第123話
「やっぱり多重詠唱は強いね」
魔法系スキルの火力をあげる為の必須スキルと言ってもいいレベルだ。
火力だけじゃなくて魔力の消費も凄いけど。
ソフィアはさっきの戦闘で魔力が空っぽ寸前になってしまったので、魔力回復ポーションを飲んで魔力を回復させている。
中に入れた飲料可能な水を魔力回復ポーションに変換してくれる水差しを渡しているので、魔石さえあれば飲み放題だから。
気軽に飲むことができる。
問題はお腹がタプタプになることだけど。
ただの水道水じゃなくて、龍酒を中に入れて魔力回復ポーションに変換させてるので、5級ではなく3級の魔力回復ポーションに変換されてるので、飲む量は減ってはいるけど、それでも頻繁に飲むならお腹がタプタプになってしまうだろう。
もっと飲む量を減らしたりする方法ないかな?
ポーションは300mlぐらい飲まないと効果が出ないっていうのが問題ないんだよね。
せめて100mlぐらいで効果が現れるようになるといいと思うんだけど。
そう言うのは、錬金術師とか生産スキル持ちが頑張ってくれればなんとかなるかもしれない。
この間、試しに煮詰めて濃縮してみたけど。
ポーションじゃない何かになってしまったからね。
生産系スキルを持っている人が同じことをすれば、成功するかもしれない。
闘技場で生産性スキルのスキルの書が手に入れば良いんだけど、合成強化しか手に入らなかっただよね。
そう言えばポーション同士を合成すれば効果を上昇させることも出来るんじゃ?
素材とか武器、防具を強化するってイメージしか無かったけど、ポーションも効果あるかも。
早速、3級魔力回復ポーション2本分の600mlを用意して合成強化を使ってみる。
合成強化を発動すると600mlあった3級魔力回復ポーションは300mlまで量が減る。
ただ量が減っただけでなく元々半透明な紫色だった色が濃くなっているので、多分成功していると思う。
鑑定モノクルで調べるのが1番手っ取り早いので早速調べてみる。
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魔力回復ポーション(3級+)
3級魔力回復ポーションを2倍濃縮したポーション。
その分苦味が増しているが、魔力の回復量は
1.5倍になっている。
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「回復量が上がったのは凄いけど。3級魔力回復ポーション1本で余裕でMAXまで回復するのよね」
ソフィアは魔力が多いい方だけど、3級魔力回復ポーションですっからかんの状態でもMAXまで回復できる。
なので、回復量が増えるより、効果はそのままで一度に飲む量が減った方が嬉しかった。
と言ってもこの方法じゃ一度に飲む量を減らすのは難しいだろうなとは思ってたけど。
後は苦味成分が増加しているっていうのが怖い。
普通のポーション類は少し苦いお茶みたいな味だったけど。
それが濃くなっていて、それを300ml一気飲みしないといけないって言うのがなかなか辛い。
まぁ、今回使うことは無いだろう。
魔力回復ポーション(3級+)をマジックバッグにしまった。
これも河村さんに押し付けとこう。
味の感想も後で聞けるかもしれないし。
自分で使うかどうかはそれから判断しても遅くないだろう。
かなり脱線したけど今回の目的はブルーネックを沢山討伐して肉をゲットすることだからね。
それに幾ら下位とは言えここはダンジョンの中で実験を始めるのは危ないだろう。
草食系の動物がモデルの割にはだいぶ好戦的な魔物が多いし。
さっきからシマウマとかガゼルが定期的に襲ってきていている。
みんな、クラリスさんの投げナイフの餌食になってるけど。
後はニシキヘビ系の魔物も出てきて中々綺麗な蛇革をドロップしていた。
草食系が多いだけで、肉食動物もいるらしい。
それにしては蛇がいるって言う情報はなかったけど。
腰ぐらいの高さの草が生えてる場所が所々に有るからそこに隠れられると見つけるの大変だから、見つけられなかったのかもしれない。
ただ、ブルーネックはあっちから近づいてくることはないのでダチョウ肉は手に入ってない。
ウィーもそろそろ昼寝を始めそうな感じなので、ブルーネックを探すために移動を始めた。
「ブルーネックっていっぱいいるのに絶対に1体しかいないよね」
数分歩けば見つかるぐらいの数いるのに、同じ箇所にブルーネックが集まっているのは見たことがない。
そう言う生態なんだろうけど。纏まってくれてた方が1回で済むから楽なんだけどな。
とは言え無理に1箇所に集めてから倒そうとしても上手くいかないだろうから1体づつチマチマ倒していくけど。
今度のブルーネックはウィーが倒すことになってるので、黙って見ていると突然ブルーネックの顔が水球に囲まれる。
窒息死って時間かかんない?って思ったらブルーネックはすぐに倒れて黒いモヤになって消えた。
ただ、顔を水に沈めただけじゃなくて鼻の穴とかから体内に水を入れてたようだ。
やっぱり精霊は魔力の制御が上手いな。
俺よりスムーズに遠くに魔力を移動させてる。
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