第320話
「ところで、ベアトリーチェさんはマジックバッグを量産できるの?」
「マジックバッグ程高性能な物は作れない。私が出来るのは鞄の中の空間を広げて中に入っている物の重量を軽減出来るようにするだけ」
それってマジックバッグじゃないの?
鞄の見た目からしてベアトリーチェさんが自作している物だよね?ベアトリーチェさんはマジックバッグの自作出来るの?と聞いたらこんな答えが帰って来た。
ベアトリーチェさんの説明的にマジックバッグと同じ効果だと思うんだけど……
「マジックバッグ見たいに取り出したいものを思い浮かべながら手を突っ込んだら取り出せる見たいな便利効果がない。このカバンの中身は無重力空間を漂っている見たいに滅茶苦茶に動き回っていて。取り出す時は時間をかけて目当ての物を探すか。物を引き寄せる魔法を使って引き寄せないといけない」
その魔法の中には宇宙みたいな無重力
空間が広がっていて、中に仕舞った物はその無重力空間を漂っているって事かな。
広さにもよると思うけど、確かに目当ての物を取り出すのは物を引き寄せる魔法が無いと面倒どころか不可能な場合も有りそうだ。
と言うかマジックバッグには、その魔法に似た効果が標準装備されているから取り出しをスムーズに出来るって事だな。
そう考えると、確かにベアトリーチェさんの作った鞄はマジックバッグの下位互換と言えるけど。
その物体を引き寄せる魔法が使えればマジックバッグとほぼ変わらないよね?
「龍王さん。スキルの補助無しで魔法を使うのはかなり大変。教えたところで使えるようになる人は極小数」
確かに、魔法名を詠唱しただけで魔法が発動するのはスキルによる補助があるからって話だったな。
スキルの補助無しで魔法を使うことは出来るけど。ものによっては触媒を消費する必要があるし。魔法に対する深い知識も必要だって話だったな。
「魔女だからこそマジックバッグと同様に使えるって訳だね」
「その通り」
そう考えると、収納系のスキルを魔法陣化して人工マジックバッグを作れる〈魔法陣〉ってチートスキルだよな。
寿命が有るから永久的に使える訳じゃないけど。
そもそも寿命が有るのは当然だし。
取り敢えず。〈魔法陣〉に関してはベアトリーチェさんに話すのはやめておこう。
面倒事に発展する気がする。
「それより。この竜綿花を加工したい。もう質問は終わりで良い?」
「どうぞ。庭にあるダンジョンの中に泊まれる家があるんで、そこを使ってください」
うちには空き部屋がないからな。
綿花を育てた本人だしって事でフィロにベアトリーチェさんの案内を任せる。
と言うか竜綿花って言ってたな。
ピュシスドラゴンのフィロが育てたからって事だろうけど。
それだと、今まで育てて貰った果物とか野菜とかにも竜がつくのかな?
龍の魔力を込めたお酒を龍酒って言うんだし。
竜の魔力を使って育てた植物を竜〇って呼ぶのもおかしくないな。
「基本は元の品種を変質させないように、気を使っているので、竜植物に変質していません。この綿花に関しては魔力を大量に使って育てので竜植物に変質していますが」
成程。確かにお酒も少し魔力を込めただけじゃ龍酒に変わらないからな。
そこら辺はフィロが調整して育てていたらしい。
龍酒のことを考えると果物とかが竜植物になると味が上がるだろうし。
試しに一種類だけ作って貰おうかな。
魔力を大量に込める必要があると言っても俺的には特に問題ない量だけど。
フィロからしたら辛いだろうし、無理強いはしないけど。
このままだと、ベアトリーチェさんが1人で桃源郷の中に入って行っちゃいそうなので。
フィロとの話を切り上げる。
フィロは慌ててベアトリーチェさんについて行った。
……フィロには今回の色々頑張って貰ったお礼を用意しよう。
何か植物の種とかが良いだろうな。
もしくは、植物を育てるのに便利なアイテムとか。
そう言った物でフィロが欲しがりそうな物って考えると、闘技場の報酬で手に入れた物になるんだろうけど……
入手できるものはランダムだから運も絡んで来るんだよね。
最近、俺の物欲センサー凄いし。欲しいと思っちゃった時点で手に入るだろうかちょっと不安になってくる。
回数こなせば何時かは手に入るだろうけど。
直ぐに手に入るかなぁ……
それに今すぐ闘技場でアイテム集めしに行く訳にはいかないし。
少なくとも、オークションが終わって数日してからかな。
「取り敢えず。竜綿花があれば数日はベアトリーチェさんは大人しいだろうし。その間ベアトリーチェさん関係の面倒事を気にする心配はないだろう」
「そうかしら?ベアトリーチェが何も問題を起こさなくても。ベアトリーチェと接触したい勢力が問題を起こすかもよ?」
ソフィアの言うことも尤もだけど、その対応は俺だけじゃなくて日本政府にも頑張って貰うから俺だけが大変って事は無いだろう。
そのぐらい働いても良いぐらいにはベアトリーチェさんから貴重な物を貰っているだろうからね。
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