護衛をする時に使ったりって感じだから、仕事道具だし、仕事と関係ないもので何かプレゼントを用意して感謝を伝えるのも良いだろう。

何にするかはソフィアに丸投げだけど。



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読んでいただき有難うございます。




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