第387話
「そこまで危険となると破壊するのも仕方ないか……」
「えっ⁉️」
あれ〜最終的には納得してくれるとは思うけど。流石の河村さんでも多少文句を言ってくると思ったんだけど。
納得するのが早すぎてちょっと不気味なんだけど。あ〜もしかして……
楓さんの方を見るとニッコリ微笑んでる。
あぁ確実に何かしてるな。
A国について来た時も、魔法?を使って途中から勝手について来たのに誰も不思議に思われないようにしてたからな。
まぁ、楽に済むのは良いんだけどさ。
そう言えばゲロ吐いて気絶してた男性もいつの間にか綺麗になっている。
これなら直ぐに帰れると言いたいところだけど。流石に帰るのは無理だよな。
後片付けを手伝ったり、異世界ダークエルフの事情聴取に同席していると。気絶していた男性が目を覚ました。
「えーっと夢じゃなかった?」
「夢じゃないね〜まぁ、命を懸けた価値はあったと思いますよ?」
「命を懸けた価値ですか?」
「うーんまぁ、直ぐに分かるんじゃないですかね?あぁそうそう、異世界人を射殺したのは、異世界ダークエルフさんの証言から正当防衛って事になったから罪には問われません。死体が使ってた武器に血がベッタリ付いてましたし」
異世界ダークエルフはこの男性にだいぶ恩を感じてるみたいだからね。
男性からしたら、パニック状態でそんな事考える余裕なんて無かったかも知れないけど。
異世界ダークエルフからしたら男性が私を助けてくれたと思っているみたい。
スキルで怪我を治してくれたとも言っていたし。実際、助けているのか。
それにしてもエルフとかダークエルフって美形しか存在しないのかね?
ソフィアには遠く及ばないけど。異世界ダークエルフも中々の美形だ。
「……そうですか」
あ〜正当防衛云々の話は、もうちょっと後で伝えた方が良かったかな。
トラウマになっててもおかしくないもんな。
最低限どんなスキルを使ったのか聞かなきゃいけないから、話さない訳にはいかないか。
この男性を癒すのは……異世界ダークエルフに任せよう。
男より美女と話した方が嫌なことを忘れられるだろう。
と言っても今すぐにとはいかないけど。
と言うかなんで俺が男性から話聞いてるの?
こう言うの河村さんか警察の人がするんじゃないの?
なんかSCSF隊員とか警察官って肩書きは威圧感を与えて男性がパニックをおこす可能性があるとか言ってたけど。
俺が話聞くのも訳分からな過ぎない?
それに忘れがちだけど俺だって一応SCSF所属だよね?
なんだったら異世界ダークエルフの事情聴取はあなた達がしましたよね?
異世界ダークエルフに比べて男性の方が現在精神的に不安定な可能性が高いからってのもあるのかも知れないけどさ…
「あ〜それでなんですけど。襲って来た異世界人に使ったスキルについて話して貰えると助かるのですが。お願い出来ませんか?」
楓さんあたりは聞かなくとも把握してるんだろうけど。本人から聞くことに意義があるからな。
「えーっと〈自宅警備員〉っていう回復出来たり銃火器を召喚出来るスキルです。後、自宅の耐久度を上昇させたり出来るみたいです。後、回復能力とか銃火器の火力は自宅以外の場所では低下します」
自宅警備員ってニートの事じゃないの?なんでホントに警備員になってるの?
しかも滅茶苦茶武闘派だし。
警備員と言うか兵士だよね。
まぁ、スキルに関して突っ込むのは今更だな。
〈主婦〉とか〈メイド〉とかも大概だし。
〈メイド〉とか戦闘スキルが統合されているし。実際のメイドさんは戦わないだろう。
それにしても自宅防衛には凄い力を発揮するスキルだな。自宅以外では効果が下がってしまうと言う特性上〈自宅警備員〉のスキルしか持ってないならレベル上げが大変そうではあるけど。スキルが無くても倒せる魔物はいる。大変だけど無理では無い。
うーん、例えばだけど。スタンピードが発生した時の避難所に設定されている建物にこの男性を住ませれば、そこが男性の自宅って事になってスタンピード発生時の防衛戦力として凄く役に立つんじゃない?
流石に鬼畜か……
レベルを上げると実際に自宅じゃなくても、自宅だと自分が思うだけで建物ならどこでも〈自宅警備員〉の効果を最大限使う事が出来るようになる事に期待するか。
「それで銃火器を召喚して抵抗した訳ですね。正直に話してくれてありがとうございます。あ〜凄い今更なんですが。自己紹介がまだでしたね。俺の名前は新藤映司。龍王っていうあだ名?2つ名?の方が有名かもしれないですけど」
名前を聞くのをすっかり忘れてた。
「古池 鉄郎です。26歳フリーターです」
「古池さんですね。取り敢えずこの後の話なんですが。異世界からやって来たダークエルフさんが日本で生活する事を希望していて、日本政府としても、日本の法律に従って生活するのなら問題ないと言う判断なんですが……その法律を教えるのを古池さんにお願いしたいんです」
ただ、ほとぼりが冷めるまで桃源郷で暮らしてくださいって言うより、こう言った方が受け入れてくれるかなと思ったけど、どうかな?
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