第279話

「何時しかのマンモスの群れか」


うーん毛皮とか牙がドロップしたら嬉しいかな。


肉は……手に入ったら嬉しいかなぐらいかな。

マンモスの肉、味は気になるけど。

これ以上肉はいらない。


毛皮は分からないけど。象牙とか人気だし、牙がドロップしたらいい値段で売れるんじゃないかな。

美術品としての価値以前に優秀な素材として高値で買い取ってくれるとは思うけど。


マンモスとの戦闘は特に何事もなく終了する。


「なんと言うかこれもある意味物欲センサーか……」


マンモス達がドロップしたのは巨大なマンガ肉だった。しかも複数。


うーん、また肉が増えた。

マンモスの肉を食べると一時的に寒冷耐性がつくらしいから、便利なバフアイテムではあるんだけどね。


「マンガ肉…ロマンのある見た目だけど、サイズ的に考えてこのままの見た目で焼いて食べるって無理じゃないかな」


中心までしっかりと火を通すとなると、どれだけ時間がかかるのか見当もつかないし。

だったら小さく切り分けて焼いた方が美味しく食べれる気がする。


「丁度いい感じに中心に棒が有るんだし。ケバブ見たいに調理して食べるのはどう?」


確かに肉の中心に骨が有るし、ケバブ見たいな調理方法なら美味しく食べれちゃったりするのかな?


いや待て、ケバブって1つの大きな塊じゃなくて、スライスされた肉を何枚も重ね合わせて大きな塊にするんじゃなかったっけ?


そもそもケバブって何処かの国の言葉で焼肉の総称だって話をテレビでやってた気がする。


と言ってもまぁ、ケバブと言われて想像するのは長い鉄の串に刺されてぐるぐる回っている肉の塊だけど。


「まぁ、そこら辺は実際に料理する母に決めて貰おう」


料理する人がコレと思った調理方をするのが一番だろう。


「それもそうね。それはそうと次の魔物が来る前に帰りましょう。せっかく温泉に入ってサッパリしたのに魔物と戦闘して汗をかきたくないし」


「ソフィアの言うとりだ。フィロは自分で帰って来れるだろうし、先に帰ろう」


理外を使い家と繋がるワープホールを作り出す。

ソフィアが通って家に帰ったらワープホールを消滅させる。


俺は桜島ダンジョン一層目に繋がるワープホールを作り出して、一階層目に移動して正規の方法でダンジョンから脱出する。


入口を警備している隊員に冒険者ライセンスを見せて、機械に触れさせてダンジョンから出ましたよと言う記録を残す。


その後、フィロがダンジョンマスターになったと報告をしてから理外を使って家に転移した。

面倒だけど、形だけでも法律は破っていませんよアピールをしておかないと。



家に帰って来たら先ず、河村さんに桜島ダンジョンのダンジョンマスターがフィロになったという内容の電話をする。


桜島ダンジョンの入口を警備する隊員から連絡が行くとは思うけど。こっちからも連絡はしておかないとね。


「桜島ダンジョンでスタンピードが発生する事が無くなったのは良い報告だね。あ〜それと、A国でのパワーアーマーのお披露目会が予定通り行われるとA国から土御門総理に連絡があったらしい。土御門総理は日本を離れる事は難しいと言う事で出席を辞退するようだけど。映司君はどうする」


どうする?とは聞いているけど、実際には出席してくれってことだよね?


「まぁ、出席しますよ。パワーアーマー気になりますしね」


わざわざお披露目会を予定通りやるって事は、スタンピードは無事終息したし。

パワーアーマーが、それに活躍したって事だろう?


じゃなきゃ、お披露目会なんてできないだろうし。



「それなら、予定通り政府専用機でA国に向かうことになるから、そのつもりで」


「了解です。それじゃ失礼します」


今現在これ以上報告する事は無いので電話を終了する。


「これで今やらなきゃ行けない事は終了」


ーーーーー


「魔力抜きは私がやって肉を焼くのは映司がやる、それが一番いいと思うわ」


母にマンモスがドロップしたマンガ肉を見せたら、そう言われた。

ワイバーンの肉があるし今すぐ調理するつもりは無かったけど。

彩夏が『マンガ肉食べたい!って』言ったので調理する事になった。


「それにしても俺が焼くの?」


「映司って火で炙らなくたって温度を自由に操れるんでしょ?ならマンガ肉の温度を映司が細かく調節すれば、美味しいマンガ肉を焼けると思うの」


成程。考えたこと無かったけど。俺が憤怒の王でマンガ肉の温度を上げた場合、マンガ肉全体の温度を一定にしてマンガ肉の中心も外側も同時に焼くことが出来る。


温度も細かく調整できるしね。


「それじゃ、それでやって見ようか。でも、温度の指示をちゃんとしてよ?」


「主婦スキルのおかげで、調味料の入れる量とか焼き具合とか、これぐらいがちょうど良いかなって直感的に分かるようになってきたから、その直感に従って指示をだすから心配しないで」


ほんとスキルってなんでも出来るな。

最初は、そこまでは出来なかった筈だけど。

スキルの熟練度が上がって出来る事が増えたってことか。


マンガ肉の骨の部分を片手で持ってマンガ肉を持ち上げた状態で憤怒の王を使ってマンガ肉の温度を上昇させた。



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読んでいただきありがとうございます。

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