第60話
グラトニースライムに接近していると、グラトニースライムからどす黒い触手が生えて来て 、絡め取ろうと全方位から襲いかかってくる。
俺まであと30cmという所まで迫って来た瞬間ジュと音を立てて触手が蒸発した。
バーニングソウルで体温を上げても周りには一切影響はでないって思ってたけど、俺の体から30cmのところまでは温度が上昇するみたい。
充分物理法則を無視してるけどね。
それでも俺から30cm以上離れてれば体温による温度上昇は起きないみたいだし。
味方がいても充分バーニングソウルを使えるね。
「何か変なことをされる前に倒してしまおう」
直径10mぐらいある火球を作り出して、グラトニースライムに叩きつける。
グラトニースライムは触手で受け止めようとするけど、触手は火球に触れる前に蒸発していく。
グラトニースライムは無理だと理解して逃走を始めるけど。逃げるには遅すぎた。
火球はグラトニースライム本体に直撃して蒸発させていく。
(厄災。グラトニースライムを討伐しました。魔物を討伐したことに進藤映司のレベルが上昇しました)
頭の中でそうアナウンスが流れたので火球を消滅させる。
後に残ったのは火球によってできた巨大なクレーターとその中心にポツリと落ちている魔石のみだった。
(進藤 映司により大罪の名を冠する魔物が討伐されました。報酬として進藤 映司の進化を開始します)
えっ俺が進化するの!?
と少しパニックになっていると進化が終了しましたと頭の中にアナウンスが流れた。
進化と言っても特に何もなかったな。
とりあえず。人の姿に戻ってマジックバックから鑑定モノ──────なんでマジックバッグ持ってるの俺?
そう言えば、龍の姿の時も肩にかけるのは無理だけど指に掛けとくことはできるよねと思って一緒に来た2人に渡さず自分で持ってたな。
無意識にマジックバッグは燃やさないようにしてた訳か。
あぶね〜マジックバッグ燃やしてたら大事なものを色々ロストするところだった。
まぁ、おかげで事前にグラトニースライムを鑑定できたし結果オーライってことで。
こんなんだから母に映司は結構やらかすって言われるんだよね。
気を取り直して自分のことを鑑定してみる。
ステータスでも確認できるけど、鑑定の方が詳しくわかるし。
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火炎龍
一般的な火属性の中位龍。
火炎龍の操る炎は世界の法則を無視することができる。
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ちなみにBPは人間の姿の状態で12,500まで上昇していた。
と言うかレベルも20から50に爆上がりしていた。
まぁ、相手はBP150,000の化け物だったわけだし、そのぐらいレベル上がってもおかしくないとは思うけど。
と言うか世界の法則を無視した炎を操れるって言うけど。バーニングソウルだって充分世界の法則を無視してるよね?
とりあえずそこら辺の確認は後にして先にふたりと合流しなきゃ。
「その前に最後の仕事をしていくか」
サイコキネシス的なスキルを使ってクレーター内から魔石を勝手に回収するC国軍の動画をスマホで撮ってから2人と合流するために空港に向かう。
グラトニースライムが倒されたと思ったら近づいてきて戦利品だけ回収していくとか本当に救いようのない奴らだな。
まぁ、ここではあえて動画を撮るだけで止めたりせずに俺たちがC国に留まる理由にさせてもらおう。
このままじゃ風魔さんが諜報活動をする前に帰らなきゃ行けなくなっちゃうからね。
この動画を公開して、戦利品の返還を求めることでC国に留まらせて貰おう。
そうすれば風魔さんが諜報活動できるし。
田原さんには本当に返還交渉をして貰う必要が有るけど、それが田原さんの仕事だし頑張って貰おう。
「ただいま戻りました。何も問題ありませんでした?」
空港内が騒がしいので何かあったんだろうけど、とりあえず問題ありませんでした?と質問する。
「タイミングよく空港でテロが起こりましたが、竜牙兵に田原さんを護衛して貰っている間に私が鎮圧しました」
タイミング良くね〜
しかも鎮圧したテロリストは鎮圧された瞬間現れたC国軍にどこかに連れていかれたと言う。
他国で人殺ししたら犯罪になる可能性が有るから、気を失わせるぐらいで済ませてたけど。容赦なく殺しておけば良かったと風魔さんは愚痴っていた。
どう考えてもテロリストじゃなくてC国軍の関係者ですね。
「どうしますか?C国がホテルを用意してくれてるようですけど。もう、やることも無いし帰りますか?」
「いやいや、風魔さんの仕事残ってるでしょ?」
もう帰る?と言う風魔さんに小声でそう質問する。
「ここでは見せることが出来ませんがスキルを使ってある程度の情報は手に入れてます。例えばさっきのテロはC国軍が私達を殺すために起こしたものだと示す証拠とか。現場にいたんで証拠隠滅される前に集めることが出来ました」
まじかよ。風魔さんマジモンの忍者じゃん。
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