第278話

「耐えられない訳じゃ無いですが。暑いですね」


まぁ、溶岩湖の上に浮かぶ足場の上にいるんだから暑いのは当然だな。


「それじゃ、サッサとダンジョンマスターのところに転移しよう」


正規の方法でダンジョンに入ったから一階層目にいるだけで、転移を使えばダンジョンマスターの目の前まで一瞬だしな。


ダンジョンに入り口から入ったって記録を残してからじゃないと、フィロにダンジョンマスターになって貰いましたって説明した時に面倒だし。


「ソフィア様はお呼びしなくて良いんですか?」


「ソフィアを呼ぶのはフィロがダンジョンマスターになった後で問題ないから先ずは今のダンジョンマスターを倒す」


ソフィアはダンジョンで魔物と戦うと言うか桜島ダンジョンの温泉池の泥の採集が目的だからな。

なので呼ぶのはダンジョンマスターを倒してからで良い。


「それよりこのダンジョンは以前異常種をダンジョンマスターにしてたから、油断はしないように」


生みの親とも言えるダンジョンすら取り込んで強くなろうとする魔物だから異常種と呼ばれているのに、どんな手段を使ったのか大人しくダンジョンマスターをさせてたんだよな。


理外を使ってダンジョンマスターが待ち構える空間に転移する。


「ファイブヘッドワイバーンか、流石にまたダンジョンマスターが異常種って事は無かったか」


それにしてもファイブヘッドワイバーン……

F・H・Wかぁ


「まぁ、フィロの敵じゃないな。やっちゃえフィロ」


「承知致しました」


地面から蔦が生えて来てF・H・Wに絡みつき拘束する。


弱い魔物だったら、このまま圧殺出来るんだけど流石にF・H・W相手だと動きを止めるのが精一杯のようだ。


まぁ、元から蔦だけで殺せると思って無かったフィロは次の攻撃の準備をしている。


フィロは陽光エネルギーを利用したレーザーブレスを放つ。


レーザーブレスはF・H・Wを簡単に貫く。


レーザーブレス一発で蔦から逃れようと暴れていたF・H・Wは動かなくなった。


「新藤様、無事ダンジョンマスターになる事が出来ました」


まぁ、ここまで圧倒的にダンジョンマスターを倒せばダンジョンのお眼鏡に叶って当然だろう。


「よし。それじゃ早速スタンピードが発生しないように設定してくれ」


それがフィロにダンジョンマスターになって貰った目的だからな。


「お任せ下さい」


これで、桜島ダンジョンでスタンピードが起こる事を心配する必要が無くなったな。


他のダンジョンについては……新しい中級以上のダンジョンが出てきた時のために一旦保留だな。


「新藤様、1つお願いが有るのですが。このダンジョンに畑を作っても良いでしょうか」


ダンジョンならリソースを消費して土壌を回復させる事が出来るからな。


「当然。フィロがダンジョンマスターなんだから、好きに作ってくれ」


「ありがとうございます」


と言ってもこのダンジョンで畑を作るとなると新しい階層を増やす必要がありそうだし、その分大量のリソースを消費する事になる。

そう考えると直ぐに用意するのは難しいかな。


俺がダンジョンにいる時はリソースが溜まる様に理外をマジックバッグにしまっておこうか。


理外は装備していると余剰魔力を溜め込んでくれる能力が有るからな。

魔力タンクとして非常に有能な機能では有るけど。


ダンジョンはダンジョンの中にいる生き物の余剰魔力を吸収してリソースに変換しているからな。

勿論、リソースの入手法はこれ一つでは無いけど。

フィロの畑を桜島ダンジョンに作る為にリソースは有ればある程良いからな。

なんならリソースに変換する為に炎の結晶をダンジョンに吸収させるか。


適当な数炎の結晶を作り出してダンジョンに吸収させる。


ダンジョンに畑を作る為に色々作業を始めたフィロと別れて、ソフィアを迎えに一度家に帰る。


「ただいま。無事、フィロがダンジョンマスターになったから迎えに来たよ」


「心配してなかったけど。無事に終わって良かったわ。それじゃあ温泉池の泥を採りに行きましょう」


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「あ〜疲れが外に流れ出ていく感じ」



泥の採集を終わらせて、そのまま帰るのは勿体ないので温泉池に使って疲れを癒す。


「それに複数人で伸び伸び入れるのも良いわね。映司と一緒に入れるし」


「まぁ、家のお風呂は日本に一般的なサイズのお風呂だしね」


新しい家を建てる時はお風呂場を少し大きめにするのも良いかもしれない。

1人で入る時だって広くてのびのび出来るお風呂の方が良いし。大きすぎると掃除が大変だけど。


「さてと、そろそろ上がろう。魔物の反応も近づいて来てるし」


温泉池周辺は魔物が少な目見たいだけど、ゼロでは無い見たいだからな。


お風呂から上がって体を拭いて、魔力で服を作る。

魔力で服を作れるのこう言う時にも便利だよね。


「映司が周囲の気温を上げてくれてるから良いけど。それが無かったら温泉から上がった後が地獄よね」


吹雪いてる雪原だからね。温泉池がある分若干気温は上がっている見たいだけど。

全然寒いし。湯冷めするってレベルじゃない。


「運動するのに丁度良い相手も近づいて来てるし、最後に魔物を倒して家に帰りますか」




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読んでいただきありがとうございます。



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