第13話

この小説は外国のことをA国、B国みたいな表現の仕方をしますが、頭文字を取ってたり違ったりと結構適当です。ご了承下さい。



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ー都内某所ー


「ねえクラリス。護衛にあんな人間を寄越すなんて 、日本はE国のこと舐めてるのかしら?」


「ソフィアお嬢様の美しさを考えれば仕方の無いことかと。今までも他の追随を許さない美しさをお持ちでしたがエルフになられてからより一層磨きがかかっておりますから」


「それについては否定するつもりはないけど。護衛として派遣されてるのに口説き始めるってやる気あるの?って話よ。最低限の仕事はして欲しいわ…なんかこう言ってると、私が我儘お嬢様みたいね」


「この話だけを聞かれたらそうかも知れませんね。と言っても悪いのは最低限の仕事もできない自衛隊の方ですが。ですがこちらとしても自衛隊がヘマしてくれて助かりました。そのおかげでこちらも今話題の龍王を呼べる訳ですから。スキル犯罪鎮圧部隊の人間を要求したとしても自衛隊は文句を言えないですからね」


「龍王ねぇ。クラリスの調べだと元はただの高校生なんでしょう?それこそ護衛なんてできないでしょ?」


「もとより日本の戦力に護衛なんて求めていません。ソフィアお嬢様の護衛は私ひとり充分です。最初から日本の戦力分析をするために受け入れただけですので。1番の目的は龍王に危険思想はないか。実際どのぐらい強いのか。想像以上の強さの場合ソフィアお嬢様もしくは私のハニートラップで本国に連れ帰ることはできるか。この辺りを調査することです」


「普通の高校生なのよ?それこそ可哀想でしょ?」


「でも 、ソフィアお嬢様だって龍王が優秀ならハニートラップぐらい仕掛けるつもりですよね?」


「そんなことしないわよ。ただ龍王から好きになってもらうだけよ。その方が日本との仲も多少悪くなるぐらいで済むでしょう?

だって龍王から移住したいって言うわけだし」


「ソフィアお嬢様の方が何倍もあくどいですね」


「まぁ、冗談はここまでにしといて実際龍王本人狙いは日本全体から恨みをかうから無理として、現時点ではE国が危機に陥った時に飛んで助けに来てくれる程度の関係になるぐらいがベストかしら」


「最初から100%の成功を狙いに行くとろくなことになりませんからね。本国に帰るのが危険と判断されて帰れなくなった時は最悪と思いましたが。これが災い転じて福となすってことですかね?」


「さぁね。全ては龍王次第よ。自衛隊員みたいにクソ野郎だったら福でもなんでもないし」



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ー映司・自宅ー


「ただいまー」


ここまで送ってくれた河村さんにお礼を言って別れてから、鍵を使ってドアを開けて家の中に入る。


「おかえり映司。怪我はしてないみたいねお母さん安心したわ。お風呂も入れるから服を脱いでお風呂に入って汚れを綺麗にして来なさい」


汗でベタベタだしすぐにお風呂に入れるのはありがたい。


早速お風呂に入ろうとするとスマホから着信音がなり始める。

どうやら河村さんから電話がかかって来たみたいだ。


「別れてすぐなのに申し訳ない。渡し忘れてしまった物があることに気がついてね」


「わかりました玄関に行けばいいですか?…はいはい了解です。じゃあまた」


そういって電話を切る。


「母さんまたちょっと用事ができた。どこかに行くって話じゃないからすぐに帰ってくるけど」


そう言って玄関から出ると家の前に黒塗りのバンが止まっている。


「どうしたんですか?」


「詳しい話は中でしよう。どこで話を聞かれているか分からないからな」


なんかそんな重要な話なんですか?って思ったけど車に乗ったら詳しく説明してくれるだろう。


「まぁ、別に外に漏れたところで問題なくはあるんだが。映司くんはE国の王族が1週間前から外交で日本に滞在しているのは知っているかな?」


「そりゃまぁ絶世の美女って言って凄い話題になってましたし、テレビや写真で顔ぐらい見たことありますけど?どうしてそんなことを?」


なんとなくやな予感がしてきた。


「人がスキルを使えるようになってしまった結果。飛行機で帰国しようにもスキルを使い飛行機を墜落する可能性も存在するため帰国ができない状況になってしまっている。日本にいる間に怪我でもされてしまっては大問題だ。そのため護衛を派遣することになった。ということで明日から映司くんはお姫様の護衛をしてもらうことになった」


護衛なんてしたことないのに出来るわけないじゃん。


「護衛の仕方を学んだりしてそうな自衛隊に頼めば良くないですか。もしくは河村さん達がやれば良いじゃないですか。それに俺

E国語なんて喋れないです」


「それに関しては大変説明しずらいんだが、既に自衛隊がやらかしていてね。人員をこちらで選べる状況じゃないんだ。で、お姫様が選んだのが映司くんって訳。言語に関してはお姫様のメイドが日本語を喋れるみたいだから問題ない。明日、朝に迎えに来るから。後これ盗聴されないように作られた特殊な携帯ね。今度からはこっちにかけるから」



俺に拒否権なんてものは無いらしい。

まぁ、絶世の美女って言われてるE国のお姫様と直に喋れるのはご褒美と言えばご褒美なのかもしれないけど。

初対面の人と喋るの苦手だから俺からしたら罰ゲームに近いんだけど……。


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読んで頂きありがとうございます。

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