第14話

「はぁもう朝かー護衛の話中止になんねぇかな〜」


護衛仕事なんてめんどな事に巻き込まれる予感しかしない。


そんなこと言ったところで護衛の話が無くなる訳でもない。河村さんが運転する車も到着してしまったので大人しく河村さんの車に乗った。


「とりあえずこれ護衛をする時に着る服と装備1式ね」


そういってSPっぽい黒服やサングラスなどの装備を受け取る。ちょっとだけテンションが上がった。


「そう言えば例のお姫様のところにはすぐに行くんですか?」


竜牙兵関係を少し試してみたいので、出来れば龍になれて周りから見えない場所に行きたいんだけど。


「時間ギリギリにならないように2時間ぐらい余裕をみて行動しているけど」


「それなら竜牙兵作って見たいんですよ。護衛に使えそうでしょ?でも作るには龍の骨が必要なんですよね。自分の牙とか爪を使えばいいかって思ったんですけど、龍の姿に変身できる場所なんてパッと思いつかなくて」


「ゴーレムの護衛ってことか…確かに便利そうだけど。すぐに作れるものなの?」


「俺が龍になっても問題ない場所ならすぐに作れるはずです」



「そうか、ならちょっと試してみるか」


という訳で連れてこられたのは建物を解体工事中な土地だった。


「ここはスキル犯罪鎮圧部隊の基地になる予定の土地だな。警察の内部組織じゃなくて迷宮省の組織になるってことで建物が必要になったらしくてね。映司くんもいるし土地も運良く確保できそうだから奥多摩でいっかってことでここになったらしいよ?」


もう色々とツッコミたいけどもういいや。


つまり龍の姿になってついでに今建ってる建物も壊してってことだろう。

しかもその後に作られるのはスキル犯罪鎮圧部隊の基地?建物?らしい。


こうなったらストレス発散も兼ねてとことんやらせてもらおう。


龍の姿になってパンチしてみたりしっぽでたたきつぶしてみたり少し飛んでから足で踏み潰してみたりと徹底的に建物を破壊した。

自由に壊してちょっと楽しかった。


遊ぶのはここまでで本題はここからだな。


口を開けて牙を何本が手を使って引っこ抜く。ちょっと痛いけど、魔力を消費したらすぐに新しい牙が生えてくる。


魔力があれば龍の素材取り放題って訳だ痛いから嫌だけど。

後は脱皮とかするのかな〜鱗がない皮だけのタイプだから綺麗に龍の形をした抜け殻になったりするのかな?

背中がぱっくり割れて脱皮するみたいな。


まぁ、脱皮するかも分からないけど。


竜牙兵を作る分の量は確保できたので人の姿に戻って新しい服を着る。

もう龍の姿になることはないしSP風の服を着てしまおう。


「とりあえずやってみるか【竜牙兵制作】」


纏めて置いてある牙の下に魔法陣が現れると牙が溶けて合体してひとつの球体状の液体に変化した。

どうやらどんな竜牙兵を作るかここで決めるらしい。

今回は護衛をさせるから大盾を装備させて防御力特化がいいかな。


そんな感じでどんな竜牙兵を作るか決めると、球体状の液体が沸騰したみたいにグツグツしだしたと思ったら人型に変形していき

大盾を持ったリザードマンっぽいスケルトン。

竜牙兵が完成した。


「竜牙兵盾を地面に置いて右手を上げろ」


とりあえず命令をしっかり聞くかな?指示を出して見たら。

言った通り盾を地面に置いて右手を上げた。

しっかりとこちらの言葉を理解して動いてくれるらしい。


「ありがとう。元に戻って良いよ」


そう言うと竜牙兵は右手を下げて盾を持ち直す。


「【竜牙兵送還】」


そう言うと竜牙兵の足元に魔法陣が現れて竜牙兵がその魔法陣に吸い込まれていく。


竜牙兵召喚を使うとさっきの魔法陣から竜牙兵が生えてくるってことかな。


そう言えば鑑定モノクルで調べれば良かったな。

折角だし竜牙兵召喚も試してみるか。


「【竜牙兵召喚】」


想像通りさっきと同じ魔法陣が現れてその魔法陣から竜牙兵が生えてくる。


出てきた竜牙兵に鑑定モノクルを使ってみる。


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竜牙兵


火龍の牙を使って作られた竜牙兵。

火への強い耐性を持っている。


BP1000


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「中々強いんじゃない?」


俺に比べてBPは5分の1だけど、牙を引っこ抜く時に痛いのを我慢すればBP1000の竜牙兵を量産できるってことでしょ?

河村さん達で1番高いBPが200前後だったことを考えると1000って高い方だし。

火への強い耐性ってのも役立つこともあるだろう。


護衛するのはホテルでって聞いてるし、部屋の中は竜牙兵に任せて俺は外からドアの前で仁王立ちしてれば良いだろう。


そうすれば初対面の人と話すことに緊張して

ミスすることもないだろう。


送還を使って竜牙兵を仕舞う。


竜牙兵のBPを河村さんに伝えたら映司くんなら世界征服もできそだねと言われた。

そんな面倒臭いことするつもりないけど。


準備は終わったので、いよいよE国のお姫様がいるホテルに向けて出発した。



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読んで頂きありがとうございます。

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