第413話

俺が現状公務員だという問題は辞めれば問題ないと自己完結したので、気を取り直して企画内容の会議を再開する。

そもそもダンジョンで手に入った物を売ったりしてお金を得たりしている訳だし、あれは副業扱いにならないのかとか気になるけど。

売り先がSCSFしか無いわけだし許されてるって事なのかな。


SCSFをやめてしまえばそう言った事に悩む必要無くなるし。

当然、デメリットも存在するだろうけど。

まぁ、何とかなるだろう。


いけないいけない。今は企画会議中。

そっちに集中しよう。


「第1弾はアプリゲームのコラボキャラと言うことで」


因みに、俺からお願いして配布キャラにしてもらった。

だってガチャから俺が出るってなっても引きたい人いる?って話だし。


まぁ、龍の姿でキャラ化されるから人気は出るのかも知れないけど。


ガチャキャラにするなら絶対ソフィアの方だろう。


とりあえず。そこら辺に関してはSーフリークさんが詳しい案を一度纏めて、それを元にもう一度話し合うと言う事になった。


この後は、桜島ダンジョンにって事だったんだけど。

先にSCSFの問題をどうにかすると言う事で、SCSF本部に向かった。



「そうだね。新藤映司と言う冒険者に依頼すると言う形になるだけで、今までと変わらないし問題ないかな。と言うか映司くんが辞めたいって言ったらならダメって言えないし」


なんかもう全て悟ったような表情をしている河村さんがそう言った。


「海外の要請で派遣される場合だって、政府からSCSFに話が来て、SCSFから映司くんに話を持っていくって感じで今まで通りだし」


これで問題解決だな。

辞める際に必要な書類にサインをしたので、これで俺は職業がただの学生になった。


この後すぐにソフィアの会社にお世話になるわけだから、直ぐにただの学生ではなくなるけど。


まぁとにかく、これで問題は解決した訳だ。


桜島ダンジョンにSーフリークの人を連れていくのは明日になったし。

今日はもう帰って明日のテストの勉強をしよう。


最低でも平均点付近の点数は取りたいし。



ーーー次の日ーーー


「自分はSーフリーク所属の東坂大悟と言います。本日はよろしくお願いします」


学校のテストは高校一年生一学期の内容だからってのもあるかも知れないけど。

特に苦戦することなく終わらせて。


桜島ダンジョンに行くためにSーフリークの人と合流してお互いに自己紹介をしている。

俺とそこまで年が離れて無さそうな男性だ。


「新藤映司です。よろしくお願いします」


早速、桜島ダンジョンの入り口前に転移する。


入口で冒険者ライセンスを見せて桜島ダンジョンの中に入った。


「暑くない?こんな環境なのに?」


「あぁ、さすがに対策せずにこのダンジョンに入るのはまずいので、俺が温度を調節してます」


憤怒の王は温度を上昇させるだけじゃなくて

下げる事もできるので、俺らの周囲だけ温度を人間が問題なく活動できるように調節している。


「そっそうなんですね……」


最初から暑さを感じてないから、実感はないだろうけどね。


「危険度の低いダンジョンには何度か行きましたけど。溶岩湖に上にある小島を乗り継いで先に進むダンジョン。迫力が違いますね」


そう言って東坂さんが写真や動画を撮り始める。

まぁ、今後作るゲームの参考資料のために来ている訳だからな。

東坂さんが満足するまで魔物の警戒だけをしてその場で待機する。


桜島ダンジョンは入口付近でもコウモリとか巨大鰻とか襲いかかって来るからな。


「あっすみません。夢中になっちゃって」


「問題ないですよ。最初からこう言う目的でここに来ている訳ですし。どうします?そろそろ先に進みますか?」


入口付近だけじゃ俺が一緒に来た意味が半減しちゃうからな。


「そう言っていただきありがとうございます。ご迷惑をおかけしますがお願いします」


東坂さんが進む気になったので先に進む。

飛んで先に向かっても良いんだけど。

憤怒の王でマグマの温度を下げて冷やし固めて通路を作ってそこを進む。


「あの〜新藤さんって炎龍なんですよね?」


「そうだよ?まぁ、こう言うことも出来るけどね」


最近全く使ってないけど。憤怒の王を使わなくても周囲から熱を奪って燃える炎ってのも使えるし。


「やっぱり炎龍っぽく炎を使っているところとか見てみたいですか?」


「で、出来ればですけど……E国のダンジョンで撮られた新藤さんの動画があるじゃないですか。あの動画何回も再生するぐらい好きで、ちょっと、見てみたいな〜って」


動画だからあえて派手な攻撃したからな。


まぁ、ちょっとぐらいサービスするか。


溶岩湖から顔を出した巨大鰻に向かって火球を投げつける。


火球は巨大鰻に当たった瞬間大爆発を起こす。


爆発によって溶岩の飛沫が上がる。


東坂さんは炎の結晶で作った半球ドームで保護しているので溶岩の飛沫が当たることはない。


俺は当たったところでなんともないしな。


安全を確認してから東坂さんを守る炎の結晶を解除して声をかけて先に進む。



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読んでいただきありがとうございます。


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