第124話
ウィーは俺と同じようにブルーネックの所まで自分の魔力を移動させてブルーネックの頭を包むように水球を作り出してブルーネックを溺死させたわけだけど、俺が発動させるのに数秒かかったのに対してウィーは自分の傍から水や氷を作り出して攻撃するのと変わらない速さで、離れた場所に水球を作り出していた。
と言うか俺が炎を作り出したりウィーが水や氷を作り出して攻撃するの厳密に言うと魔法とは違うわけだけど、魔法魔法言っちゃってる気がする。
炎を操るんだからシンプルに操炎術でいいか、わかりやすいし。
ウィーの場合は操水術、操氷術だな。
そんなことより今はウィーの魔力制御が凄いって話だな。
俺も頑張って魔力制御を練習すれば、あれぐらいできるようになるかな?
出来るようになれば強くなれるだろうし、魔力制御はほかの技術にも使えそうなのでしっかり練習して練度をあげておこう。
それに魔力制御の練習は魔力視の練習と並行して出来そうなところも個人的にポイントが高い。
魔力視を鍛えればいいのかわかないけど、龍の目は鍛えればマーリンの幻術も見破れるようになるみたいだし。
「ニャッ」
考え事をしているとウィーがご丁寧に真空パックされたブルーネックの首の部分の肉を持ってきた。
「おードロップしてたか。二体目でどろっぷしたってことは本当に高くなってるんだね」
スノーティラノの肉はそのままだったし、どこの部位かなんて判別出来なかったことを考えると、真空パックされてるし、部位ごとにわかれてドロップするみたいだし。
こっちの方が食用肉ですよ〜感があるな。
と言っても300gぐらいしかないし、首の肉だけってのもなんか物足りないからこの調子でブルーネックを討伐しよう。
やっぱりもも肉等の使いやすい肉が欲しい。
二回でドロップしたのは運が良かったって可能性もあるけど、10体倒したら一個ドロップするぐらいの確率だと嬉しいな。
下位ダンジョンだから別れても問題ないし、別れてブルーネックを狙う。
〜数時間後〜
「なんで砂肝とかハツとかちょっと変わった部位しかドロップしないの?」
一人で黙々とブルーネックを倒し続けて30体に一回ぐらいのペースで肉がドロップしたけど、砂肝、ハツ、レバーとむね肉みたいな普通の肉がドロップしない。
肉だけじゃなくて卵も何個かドロップした。
5個ドロップしたけど1個だけ有精卵でテイムスキル持ちが温めることで孵化させて従魔にすることができるらしい。
回避盾として活躍してくれるかな?
成長すれば背中に乗せてもらって移動するのもありかも。
テイマーを乗せた状態で自動回避と転移が出来るならテイマーの安全確保手段になるかもね。
とりあえず有精卵は河村さん行きだな。
結局、廣瀬さんが孵化させることになるだろうし廣瀬さんに連絡して渡した方がいいかも?
河村さんに面倒事を押し付けすぎてる気がするし。
河村さんがストレスでハゲになったら可哀想だし。
「ただいま戻りました。あれ?ソフィアお嬢様はまだのようですね」
そう言いながらクラリスさんが帰ってきた。
「レベル上げに他の魔物を倒していたらサイが肉をドロップしました」
サイの肉はスノーティラノと同じでどこの部位とかは謎な感じの肉みたいだな。
食べれる肉の選択肢が増えるのはいいことだ。
こうなってくると魚とか野菜とか肉以外の食材もダンジョン産のものを手に入れてみたいよね。
食材集めに精をだし過ぎるのはいけないので、とりあえず今はダチョウ肉と卵で我慢するけど。
少しして、ソフィアとウィーが帰ってくる。
「ちゃんとお肉手に入ったわよ。私は見てただけだけど」
ソフィアが赤い肉が入った真空パックを持ちながら帰ってきた。
「良かった〜、俺ブルーネックのもも肉が手に入らなかったから」
「えっ、ドロップしなかったの?私はもも肉肉が1番ドロップしたんだけど」
普通はそうだよね。部位ごとにドロップ率があるなら、 もも肉が1番ドロップ率が高いはずだ。普通はね。
「なんか、ハツ、砂肝、レバー、卵うち1つは有精卵しかドロップしなかった」
「それは逆に運が良かったんじゃ?」
「そうなんだろうけど。食べるなら普通の肉が欲しいじゃん」
ソフィア達の方でドロップしてくれてほんとに良かった。
「ダチョウの肉って生でも食べれるのか」
ダチョウの肉ってどんな料理で食べるのが美味しいのかなと帰りの車の中で調べてみると、刺身やマリネ、たたき等 生でも食べれるらしい。
まぁ、何にするかは母に任せよう。
家に帰って母にブルーネックの肉とサイの肉を渡す。
次に桃源郷に向かう。E国から王室の専属料理人が一緒に来ているので、その人にもブルーネックの肉を渡す為だ。
その人も当然料理スキル持ちみたいだし。
安全だし快適だとは思うけど。ダンジョンの中で寝泊まりして貰っているからね。
美味しいもの食べて貰ってストレス発散してもらおう。
「おや、映司くん?他のダンジョンに行っていると聞いていたけど」
「そうなんですけど。魔物の肉が手に入ったんで、おすそ分けしようかと」
「なるほど。魔物の肉は私も気になってたから、分けて貰えるのは有難いね。それはそうと良かったら私と模擬戦をしてくれないかい?」
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