第85話
「はぁ報告書、書くの超めんどい」
宿に帰ってきてお風呂に入ってご飯を食べ終わった後、今日のダンジョンで出現した魔物や採集出来たものを纏めたものを作成する。
宝箱はどうしよっかな?と思ったけど一応溶岩湖の底に宝箱が有ることもと書き足しておいた。
中身に関しては言及しておかないことにしておく。
教えるのは直接会った時で良いし。
いつも通り電話でも良いんだけど。誰が聞いてるかも分からないし、報告書と言うより報告書を作るための箇条書きと言った感じだけど。紙に書いておくことにした。
遮音結界を使えば外に漏れたりしないけど。
なんとなく電話すると何かまた仕事が増える気がしたと言うのもある。
俺だけがドンドン仕事を振られていると言う訳では無くSCSFの隊員は全員仕事山盛りなんだけど。
報告書(笑)を書き終わった後はさっさと就寝。
何事もなく夜が明け、朝食を食べて桜島ダンジョンに向かう。
今日は一階層は一直線で通過と言いたいところだけど。
ニトロバットの糞と硫黄が一日で復活しているかの確認もしに行く。
こう言うことを調べるために来ているわけだし。
「流石に一日じゃ復活しないか」
復活していないことを確認してから2階層に向かう。
2階層は足場が小さくなったぐらいで他は一階層と変わらなかった。
いつも通り敵の出現確率はドンドン上がってったけど。
「で、あれがフロアボスか」
5階層まで来たところで双頭のワイバーンが現れる。
次に進むための階段が双頭のワイバーンの後ろに見えるのでこのダンジョンに入って初めてのフロアボスだろう。
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ツインヘッドファイアーワイバーン
双頭の火属性ワイバーン。
それぞれの頭に意思があり正反対の性格をしている為しょっちゅう喧嘩している。
しっぽの棘に含まれる毒にも注意。
BP2760
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「双頭である事が逆にデメリットになってない?」
鑑定結果通り勝手に喧嘩し始めたツインヘッドファイアーワイバーンをみて呆れる。
喧嘩が終わるまで待つ理由もないのでサクッと討伐する。
すると階段のある溶岩湖に浮かぶ小島に魔石と樽が現れる。
「樽が初回討伐報酬ってこと?」
魔導具だろうしショボイってことはないんだろうけど、見た目が樽だかショボイく感じてしまう。
魔石を回収して樽に鑑定をしてみる。
「なになに、…熟成樽?」
どうやら中に液体を入れると通常の3倍の速度で熟成が進むらしい。
「需要は過ごそう」
ワインを1年この樽で寝かしただけで3年分熟成が進むんでしょ?
まぁ、ワインだけの話じゃないけど。
こう言うアイテムって実際に3年熟成したものと比べると味がおちる。って言うデメリットがあったりするけど。鑑定モノクルの鑑定ではそこまで調べられなかった。
帰ったら父に鑑定してもらうか。
俺はまだ使わないけど、リーリンさんとか喜ぶかな?
あ〜でも今からこの樽でワインを熟成させといて20歳になったら呑むってのもありかな?
「とりあえず次の階層に向かうか」
階段を進み6階層目、今までと同じ溶岩湖が広がっていると思っていたが。
6階層目は先が見えなくなるほどの猛吹雪が吹き荒れる雪原が広がっていた。
「映司様。寒すぎてこのままじゃ冬眠しちゃいそうっす」
俺はバーニングソウルで体温を上昇させてるからどうってことないけど。雷太は寒くて辛そうだ。
「それにしてもどうやって進もうか」
一旦5階層に引き返して雷太と作戦会議を始める。
雷太が寒いっていうのは俺の近くにいれば問題ないだろうけど。
猛吹雪の中何も対策せずに進んだらすぐに自分がどこにいるのか分からなくなる。
「正直なにか対策しないと吹雪の中は進めないっす。転移結晶を使うこと前提で適当に進んでみるっすか?」
確かにそれもありだな。
「その前に宝箱をさがしてみるか。もしかしたら吹雪の中を迷わずに進める様になる魔導具が手に入るかもしれないし」
そんな都合のいい事が……と思わなくもないけど。もしかしたらってこともあるし。
もう一度溶岩湖に潜り宝箱探しを始める。
時間はかかったけど予想通り宝箱を見つけた。
溶岩湖から抜け出すと雷太が丁度ツインヘッドファイアーワイバーンの首に噛みつき、そのままへし折っているところだった。
そう言えばフロアボスは一定間隔でリポップするんだったな。
と言うかリポップするぐらい長い時間溶岩遊泳してたのか俺。
グラトニースライムを倒してレベル50になってから全くレベルが上がらなくなっちゃったし。フロアボス周回をするのも良いかもな。
ドロップは魔石だけだったようだ。残念。
気を取り直して宝箱を開ける。
宝箱の中身は方位磁石でこれは北をさすものではなく、設定したポイントをさすコンパスらしい。
階段の近くをポイントに設定そておけば遭難しても階段に帰ってくることはできるな。
ホントに都合の良い中身だったけど有難く使わせて貰おう。
コンパスを手にもう一度、6階層に進もう。
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