第348話
「あ〜なるほど。高ランクの冒険者で殲滅する感じなのね」
次の日冒険者ギルドに行くと予想通り街の比較的近くの森に作られていたゴブリンの村の殲滅と言う緊急クエストが張り出されていたけど。
クエスト受注にランク制限があって
受注できる最低ランクが今の俺のランクの2つ上だった。
まぁ 、受けられないものは仕方ない。
ダメならダメで普通のクエストを幾つか受注してダンジョンに行こう。
直訴してまで緊急クエストを受けなきゃいけない理由もないし。
ダンジョンが関係するクエストは基本魔物の素材を納品するクエストだ。
偶にダンジョンに入る為の護衛を募集しているクエストとかも存在するみたいだけど。
そう言うクエストはもうちょっと上のランクの冒険者向けのクエストだな。
魔物から手に入る素材を納品するクエストを幾つか受注して冒険者ギルドを後にする。
5階層まで何事も無く進む。近くでポップした魔物を倒す作業をしながら進んでただけだからな。
「ここから魔石以外の素材を回収出来る魔物がポップするようになる訳だな。と言っても洞窟芋虫の肉だっけ?美容品の材料なんだっけ?どうして芋虫型の魔物って美容品の材料になる事が多いの?」
地球のダンジョンで出現する芋虫系の魔物も美容品の材料になった気がする。
出現するのがE国のダンジョンなので頻繁に取りに行った訳じゃないけど。
「本当なんでかしらね?嫌がらせなのかしら?」
女性からしたら虫を使った美容品とか……ってって気持ちと、これを使えば綺麗になるならって気持ちが共存しているんだろうな。
まぁ、6階層から現れる洞窟芋虫の肉は物凄く需要があるよって事だ。
「もう慣れたけど。デカイ虫ってやっぱり。うぁってなるよね」
6階層を歩いていると洞窟芋虫が近くにポップして。
中型犬サイズの芋虫って虫が大丈夫な人だってビビるだろ。
酸性液を吐きかけてくる以外に攻撃手段は無いし動きがゆっくりなので、初心者でも特に苦戦せずに倒せるだろう。
万が一、酸性液に触れたら大惨事だろうけど。
特定のタンパク質を分解する酸らしく触れると大惨事だ。
素材として使えない部分を出来るだけ出さないように傷を小さく一撃で倒す。
「今度は洞窟百足。こいつは外骨格が初心者冒険者の防具の素材として人気なんだっけか」
鉄より耐久度は低いけど。軽いしダンジョンの浅い階層で出現するので、お手頃価格で防具を買うことが出来ると人気らしい。
初心者冒険者だと攻撃力が足りず、節の部分を狙わないと倒せないらしいけど。
エナジーブレードで簡単に斬り裂く。
外骨格はそのまま使う訳じゃなくて1度粉々にするみたいなので、綺麗に倒すとか考える必要が無いのが良い。
それにしても食べれる素材が良かったな。
いや……食べれたとしても虫素材は食べたくないけど。
まだ罠が設置されている事は無いようなのでどんどん進んでいく。
8階層まで進んだところで、外の時間は夕方過ぎ。
タイミングよく魔物がポップしない大部屋にたどり着いたので今日はここまでにして。
ダンジョンで泊まる用で買ったテントを張る。
テントの中で寝るわけじゃ無くてディメンションルームの存在がバレないようにする為に貼るんだけどね。
ダンジョン内で泊まる場合は魔物が出現しない場所で泊まるのは当然。
階層ごとに何ヶ所もある訳じゃないからここにも冒険者が俺とソフィアを除き20人ぐらいいる。
悪い感知に気になる反応は無いし、休憩中の冒険者を狙う盗賊はいないと思う。
絶対では無いけどね。
テントを張って保存食の干し肉を食べる。
ちょっと高めのを買ったから塩の味しかしないとかってほどしょっぱかったりはしないけど。美味しかと言われると微妙。
安いのを買うとカビてる物もあるって話だしこれでもマシなんだろう。
取り敢えず干し肉を食べ終えた後はテントの中に入ってディメンションルーム内に入る。
万が一テントの中に人が入って来ないようにロスにテントの外で見張りをお願いした。
ロスを見てよからぬ事を考える人はいないだろう。
ディメンションルームに入って直ぐに今日手に入れた物をマジックボックスに移していく。
マジックボックスには時間停止機能がついているからな。
洞窟芋虫の肉の鮮度を維持したまま保存出来る。
美容品の材料として使う時は鮮度が重要らしく。
洞窟芋虫の肉を持ち帰る時は先に進まず日帰りで帰るか。何泊かするとしても最終日の帰り際に確保して持ち帰るのが推奨らしい。
収納が終わったらマジックボックスの中に収納してある食材を使ってちゃんとした夜ご飯を作る。
外で干し肉を食べたのは他の冒険者に不審がられないようにする為で、最初からこうするつもりだった。
お腹いっぱいになるまで干し肉だけ食べたら塩分やばそうだし。
そこまで料理が美味いわけじゃ無いけど干し肉食べるだけよりかは美味しい物を作れる。
美味しい干し肉は美味しいけど。味より長期間保存出来る事に重点をおいて作られているものだからな。
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