第412話

「それにしても、そう言うスパイ行為に対する対策はどうしたら良いんだろうね?」


「今回はスパイ行為どころか情報で世界を牛耳ろうとしてた訳ですけどね。スパイ行為に関しては対策難しいですよね」


鑑定スキルを妨害できる魔導具とかは有るけど。

情報をこっそり入手するようなスキルは鑑定スキルだけじゃないからな。


そう言ったスキルの全てに対応するのは難しいだろう。

俺は理外を持っているだけで自動で防いでくれるけど。


「やっぱり難しいか……」


もう、夜も遅いし。地味に明日から期末テストなので、河村さんにポーションを幾つかプレゼントしてからSCSF本部を後にした。


「なんと言うか結局派手にやったわね?お兄様から詳しい話聞いておいてって連絡来たわよ?」


まぁ、連合軍にはE国も参加しているし。そうなるよな。

旧C国で起きた事を説明する。


「まぁ、だいたいこんな感じ。あぁ後ゲーム会社との案件の話。少し前の話だし内容が変わるのは仕方ないとして。受けたり出来ないかな?」


「ん?前回は大変興味深いけど。今は時間はない。って断った感じになっちゃったけど。

まぁ、話を持っていけば喜んで企画を用意してくれるんじゃない?」


そんな感じになってたんだ。まぁゲーム会社からあの話が来たのは少なくとも一ヶ月は前の話だからな。あれ2ヶ月ぐらい前だっけ?

どちらにせよ結構前の話だからな。


とりあえず。ゲーム会社に前回は残念だったんですけど。今度一緒に何かしませんか?

って話を持って言ってゲーム会社がどう言う返事をしてくれるか待つ感じかな。


前回こっちから断ってんのに、何か一緒にやりませんか?勿論企画を考えるのはそっちでお願いしますとか普通に考えたら門前払いどころか、二度と来んなって言われてもおかしくない内容な訳だけど。


まぁ、ソフィアとクラリスさんに任せればもう少しマイルドな内容にしてくれるでしょ。


「そもそもどうしていきなりそんな話を?」


「たまには殺伐としてない事したいなと思った時に、ふとそんな話があったなって」


「なるほど。確かに、たまには命のやり取り無しの好きな事をやりたいってことね。まぁ、なんとかなるでしょ」


ーーー次の日ーーー



「で、私は映司の為にゲーム会社と話をしてきたって言うのに……何でE国に行こうとか言い出すの?」


期末テストを受けるだけなので、早めに家に帰って来れたんだけど。

テスト中にベアトリーチェさんからソフィアの服が完成したって連絡が来てたから、家に帰って来るなりソフィアと一緒にE国に行こうとして結果こうやって怒られている。


「話を持っていったら相手方も乗り気だったのに、ここでやっぱ無理なんてなってみなさい流石にキレられるわよ?」


確かに……と言っても、話を持っていた当日から動き出すなんて事あるの?

ベアトリーチェさんのところにソフィアの服を取りに行く時間ぐらい……あっはい。調子乗ってすみませんでした。

ところで今日は何を?顔合わせとか?

……桜島ダンジョンにグラフィック班の人を連れて行く?

前回断ったお詫びも兼ねているから今日連れていかなきゃ行けない?

向こうも今日今からって言われて準備できるの?と思わなくもないけど。


日数かけると俺が対処しなきゃいけないような事件が起きて、今回の企画も申し訳無いのですが中止でとかなってしまう可能性もゼロじゃないし。

早い方が俺としても有難いけど。


それに元々は俺が言ったことだからね。

ベアトリーチェさんのところに行くのはまた今度だな。


「いや〜まさかホントに今、世界で一番の有名人と言っても過言ではない、新藤さんとのコラボ企画がほんとに実現するとは、まさに夢のようです」


「自分も世界的ゲームメーカーのSーフリークさんとコラボ出来るなんて夢みたいです」


そんな感じの顔合わせから始まり、そのままどんな内容の企画で行くかの話が始まった。


それにしても社長さんが直接対応してくれるとは思わなかった。

かなり忙しい筈なんだけど。

俺の話なんて今日突然無理やりねじ込まれたような話なのに。

俺が来るってなったら、なんとしてでも社長が対応しないと行けないって感じなんだろうな。

個人的にはなんとも思わなくても周りはそう思わないみたいな。


「あっ。そう言えば、俺って分類上公務員なんだった……。実際には公務員って訳じゃ無いけど……SCSF所属の肩書き案外邪魔だな」


SCSFに所属してなくたって、今まで通り要請を受けたら手伝うし。

と言うか今だってSCSFに所属している感が薄くて、こうやって直前まで忘れてたし。

SCSFを辞めてソフィアの会社の従業員になっても問題ない気がする。


うん。それで行こう、別に冒険者の新藤映司に依頼してくれれば良い訳だし。


冒険者ライセンスをとる時に、冒険者ライセンスを取得した者は魔物による災害が発生した場合戦力として招集される場合があるって説明されたし。

その制度使えば、SCSF所属じゃなくたって今と別に変わらないよね。



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読んでいただきありがとうございます。



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