第414話
「折角だし。中ボスしている頭が2つあるワイバーンを倒しに行きましょうか」
折角だ通常御目にかかれない中ボスを見に行くのもありだろう。
ダンジョン内の撮影はほとんど終わっただろうし。
最後にインパクトのある動画を撮らせてあげよう。
「いや、もう既にお腹いっぱいというか……」
「まぁまぁ、そんな事言わずに」
中ボスを倒したらいいものがドロップする事も有るからな。
フィロがダンジョンマスターのダンジョンだし中ボスを何度も倒す訳じゃ無いけど。
一回倒すぐらいは良いだろう。
と言うわけで、東坂さんを連れて中ボスのいる場所に転移する。
頭が2つあるワイバーンが俺を見て威嚇の咆哮を上げる。
「うんうん。やる気満々で結構。いや、ヤケクソかな?」
よく見ると体を小刻みに震えている。
中ボスをしている以上逃げれないだろうからな。
折角だ龍の姿で戦ってやろう。スキルを使って人間サイズまで小さくなった方が強くなるけど。
インパクト的には通常の龍サイズの方が良いだろう。
正直、そのまま戦ったって負ける相手じゃ無いしな。
東坂さんを炎結晶で作った半球ドームで保護してから龍の姿になって中ボスが飛んでいるのと同じ高さまで飛び上がる。
中ボスは俺の姿を見て後ずさる。
時間をかけるのも可哀想だ。
こちらにビビってはいるけど、幸福するって感じじゃ無いし。
直ぐに楽にしてやろう。
溜めほぼゼロの収束ブレスで中ボスの胴体に大穴をあける。
中ボスは消えて魔石だけがドロップした。
魔石以外はドロップしなかったな残念。
「それじゃ帰りましょっか」
雪原階層の案内まではお願いされて無いからな。
放心状態になっている東坂さんを連れて桜島ダンジョンから脱出。
Sーフリークの本社に送り届けた。
「さてと。これで一旦終わり。後はsーフリークさんたちの準備が終わってからかな」
俺とかの3Dモデルを作ったりするにも準備が必要だろうし。
それから数日、期末テストを受けて古池さんとダンジョンに行ったりと比較的平和に過ごした。
〈自宅警備員〉スキルで召喚したマシンガンの威力はダンジョン内でもゴブリンの防御力を上回っているようで、皮膚を貫いて良いダメージを与えることができて。
上手くヘッドショット出来れば1発でゴブリンを倒すことが出来る。
胴体でも10発前後当たれば倒せるので、サブマシンガンで100発以上撃たなきゃ倒せなかった頃に比べたらかなりの火力アップだ。
さらに強くなるにはもっと古池さん自身のレベルを上げて〈自宅警備員〉の強化が必要だ。
と言っても既に古池さんのレベルは30。
いくら経験値が沢山貰えるようになっている経験値ダンジョンだとしてもゴブリンを倒しているようじゃレベルを上げるのに相当時間がかかる。
レベルが上がれば上がるほどレベルアップに必要な経験値が上がるからな当然の事だけど。
かと言って、いつまでも俺がパワーレベリングする訳には行かないからな。
現在はリーリンさんに扱かれながら何もドロップしない経験値ダンジョン以外のダンジョンに行ってコツコツお金を貯めている。
〈銃撃強化〉を俺から買った分のお金や新しい〈自宅警備員〉で召喚できる銃火器の火力を上げてくれるスキルのスキルの書を買う為だな。
ソフィアの会社の社員としての給料も入るし割とすぐにある程度のお金は貯まるんじゃないかな。
ダンジョンまで公共交通機関を使う必要が有るから移動時間がかかって少し大変そうだけど。
俺が送り迎えするのは流石に面倒臭い。
古池さんもタイミングをみて普通自動車免許を取りに行くと言っていたし。
後は暮らす場所の問題だよな。
現状、異世界人のナディアさんといい関係って事で桃源郷で暮らしているからな。
秀明さんたちはSCSF所属になったし、自衛だってお手の物なので、桃源郷からでて別の場所に暮らしている。
ナディアさんは異世界出身だけど、日本人の戸籍を取得するって事になっているから。
そうなったら冒険者ライセンスも取得できるって話だし。
そうすれば古池さんとナディアさん二人でダンジョンに入れるようになるしダンジョン内での安全度が一気に上がるんだけどね。
どうしてももう少し時間がかかるみたいなんだよね。
古池さん現状はソロでダンジョンに行ってるからな。
やる気があるのは良いけど。古池さんの知名度もそこそこあるし。
ソロだと色んな意味で危険だと思うんだよな。
ソフィアの会社の社員なんだから何かしら業務を与えて、ダンジョンに行けないようにするか。
実際に給料を払う訳だし、何も会社の仕事をしないってのも問題だしな。
古池さんの事については後でソフィアとクラリスさんと話し合って決めよう。
そんなことより今はベアトリーチェのところに向かわないとな。
ソフィアの洋服をまだ受け取ってないからね。
いったいどんな感じに仕上がったのか物凄く楽しみだ。
若干不安そうな顔をしているソフィアを連れてベアトリーチェさんのアトリエに向かった。
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