第24話
「交通整理をしている警官以外はいないみたいだね」
昨日 Dtubeに交差点ダンジョンに無理やり突入しようとする自衛隊の動画が複数上がってたから大丈夫かなって思ったけど 、問題なさそうで良かった。
「お疲れ様です」
交通整理をしている警官にスキル犯罪鎮圧部隊の隊員であることを証明する手帳を見せてダンジョンの中に入る。
「雷太少し質問なんだけど。宝箱や魔物をポップさせるのにはダンジョンがリソースを消費する必要があるんだよね?」
「その通りっす」
「じゃあ、そのリソースを俺が肩代わりする代わりに、ポップした魔物と戦って勝ったら宝箱が手に入るっていう仕組み作れないかな?」
「なんか面白そうな考えっすね。色々と調整は必要だと思うっすけど。それなら行けると思うっす」
と言うことで雷太と詳しい話をしながら1時間ほどで、交差点ダンジョンに新しい施設が完成した。
「この魔法陣の上に乗ればいいわけだな」
魔法陣の上に乗ると直径1kmで円形の平らな砂地の中心に転移していた。
「目の前の祭壇にリソースに変換するアイテムを置くと試練が始まる。ここまではバッチリだな」
今回リソースとして捧げるのはお馴染み、龍状態の俺の牙だ。
とりあえずお試しなので一本置いて祭壇から離れる。
すると祭壇ごと龍の牙が消える。
少し待つと黒い霧が現れて竜っぽい飛行生物の形に変形していく。
これが魔物のポップする瞬間なんだね。
消える時も黒いモヤになって消えるし。
魔物は魔力が物質化して生まれた存在的な感じなのかな。
「ワイバーンねぇ」
色が変わって翼を羽ばたかせ呼吸を始めたところで鑑定モノクルで鑑定してみるとワイバーンと表示された。
ちなみにワイバーンは亜竜らしい。
ワイバーンに向かって熱線を発射するとなんの抵抗もなく眉間を貫いた。
ワイバーンは地面に墜落して黒いモヤになって消えた。
ちなみにここでは魔石すらドロップしない。
その代わり宝箱が確定でドロップするんだからそこまで気にならないけど。
「この宝箱は罠は無いように設定してもらってるから躊躇なく開けれるのがいいね」
ワイバーンが消えたあと現れた宝箱を開けると丸底フラスコのような容器の中にエメラルドグリーンの液体が入った物が三本入っていた。
「鑑定モノクルによると〈3級ポーション〉らしいな」
ファンタジーの定番飲むだけで驚異的な速度で傷が回復するあのポーションだ。
3級だと欠損を治すことは出来ないけどくっ付いていれば即座に治療できるらしい。
骨折とかも当然治療できる。ただこのポーションでは怪我は治せても病気は治せないらしい。
「病気を治すポーションはまた別のポーションっすね」
ポーションは色々種類があるようだ。
ポーションを宝箱から取り出すと宝箱が消えて足元に魔法陣が現れる。
「ちゃんと1度終わると帰る設定もできてるみたいだね」
一般公開したあとに人気になるだろうし強制的に1回ごとに交代する機能をつけとかないと問題が起きそうだしね。
まぁ今は俺以外誰もいないのでそのままもう一度魔法陣に乗って特殊フィールドに移動する。
「今度は景気よくいっぱい牙を置いて見よう」
祭壇の上に牙を置きまくる。数個置いただけで祭壇の上がいっぱいになってしまったので祭壇の周りに置いていく。
だいたい100個ぐらい置いてから後ろに下がる。
さっきは人の姿に戻って戦ったけど、今回は念の為龍の姿のまま相手が出てくるのを待つ。
「いくら牙を100個置いたからって龍種が出てくるのかよ…」
黒い霧が翼のない鎧のように岩で全身を包まれた龍に変わる。
正直いくら龍の牙を置いても龍種は出てこないだろうって思ってたけど、そんなことはなかったらしい。
とりあえず鑑定モノクルを使って情報収集をする。
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地龍
地属性の下位龍。土、岩を自在に操ることができる。
BP50,000
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BPが俺の10倍あるじゃん。
完全に想定外だよ。
地龍がこちらを向いて大口を開ける。
やばいブレスを吐いてくるつもりだ!と思った時には細かくて尖った岩が大量に含まれたブレスがこちらに向かってくる。
あれに被弾するのはやばい。
工具のサンドブラスターの超強化版みたいなもんだろ?あのブレス。
ブレスを相殺しようとこちらも全力でブレスを放つ。
一瞬は拮抗したけど。すぐにこちらのブレスが押され始める。
ブレスじゃどうにもなんないな。
どうしようか考えていると地龍のブレスの威力が急に上昇する。
元から対処しきれてなかったのにそんあことされて対処出来るわけなく地龍のブレスに飲み込まれてしまった。
「超いてぇバーニングソウルが間に合わなかったら死んでたな」
ブレスを食らったせいで全身血だらけだけど。咄嗟にバーニングソウルを発動させたおかげでBPが上昇、身体能力が上がったおかげで耐えることが出来た。
こっちのブレスで溶かせなかった岩のブレスだったので上昇した体温で岩を溶かしてブレスを無力化することは出来なかったけど。
「さぁ、第2ラウンドの開始だ」
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