第167話

「とりあえずの狙いはミスリルワイバーンだよな」


他にも貴重な素材をドロップする魔物はいるだろうけど、防御力の強化と言うのはかなり重要だと思うのでミスリルワイバーンを狙うために山の方に向かって飛んでいく。


防具用の皮に関しては、俺の抜け殻で良いじゃんと思い出したので、ソフィアの防具用じゃなくて、E国王室に渡すためのお詫びの品用だけど。


俺の抜け殻は普通の縫い針じゃ縫うことも出来ないし、強力な防具になるだろうけど。

現状加工できる職人が居ないということで、放置されてるのをすっかり忘れてた。

通常サイズの龍の状態の抜け殻が丸々残ってるから、加工できるなら色々ダンジョン探索に役立つものが作れると思うんだけど。


俺の牙を裁縫道具に加工すれば、加工できるようになるよね?

そしたら今度は俺の牙を加工できる職人探しをしなきゃならないんだよな。


抜け殻より牙の方が硬いし加工難しそうだけど……


生産系のスキルを持っている人が加工する時は素材の強度関係なく作れる見たいなご都合設定だったら有難いんだけど。

日本に帰ったら河村さんにSCSFで雇ってる生産スキル持ちの人に話を聞いてみるか。


正直、やる事が有りすぎて忘れそうだけど。

毎日やらなきゃ行けないことが増えていくしやらなきゃいけないことリストを作ってはいるけど。見返すの忘れるんだよね。

そもそも書き忘れることもあるし。


「おっ。早速ワイバーンの群れじゃん」


山に向かって飛んでいるとミスリルワイバーンを先頭にワイバーンの群れがこちらに向かってくる。

ミスリルワイバーンなのは先頭だけで、他のワイバーンは別の種類のようだ。


メタリックカラーだから金属の名前がついたワイバーンだとは思うけど。

鑑定モノクルLv2を使って確認してみると。


マギアイアンワイバーンと言うらしい。


マギアイアンは魔鉄の事のようだ。

ミスリルに比べれば性能は良くないけど、優秀な素材なのに変わりない。


逃がさないように理外を適当に一振して終わらせる。


地上に落下していくドロップ品を回収していく。


「これって物欲センサーが働いたのかな……」


今回、皮はドロップしなかったけど。

マギアイアンワイバーンの肉がドロップした。


魔物の肉は美味しいし嬉しいけど。今は肉じゃないんだよな……


肉系は食べるだけで、BPを永続的に上昇させてくれるものがあったり。

耐性を獲得できたり。

そう言った効果を持ったものも有るので、ドロップ率がほかの素材より低いはずなのに。

料理人スキルがいないと調理出来ないけど。

あの宮殿になら普通にいるだろうし普通に食べることが出来るだろう。


因みにマギアイアンワイバーンは食べるだけでBPが永続的に50上昇するらしい。

少なくね?と思わなくもないけど。

普通の人間基準で考えると50上昇ってかなり優秀な効果ではあるか。

クラリスさんだってある程度レベルを上げて300後半程度だもんな。


「30kgぐらいあるから、20kgぐらいは日本に持ち帰りたいな」


核ミサイルが収納されてるけど。リーリンさんから借りてる時間経過無しのマジックバッグに仕舞えば腐るとか考えなくて良いし。


核ミサイルと同じ場所に仕舞うって考えると、そっちの方が心配になる気がするけど。

マジックバッグだし問題ないだろう。

ダメだったら諦めれば良いし。


闘技場で手に入った魔鉄のナイフで、3分の1ぐらいを切り分けてからマジックバッグに収納した。


「さてと。あの山はワイバーン系の巣になってるっぽいし、このまま近づいていけば向こうから襲いかかってきてくれるだろう」


皮がドロップしてくれる事を祈って山の方向に飛んで行った。


「美味しそうな魔物では無いけど、地上にも存在しない生き物をゲットしたりいい事はあったけど。ミスリルワイバーンの皮は手に入らなかったな……」


物欲センサーが、かなり仕事しやがったせいで。

結局ミスリルワイバーンの皮がドロップする事はなかった。

あれから10体ぐらいは倒したんだけどな…


お詫びの品が食べ物だけって、俺が食いしん坊みたいじゃん。

マギアイアンワイバーンの皮もドロップしなかったし。


マギアイアンワイバーンの肉と岩に擬態して断崖絶壁に張り付いていた岩ガニ。

後は俺の牙を1本渡せば充分か。


日が傾いて来たので、一番の目的である三ツ目族にアルカディアの連中の本拠地の場所を占って貰わなきゃ行けない。


村に向かって移動を始めた。


「無事だったようで安心しました」


「そこまで、強い魔物と遭遇しなかったしね。それにしても、三ツ目族って戦闘はあんまり得意じゃないんだね」


アトランティスの中で生活してるんだからかなり強かったりするのかな?って思ってたんだけど。

BPで言うと900後半程度しかない。

普通の人間と比べれば、全然高いけど。

アトランティスで暮らしてると考えると、低く感じる。


「私たちは、占いの技能に才能が全振りされているようなものなので、荒事は得意じゃないんですよ」


その占いにも色々制限が有りそうだし。三ツ目族の事が外に知れ渡ったら絶対よからぬ事を考える輩が湧いて出てくるだろうな。

三ツ目族がそこまで強くなくてもアトランティスにいる限り問題はないと思うけど。


まず、マーリンから借りてるコンパス無しで入口を見つけるのが難しいし。中に侵入できたとしても。

三ツ目族はどうにか出来る実力があったとしても、魔物たちには手も足も出ないだろうし。

とは言え、三ツ目族について話すつもりはないけどね。


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読んでいただき有難うございます。



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