第349話
「おはようロス。特に問題は起きなかった?」
ディメンションルームで1晩休憩してダンジョンの探索を再開する。
昨晩は特に何事も無かったようだ。
テントをたたんで先に移動を始める。
9、10階層は8階層に比べて魔物の出現数が多くなっているだけで、特に変わったところはないが。
11階層に進む為には中ボスを倒す必要がある。
1度でも倒せば倒さずにも先に進める魔法陣が使えるようになるみたいらしい。
「豪華な両開きのドア。冒険者の列が出来てるしあそこが中ボス部屋で間違い無さそうだね」
「11階層以降は罠が設置されているって話だから行かないって話しだったけど。中ボスは倒すの?先に進む必要が無いなら中ボスを倒すより10階層を歩き回ってポップした魔物を倒して回った方が効率良さそうじゃない?」
中ボスだから道中出現する魔物よりお金になるけど。
中ボスと戦うには順番待ちをしなくちゃいけない。だったら道中の魔物を倒しまくった方がお金になる。
先に進むつもりが無いなら中ボスと戦う必要もないという訳だ。
「そうだねぇ。無理に戦う必要も無いか」
俺たちの目的はダンジョンの先に進む事じゃ無くて、不自由なく魔導具が使えるぐらいの魔石を手に入れる事だからな。
10階層以降に進まなくても魔石は十分な量集める事が出来る。
お金も洞窟芋虫の肉と洞窟百足の外骨格を売却すれば2人で生活するぐらいなら問題ないぐらいは稼げる。
そう考えると即死系の罠は無いとは言っても罠が配置され始める11階層以降に行く理由が無いからな。
ダンジョンの罠なら魔力を利用した物だろうから俺なら簡単に看破出来るとは思うけどね。次いでに言えば鑑定モノクルでも罠を看破出来る筈だし。
地球のダンジョンと全く同じな訳ないだろうし油断は禁物だよな。別にこの世界で冒険者として成り上がり無いわけじゃないし。
という訳で中ボスはスルーして10階層中を歩き回ってポップした魔物を倒し続けた。
「あ〜そう言えば。ゴブリン討伐どうなったかな?なーんかやな予感して来た」
魔物を倒して解体して素材を回収している間にゴブリン討伐の事を思い出す。
確か今日だった筈だけど…
わざわざ高ランク冒険者だけの精鋭で潰しに行くんだから何も問題ない筈なんだけど。
なんか嫌な予感がして来た。
ドラゴニアンになってから何となくこう言う予感よく当たるんだよね。
さてどうしたもんか。1度気になっちゃったから。このまま気にせずダンジョンの魔物を倒して魔石集めって気分じゃなくなっちゃったな。
「ソフィア。1回外の様子を確認しに行こう」
「映司がそんな反応すると本当に何かおきていそうね。何も起きてなかったら直ぐに帰って来れば良いだけだしね」
透明になる炎を纏ってから理外を使い地上に転移する。
「やっぱり何か起きてたな……外れてくれた方が良かったと言えば良かったんだけど」
地上に戻ってくると街が角の生えた人間に襲撃を受けていた。
「さてと、流石にこの状況を無視する訳にはいかないとしてどう介入しようか……この際元の姿で介入すれば良いか」
もう十分目立っちゃってるし。だから姿を変えて活動してた訳だし。
もう元の姿でだったら目立っちゃっても問題ないだろう。
「と言う訳でソフィア。手早く済ませてくる」
幻影を見せる炎を纏うのを止めて、ドラゴニュートの姿に変身して上空に飛び上がる。
街を襲っている角の生えた人間目視で補足して理外を無造作に一閃。
「これで敵の排除は完了っと。いや〜本当に敵からしたらマジで理不尽だよな理外の攻撃って」
最低限理を無視出来る能力じゃなきゃ防ぎようがない不可視の攻撃だからな。
目視出来る敵は全て倒したけどまだ敵が残っている可能性も有るか……
敵は少人数だったみたいだし。多分残っていないと思うけど。
敵は一旦おいといて、けが人の治療もしちゃうか。
再生の炎の雨を街全体に降らせる。
後は地上に降りて対応しようか。
俺の方に兵士が集まって来ているのが見えるし。
「さて。初めまして兵士の皆さん。取り敢えず俺に敵対の意思はない。俺が降らせてる炎の雨だって怪我した人を治療する為に降らせているものだ。それは身をもって体験している筈だ」
装備が大きく損傷しているのに傷1つついてない人が何人かいるし。
その人達は角の生えた人間と戦闘して怪我をしたけど。再生の炎で怪我が治った人達だろう。
「確かに効果は、ここに来るまでに確認できました。だからこそ貴方は何者ですか?街全体に効果を発揮する強力な回復魔法なんて例えドラゴニュートであろうと使えるとは思えません」
「あ〜別に俺はドラゴニュートじゃないよ?人間の街を楽しむのに便利だと思ってこの姿になっているだけで……実際はドラゴンだよ
ちなみにソフィアは見た目通りエルフだよ」
なんかその場の乗りで言っちゃったけど。言ってしまったからには、このまま話を進めるしかない。
兵士達の前でドラゴニュートの姿から龍の姿に変身した。
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