第25話

「おっと。身体能力が急上昇してるから制御が上手くいかない」


もう一度地龍がブレス攻撃をしてこようとしたので飛んで避けたのだけど移動しすぎた。


フィールドの端の見えない壁に激突してしまった。

鼻が痛い。

やっぱり身体能力が上昇した状態の慣らしもしっかりしとくべきだった。


「とりあえずくらえ〜」


地龍に向かってライダーキックの用量で突っ込む。


地龍の脇腹にヒットして地龍が吹き飛んでいく。


「オーオー怒ってんねぇ。ただこれで終わりにしよう」


大口を開けてブレスを放つ体制に入る。

1点集中のレーザーブレスを地龍に向かって放つ。


「まじかこれでも倒しきれなかったか」


岩の鎧のような鱗を破壊することには成功して大ダメージを与えることに成功はしたけど

致命傷ではないようだ。


「あっぶな!」


真下に魔力が集まっているのに気づいて飛び上がると地面から岩で出来たスパイクが飛び出してくる。


やっぱり地龍相手に地面に立って戦うのはあまり賢くないかも。


それにしても魔力が見えるってのは便利だな。

多分これもドラゴニアンの特殊能力だと思う。


魔力の動きが目視できるのでさっきみたいに事前に攻撃を察知できたりする。



「空からチクチクブレスを撃ってれば勝てると思うけどなんか違うよな」


体温をさらに上昇させてバーニングソウルの強化倍率をアップさせる。


高速で地龍に近づき後ろに回り込んで尻尾を掴んで持ち上げる。


グルグル回して空に投げる。


空に飛ばした地龍を追いかけて、火を纏わせた足でかかと落としをお見舞して地面に叩きつける。


地面に大きなヒビが入りクレーターが出来上がる。

クレーターの中心にいる地龍が黒いモヤになって消える。


そしてクレーターの中心には地龍の代わりに宝箱が現れた。


「あ〜まじでやばかった。調子に乗ってリソースをプレゼントしすぎたな」


最初のブレス以外は割と余裕があった気もするけど、一本間違えば大ダメージを食らってただろうし。最初のブレスはまじで痛かった。


「いや〜やっぱ龍種は恐ろしいっす。狙われないように大人しくしていることしかできなかったっす」


地龍が倒れたのを確認してから雷太が近づいて来た。


「ねぇ雷太、ワイバーンの時はすっかり忘れてたけどあんな強敵を倒したのにレベルが上がらないっておかしくない?あと前に聞いた時に聞いたほかの属性の龍のBPより普通に高かったんだけど」


「この闘技場で戦う魔物は倒しても経験値が入らないようになってるっす。なんでここでどんなに強敵を倒しても一切レベルは上がらないっす」


まじかここで手に入るのはほんとに宝箱の中身だけってことか……


「それとBPの話は同じレベルって言うのが前提だったはずっす、それに取得してるスキルによってBPは結構変わるっすからあの例は割と当てにならないっす。だとしても火属性の龍が使うバーニングソウルの強化倍率はおかしいっすけど」


うーんなるほど。確かに俺のレベルってまだ6だしレベル差があるのは当然か…そう考えたらよく倒せたな。

バーニングソウルのBP上昇がそれだけ強力だったってことか。


「と言うか今俺のBPって幾つなんだろう?」


気になったので鑑定モノクルで今の状態のBPを確認したいって思ったけど龍の姿じゃ上手く鑑定モノクル使えないよな〜


「映司様の今のBPは63,600っすね」


「えっ雷太って鑑定スキル持ってるの?」


「持ってないっすダンジョンマスターの能力のひとつに侵入してきた存在の情報を自由に確認できるってのがあるっす」


あ〜確かにダンジョンマスターならそれぐらいできそう。


「ってことはバーニングソウルでBPが

12倍になってたってことか。だいたい体温500℃で12倍人間じゃ無理な体温だけどかなり強化倍率高いな?」


雷太倍率20倍にするには数千℃まで体温をあげないと行けないとか言ってなかった?

千と数百℃で20倍いきそうだけど?


「映司様は勘違いしてるみたいっすけど。今のバーニングソウルの強化倍率は6倍っす。映司様は人間の姿だと5,300っすけど。龍の姿の時は10,600まで上昇してるっす。その状態でバーニングソウルで63,600まで上昇してるんで6倍っす」


龍の姿の時は鑑定モノクル使えないから見たことなかったけどBPが人間の姿の時と比べて倍になるのか。

BPって鑑定モノクルじゃなくてもステータスで確認できるよね?


なんで鑑定でしか調べられないって思ってたんだろう。

確かに他人のBPは鑑定を使うしか今のところ方法ないけど。自分のBPはステータスでも確認できるじゃん。


ステータスと頭の中で念じると確かにBPが

63,600と表示されている。

バーニングソウルの上昇率6倍ともしっかり表示されてる。


「まぁ、良いや。そんなことよりそろそろ宝箱開けよう」


つぎ込んだリソースによって戦闘することになる魔物の強さと宝箱箱の中身のグレードは変化する。


かなりレアなものが入ってるはず…


そう思いながら宝箱を開けると中には緋色の金属で出来たメリケンサックが入っていた。



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読んで頂きありがとうございます。


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