第84話
「重ささえ制限内だったらどんな大きさでも関係なく収納出来るのは便利だね」
今までだとバッグの入口より大きいものは収納できないって制限があったし。
バックの入口を近づけるだけで入口より大きいものも収納できるタイプもあったけど。
「取り出す時もバッグの中に手を入れる必要が無いっすからね。それに腕輪タイプの方が戦闘の邪魔にならないっす」
そうだね。バッグの種類によっては持ちながら戦闘するのは難しい物もある。それに比べると腕輪タイプは戦闘の邪魔にならない。
「やっぱり入手が難しい宝箱の方がいい物が入ってるのか、それともここが中位ダンジョンだから?」
今までのダンジョンより難易度が高いならその分宝箱の中身も豪華になってもおかしくないだろう。
「今回の場合両方っすね。ここが中位ダンジョンと言うこと、溶岩の中と言う取得難易度が高い場所にあったこと、この2つが重なった結果っす。正直中位ダンジョンって言っても一階層の宝箱で出るアイテムじゃないっすから」
今回は俺との相性が良かったってことだね。
もっと宝箱探しをしても良いけど。宝箱探しに熱中しすぎるといつまでも先に進めないし。
今日はこれ以上、宝箱探しをせずに先に進む階段を探す。
「何あれ赤いコウモリの群れ?」
飛びながら階段を探していると、天井にぶら下がる赤いコウモリを見つける。
真下には足場があるけど赤いコウモリの糞で真っ白になっている。
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ニトロバット
火で攻撃されると大爆発を起こす。
基本集団でいるので、一体が爆発すると連鎖爆発してとんでもないことになる。
ニトロバットの糞は火薬の材料として使える。
BP500
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「ただの火耐性を持ったコウモリかなって思ってたんだけど想像以上にヤバいコウモリだった」
30匹ぐらい天井にぶら下がってるあれ。
全部爆弾ってことでしょ?
しかもBP500と、このダンジョンの一階層に出てくる別の魔物より低いけど。
30匹も群れてるってのはヤバい。
青い炎のブレスでニトロバットを氷漬けにする。
凍ったニトロバットは溶岩の海に落下する。
氷はちょっとずつ溶けているが、ニトロバットは芯まで凍って既に死んでいるので氷が溶けきってニトロバット本体が溶岩に触れる前に黒いモヤになって消えていった。
「あれ?糞が消えてない」
ニトロバットの糞も一緒に消えるのかなとか思ってたけど。糞は消えずに残っていた。
「採集ポイントってやつっすね。火薬の材料になるっすから」
そう言えば鑑定でもそう言ってたな。
よくよく考えたら、排泄物なんて普通だったら、魔物が倒されなくてもダンジョンが吸収しちゃうよね。
残ってるってことは採集して行ってねと言うことなんだろう。
「と言っても糞の採集なんて素手でしたく無いんだけど」
「魔力で服を作ってるんだから、手袋も作れば良いっす」
なるほど?出来ればスコップ見たいので採集したいけど今は持ってないし。その案で行くから。
革手袋をイメージして革手袋を作り出す。
作り出した革手袋をつけてニトロバットの糞を回収した。
「それにしても溶岩湖の上に足場が浮いているって感じでどこも同じ景色だし。迷いそう。雷太帰り道わかってる?」
正直、俺は覚えてない。
暑さ対策が大変だから、初っ端からこのダンジョンに来る人は、ほぼ居ないだろうしマッピングは必要ないだろと自動マッピングの魔導具は借りてきてないからな。
「ちゃんと分かってるっすから心配いらないっす。もしダメだったら転移結晶を使って桃源郷か交差点ダンジョンに移動すれば良いっす」
それだともう一度、新幹線で鹿児島まで来ないと行けないけど。ダンジョン内で迷子になるよりマシか。
そう思うと転移結晶がもっと有ればって思っちゃうけど。転移ができる魔導具なんて中位ダンジョンでも手に入らないだろうし。
しっかり自分が進んできた方向を覚えておかないとダメだな。
後は正常に機能するか分からないけど方位磁石を持ち込んだりとか。
今回は雷太が分かってると言っているので雷太に任せて先に進む。
途中、硫黄も見つけることができたので後は木炭が有れば黒色火薬を作る材料が揃う。
コウモリの糞から硝酸カリウムを分離させる作業が必要なんだっけ?
俺は火薬なんて作る必要ないし、作らないけど。
と言うか勝手に火薬なんて製造したら問答無用で逮捕される。
まぁ、SCSFには提出するけど。
「ようやく階段を見つけた。かなりさ迷ったよね」
一階層だけで1日使ってしまった。
こっから一直線で出口に向かうのにどれぐらいかかるのかによっては外に出たら真っ暗になってると言うのも有り得る。
「流石に一直線に飛んで帰るならそれほど時間はかからないはずっす。そうじゃないと足場を渡って歩きで行く場合最短距離でも1回層を抜けるのに一日掛かっちゃうっす。上位以上ではそんなことも有り得るっすけど、中位ダンジョンならそういうことは無い筈っす」
雷太の予想通り直線距離なら30分程度で出口にたどり着いた。
逆に階段の場所が分からなかったとは言え言うとかなり寄り道してたんだな。
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