第386話
「もしもし、河村さん。申し訳ありません。あの後、神の使いである楓さんからも、異世界人が日本に迷いこんだって話をされて、今現場に来てます」
「そうか。もう突っ込まない……それはそうと少し前に街中で突如発砲音がと言う通報が警察にあったんだけど。映司君が関わっている?」
「発砲音?あぁ、もしかして。ええと俺が来た時には既に異世界人が一人死んでたんですよ。もしかしたら、その時に銃が使われたのかも?」
警察がこっちに向かってきているのが異様に早くない?どう言う内容の通報があったんだろう?とちょっと不思議だったけど。
発砲音がしたって言う内容の通報だった訳か。
いや、でかい音がしたって、それが発砲音って分かるもんなのか?一般人が……
いやまぁ、どっちでもいいか。
「一般人の家に銃があるの?って問題も出てくるけど……銃を召喚できるスキルとかを持っているのかな?サッと部屋を見回して見た感じ銃っぽいものはないし。けど。壁に弾痕みたいのは残ってるんですよね」
ここって多分アパートだよね?壁に弾痕っぽいもの残っているけど。
隣の部屋大丈夫かな?流れ弾被害出たりしてない?
「ちなみに発砲したと思われる本人から話は?」
「ゲロ吐いて気絶しちゃってるんで話し聞けないんですよ。多分だけど初めて人殺しをしたショックでだと思います」
まぁ、そうなっちゃうのも仕方がないか……
と言うかそれが正常な反応だろう。
「とりあえず。現場とSCSF本部を繋げるんでこっち来てもらって良いですか?」
それが1番手っ取り早いよな。
警察への事情説明も任せられるし。
さっきからドアをどんどんされて非常に煩いし。
そろそろ蹴破られそう。
理外でワープホールを作って河村さんを現場に案内した。
「さっきからドアが叩かれているのは?」
「通報でかけつけた警察」
そう伝えると河村さんがダッシュで玄関に向かった。
「で、楓さん。ダークエルフの女性は大丈夫そうですか?」
ダークエルフの女性は楓さんが色々と現状の説明をしていたようだけど。
パニックになっている感じは……見た感じは無さそうだ。
「この部屋だけでも見た事ないものだらけですし。薄々異世界と言うことを理解してくれました。まぁ、外に出ればここが異世界だと一瞬で理解してもらえるでしょうが。今外に出たら面倒な事になりますから……ということで、そこの男性と一緒に保護をお願いします」
「まぁ、そうなるだろうなとは思ってましたけど。桃源郷に人を泊めるのもタダじゃないんですよ?」
家に追加で人を泊められるような部屋残ってないし。
保護するとなると桃源郷一択になってしまう。
あのダンジョンログハウスが何軒も建っている場所があるからね。
ただし、利用するにはリーリンさんに代金を払う必要がある。
お金じゃなくて物納でだけど。
「それに関しては稲荷狐が作るお酒を提供しますので、映司様は交渉していただければ」
それなら二つ返事で許可してくれるだろう。
交渉するまでもない。
「それならオッケーです。それで空間の裂け目を破壊しちゃえば良いんですかね?」
「そうですが……今ここで壊すとあの方たちから文句を言われるのでは?」
そう言って楓さんが河村さんや警察の方を指さす。
確かに異世界と繋がる空間の裂け目なんて何か活用方法が有るんじゃないかって考える人は多いだろうな。
「だろうけど。そんなの知らん。実際問題敵対的な異世界人がこの空間の裂け目を通って日本に来ちゃったって前例が有るんだから壊すに限る」
さっきの男たちみたいに弱ければいいけど。
強いやつが出てきたりしたら大問題だからな。
それに通って来るのは人だけとは限らないし。
それに空間の裂け目を利用価値があると残したとして、敵対生物が現れる度に俺が呼ばれるとか絶対嫌だもん。
俺が言ってた異世界と繋がる空間の裂け目はそのまま残っているけど。
向こう側は向こうの世界の創造神が番人を用意して守ってくれてるから向こうから勝手に生き物が来る事はないからな。
ズルくない?って感じもするけど。
空間の裂け目を残すって判断したの俺じゃないしって言い訳をしておく。
と言う訳で空間の裂け目に理外を突き立ててグリグリして破壊してしまう。
「あー!映司くん流石に現場の証拠を破壊するのはダメだって!」
警察と話していた河村さんが焦ってこちらに戻ってきた。
「と言っても河村さん。空間の裂け目から敵対的な生物が出て来る可能性だってありますし。空間の裂け目自体が悪さする可能性だってあるんですよ?」
「そうですね。不安定な空間の裂け目はなんの前触れもなく膨張して周囲諸共消滅事もありますから、出来るだけ早く壊すのが安全です。因みにこれでもいい方ですからね?最悪の場合空間の裂け目を起点に世界と世界がぶつかり合ってどちらの世界も消滅するなんて可能性もありますから」
クレーターだけが残ったみたいな事になる事もあるのか。適当言ったつもりだったんだけど。
結構危ないんだなやっぱり。
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