第58話
「自宅待機じゃなかったの?」
「河村さんからはダンジョンには入らないでくれって言われただけだから、それにC国なら食べ物に毒を盛るぐらいしそうって言ったら。確かにって納得してくれたじゃん」
「だって他国の首都であんなことやらかす連中よ?そのぐらいやって来ても驚かないわ」
「だから、あっちで食べれるものを買いに来てるんじゃん」
持ってるマジックバッグに時間停止機能がついていれば母に料理を作ってもらって持っていくんだけど。時間停止機能や時間が遅くなる機能はついてないからな〜
食べ物は保存食を飲み物はペットボトルをほどほどに買い込む。
俺が突然日持ちのする食糧を買い漁ると、何か起きるのか!?と考えすぎる人も出て来てしまうから買いすぎない程度に買い込む。
ついでに頼まれた昼ごはんと夜ご飯の材料も買っていく。
なんと言うか外を歩いていると一挙手一投足全ての動作を観察されてるような気分だ。
やっぱり有名になるもんじゃないな。
買い物を手早く終わらせて急いで家に帰る。
家に帰ってソフィアと格ゲーをしていると河村さんから電話がかかってくる。
「はい、もしもし」
「C国に向かう人員と日程が決定した。と言うか今からなんだけど大丈夫?」
早くても明日だと思ってたけど。急だな〜
まぁ、面倒ごとは先に片付けるに限るしさっさと異常種を倒しちゃうか。
「分かりました。迎えには来てくれるんですよね?」
「勿論、いつも通り私が迎えに行く」
「了解です。なら準備して待ってます」
そう言って電話を切る。
「と言う訳で今から行くことになりました」
そう言えば俺パスポートなんて持ってないけど出国出来るのかな?
政府ができるように色々手を回してくれてるだろう。
出来なかったらこの話は無かったことになるわけだし。
「私は家で待ってることしかできないけど。気をつけてね」
今回の件にソフィアが関わってしまうとこの話にE国まで関わることになっちゃうからね。
「地形破壊とか気にせずやるつもりだし。苦戦せずに倒せるはずだよ。と言ってもC国からの情報が報道されてる見た目だけってのがふざけてるよな」
倒して欲しいならもっと詳しい情報を寄越せって話だ。
連中、俺と異常種が共倒れになることを狙ってるだろ?
なのでどす黒いスライムと言う情報以外なかったりする。
無機物、有機物全てを飲み込み吸収してドンドン大きくなっているようだ。
テレビごしに鑑定出来ないのか?と父に聞いてみたけど。生放送などでないと画面越しで鑑定は出来ないらしい。
とりあえず。直接触れるのは絶対危険なので遠距離からブレスなどで攻撃して削ることになるだろう。
「C国にそう言う対応を求めても無駄でしょ?映司は異常種を倒した直後を狙った暗殺とかに注意しなきゃダメよ」
せめて助けられてるんだからそう言うのは無しにして欲しいけど。
そう言う訳には行かないだろうな。
30分程でいつもの黒塗りのバンが到着したので河村さんと合流する。
「このふたりが映司くんと一緒にC国に行くメンバーになる。飛行機とかで向かうんじゃなくて龍になった映司くんの手にのってC国にって話になってるんだけど大丈夫?」
そっちの方が俺は楽だから良いけど。同行する2人は地獄を味わうことになるんじゃないか?
「俺は大丈夫ですけど。2人は大丈夫なんですか?風とかすごいと思いますよ?」
「それに関しては風魔くんがどうにかする予定だ」
「風魔慶次と言います。今回は表向きには通訳。本来の目的はC国の悪事の証拠を集める諜報員として同行させて頂きます。私が〈エアドーム〉と言う風魔法を使って風を防ぐ予定です」
半円状の風の結界を張る魔法らしい。
確かにそれなら向かい風を防げるかも。
試して見ないと分からないけど。
「私は田原 望。何か起きた時の交渉役です。私は一切戦闘が出来ないので護衛よろしくお願いします」
もう1人の女性は交渉役らしい。そう言人がいるとC国がなんか言ってきた時に助かる。
「とりあえず。おふたりには竜牙兵を使役できる魔導具を1つづつ渡しておきますね」
これで最低限自分の身を守ることができるだろう。
「竜牙兵ってあの龍王軍の?」
「そうです 。龍王軍のアレです。BPが1000しかないので複数人に囲まれてタコ殴りにされると倒されてしまいますので、使うタイミングは気をつけてください」
もう、龍王呼びが完全に定着してるよね。
下位龍が龍王ってだいぶ違和感あるけど。
進化したりするのかな?
俺が魔物だったら進化できるんだろうけど。
一応、火龍のドラゴニアンって言う人種だから進化するのかは分からないよな。
人種もハイ○○、エンシャント○○みたいに進化する話もあるし、可能性が無いわけじゃなさそう。
風魔さんと田原さんとC国についてからの話をしていると空港に到着する。
いくらどこからでも飛んでいけると言っても出国する時は空港からと言うことらしい。
飛行機に乗らないのに出国ゲートをくぐって滑走路に向かう。
滑走路で龍の姿になって2人を手の上に乗せる。
風魔さんのエアドームで向かい風の対処ができるか軽く飛んで大丈夫そうだったので、本格的な飛行を開始してC国に向かった。
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