第112話

「とりあえず。けが人はなんとかなったか」


稲荷狐たちの活躍もあり迅速にけが人の治療が完了した。

この後避難誘導や死体の収容やらなきゃいけないことは沢山あるけど、そこら辺はプロに任せて俺もやらなきゃ行けないことをやろう

今まさに直陸を開始した飛行機を見て滑走路に向かって歩き出す。


本当はダメなんだけど緊急事態だし。


稲荷狐さんたちは引き続きこの場で待機して今回みたいなことを起こそうとアクションを起こした人が現れたら無力化して高速してくれるようだ。

可愛い姿で被害者の癒しにもなってくれるし

稲荷狐さんたちにはほんとに感謝だ。


なにかお礼しないといけないけど、どうしたらいいかな?

やっぱり無難にお稲荷さんかな?

でもな〜稲荷狐さんだって各々の好みがあると思うんだよ。

自我があって生きてるわけだし。


中にはお稲荷さんが好きじゃない稲荷狐さんだっているはずだ。


稲荷狐さんたちのお礼について考えてる間にダンジョンマスターが乗っている飛行機が無事に着陸する。


「やっぱり私が乗ってきた王室専用機じゃない。私が帰らないって言ったらすぐに帰ったと思ったらこの為だったのね」


じゃあ、あの飛行機E国の王族も乗ってんの?

ダンジョンマスターだけなら政府専用機でいいはずだもんね?


と言うか政府専用機だけじゃなくて王室専用機ってのもあるんだね。


とにかく挨拶しないと。


王室専用機に階段が取り付けられ出入口のハッチが開く。


管制室経由でこちらから中に入るので外には出てこないでくれと連絡してあるので誰も出てこない。


「誰が来たのかと思ったら、お兄様だったのね。なんでわざわざお兄様が日本に来たの?」


「なんでって。ダンジョンっていうスキルを手に入れてダンジョンマスターになったのが妻だったからね。護衛も兼ねていっしょに来たんだ。後は…」


そこで言葉を止めてまっすぐ俺の事を見つめてくる。


なんか上に立つ人のオーラって言うのかな。

なんかそんな感じのオーラを身にまとっている。


リーリンさんや須佐之男命、楓さんに会う前だったら、すぐに目を逸らしちゃってたろうけど。


あの三人?に比べたら高貴なオーラも可愛いものだ。

しっかりと目と目を合わせる。


「私が見つめると基本みんなすぐに目を逸らしちゃうんだけどね。期待以上の人物みたいだ。私のことはエリックと呼んでくれ」


「ひとまず認めていただけたようで良かったです。妹さんとお付き合いっせていただいている新藤映司です」


なんでだろう。この人、龍でも竜でもないのに同属っぽい感じがする。


龍か竜の血が流れてるのか?

ソフィアからはそんな感じ一切しなかったんだけど。

エリックさんだけ血が濃くでたってことかな。


「どうしたの映司。お兄様と私のことを交互に見て」


挨拶を返したあと何も喋らず、二人のことを交互にキョロキョロみてたので不思議に思われてしまったようだ。


「知らなかったら知らなかったでいいんですけど。エリックさんリュウの血が流れてますね?」


ソフィアは突然なにを?って顔をしたけど。

エリックさんはやっぱり隠せないか…と言った顔をする。


「国の鑑定スキル持ちが言うには先祖返りのようなものらしいよ。本物には遠く及ばないが、身体能力が高かったり傷が治るのが早くなったり。あとは竜装って言う魔力を物質化して鎧として装備するスキルが使える。この竜装っていうスキルを獲得したことによって竜の血が覚醒したらしい 。だからソフィアも竜の名が付いたスキルを取得したら竜の血が覚醒するかもよ?」


ソフィアがどうなの?ッて顔をしてこちらを見てくる。


「多分無理だと思いますよ。竜の血が流れてる感じがしないですからそれに多分ですけど。ソフィアにはエルフの血が濃く出てたんだと思いますよ」


ちょっと気になってたんだよね。


ソフィアは種族が変わる効果のあるスキルを取得してないのにエルフになったんだなって。

日本でもエルフに種族が変わった人は数人いてその人たちは全員〈森人〉ってスキルを取得していた。


恐らくだけど、ソフィアとエリックさんのご先祖さまは竜だけでなくエルフとも結婚していた代があったんじゃなかな。

そしてソフィアはエルフの血がエリックさんは竜の血が濃く出たんだろう。


「確かにそれなら私がスキル無しでエルフに変わった理由になるわね。でも、私はスキルなしで種族が変わったのにお兄様は〈竜装〉ってスキルを手に入れて血が覚醒して強くはなったけど。種族は人間のままなのはなんで?」


「それは血の濃さが違ったんじゃない?」


ソフィアの方が得に血が濃く出てたってことじゃない?

俺にはよくわかんないけど。


「っといつまでもここで話しているのは危ないですね。先に場所を移動しましょう転移でダンジョンに移動しようと思うんですけど。転移アイテムを持った人を入れて五人しか転移できないんですよ。なのでそれ以外の人は車での移動になってしまうんですけど」


エリックさんとしか話してないけど飛行機の中には余裕で10人以上の人が居る。


半分以上は車で移動になっちゃうし、エリックさんはどうはんだんするかな?


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読んで頂きありがとうございます。

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