第415話

「久しぶりベアトリーチェ」


「久しぶり龍王さん」


連絡をしてからベアトリーチェのアトリエに直接転移する。

服を仕立てるための素材を持ってきた事が有るから転移で一瞬で移動することができる。

ベアトリーチェのアトリエは当然だけど

E国にあるので、バレちゃうと怒られるじゃすまないけど。

ベアトリーチェのアトリエから出なければバレる事はないだろう。


「それが例の?」


数着作るとは言われてたんだけど。想像以上に数のパターンの違うゴスロリ服が大量に用意してある。


和服っぽい感じのとか、クラシカルドレス?とか。軍服っぽいのまで……当然それ以外に

も沢山のゴスロリ服を着たマネキンが置いてある。


「やっぱり……ベアトリーチェが1着しか用意しないとは覚悟してたけど……これ全部試着するの?」


「当然。ソフィアには私のブランドのモデルになってもらうって約束。なら沢山用意しない訳が無い。それに龍王さんにも素材集めの段階で協力してもらっているから知っていた筈だけど……説明してなかったの?」


ソフィアの視線が凄い勢いで俺の方に来たので、スーッと顔を横に向ける。


ソフィアが色んな服を着ているのを見たかったからちょうどいいやってソフィアには服を仕立てて貰うとしか伝えて無かったからね。


ソフィアは洋服よりプラモデル用品を買う時の方が時間をかける女性だからね。

なんて言うんだろうソフィアは洋服に関してはこれって直ぐに決めて特に試着とかもせずに買うんだよね。

それでいてしっかり似合っているから凄いと思う。


だから複数服を用意して貰ってます。なんて先に伝えたら、映司が1人で受け取って来てって言われそうだったし。

それでいてゴスロリ系の服と言うと日常じゃあんまり着てくれないだろうし。

日常でも着れそうなデザインのものも沢山用意されてるけど。


デザイン的に少し派手で、これを日常で着るのは難しそうかなって服もある。

と言うかちょっと過激すぎやしませんか?と言う服も有るんだけど……


「こう言うのは夜、着たまま愛し合う時に着るよう。当然、そう言う服のモデルにはしない」


俺とソフィア仲良く二人で咳き込む。


びっくりしたけど……1人の男として良くやったと言う気持ちもある。


でも、ベアトリーチェの『男ってこう言うの好きでしょ?』と言う表情がちょっとムカつく。


「因みに、龍王さんの牙を私が自作した。色んな素材を糸に加工する事が出来る魔導具を使って加工した糸を使って仕立てた服だからどれも物凄い防御力してる。神話級の防具と言っても良いぐらい」


当然俺の牙から作った糸のみで作られている訳では無いけど。

折角なら防御力があった方が良いだろうと思ってベアトリーチェの言われるままに俺の牙を提供した。


と言うか色んな素材を糸に加工出来る魔導具って凄いよな。

染料とかを混ぜる事で染色もしてくれるし。


伸縮性なども、ある程度自由に設定する事も出来る。


「それで、注文したインナーも出来てる?」


「当然。私の分も用意していいって言われたから。超特急で用意した」


伝説の防具級のインナーが完成したわけだな。


これで、どんな場面でも防具をつけて行動できるわけだ。


インナーだったらどんな場面でも着る事ができるし、外から見えないので周りにバレる事も無い。


俺の知り合いとかに渡す時に装備品とか目に見えるものを渡すと『私にも』とか『なんであいつだけ』とか言い出すやつが出てくるからな。


このインナーが仕事した場合はバレて、そう言う事言うやつが出てくるだろうけど。

その時は仕方ない。無視だ無視。


「そんなものも作ってたのね。凄い便利そうでは有るけど。なんと言うか伝説の防具をそう簡単に量産されると少し複雑な気持ちになるわね」


まぁ、その気持ち分からなくもないよ。なんと言うか凄い厳しい試練を超えた先に入手するもの感があるよね伝説の防具って。


まぁ、今更だろう。ソフィアだってインナー着なくても伝説級の装備品を装備してるし。


ゲームじゃなくてリアルな訳だし。高性能なのに入手しやすいってちょっと……なんて言ってられない。



ファンタジーアップデート直後に比べたらだいぶマシになったけど。

何が起こるか分からないような時代だからな。


「インナーの話は終わり。龍王さんもソフィアが私の仕立てた服を着ているところ見たいでしょ?」


「そうだね。ソフィアの服の方が重要だしね。それじゃインナーの方はマジックバッグにしまっちゃいますね」


上下でワンセットのインナーをマジックバッグにしまう。


覚えときなさいよ……と若干不安になるような言葉を残してソフィアはベアトリーチェに連れられて別室に移動した。


ソフィアの仕返しが若干不安だけど。

今更逃げようがないからな。


さてと、戻ってくるまで時間がかかるだろうし。

お茶でも飲んでゆっくり時間をつぶすことにしよう。


そう言えば、仕立てた服はこの部屋に飾ってあるままだけど……これ以外にもまだあるってこと?


ちょっと予想外ってレベルじゃないな〜

ホントに服のモデルで一日かかりそうだ……


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読んでいただきありがとうございます。


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