第104話
ちゃんと許可をとって終わりって言ったらちゃんと止めるそれを守るなら魔力を吸わせてあげると言うと、
いやーお兄さんは話がわかると言う感じで擦り寄ってきた。
なんかこいつ凄いお調子者の雰囲気がする。
ソフィアも呆れたと言う視線を猫に向ける。
「そう言えばお前の名前はウィーでいいのか?」
「にゃぁ」
「まぁ、ウィーはこのまま放置で良いとして。ソフィアにスキルの書あげるからスキルを習得して」
そう言って〈火魔法〉〈風魔法〉〈水魔法〉
〈地魔法〉〈魔力障壁〉〈魔力回復速度上昇〉〈多重詠唱〉合わせて7つのスキルの書を渡して習得してもらった。
属性魔法に関しては氷魔法があれば充分だったかもしれないけど。
相手の弱点属性の魔法を使った方が良いと思うし覚えて貰った。
今回の本題は〈魔力障壁〉と〈多重詠唱〉
魔力障壁は魔力を消費して結界を張れる魔法。
多重詠唱は普通は1個の火球を飛ばすファイアーボールを2個3個と複数の火球を生み出せるようになるスキルだ。
当然ファイアーボール以外の魔法にも使える。
「ダブルアイスジャベリン」
ソフィアが杖を掲げて魔法名を詠唱すると氷で出来た投げやりが2つダンジョンの地面に飛んで行く。
「しっかり使えてるみたいだね」
「数を増やせるようになったのは良いけど。その分魔力の消費は上がるから気をつけ無いとすぐに魔力切れになっちゃうわ」
そりゃそうか。
そこは上手く考えながら使ってもらうしかないな。水を魔力回復ポーションに変換してくれる水差しもあるし。毎戦闘後回復すればなんとかなると思うけど。
「この水差しはソフィアが持ってて」
回復ポーションに変換する方の水差しは政府にレンタルする用にストックしとかなきゃだけど。魔力回復ポーションに変換する方はこっちで使わせて貰おう。
燃料の魔石はソフィアでも集められるし水魔法も使えるから。水の確保もどこでもできる。
河村さんから電話がかかってきてるかもしれないし。
そろそろダンジョンを出るか。
ダンジョンの中にいても通じる連絡手段があれば良いのに。
闘技場の報酬でも1度もそう言うアイテム手に入ってないんだよね。
「すっげー着信入ってるじゃん」
どう考えても何か問題が起きたか。
折り返し連絡しようと思ったら河村さんから連絡が来る。
「ようやく繋がった!緊急事態だ。八咫鏡がC国が核を日本に向けて発射する未来を映し出した」
そりゃ焦るわな。と言っても核ミサイルってどうにかできる物かな?
破壊するのは簡単だろうけど。破壊したら破壊した周辺が汚染されちゃうだろうし。
発射する前にC国のミサイル発車場施設を強襲するのだって、難しい。
だって「八咫鏡がC国が核ミサイルを日本に向けて発射する未来を映し出したから襲撃した」なんて馬鹿正直に言っても正気を疑われるだけだろうし。
さてどうしたものか……出来るだけC国周辺で破壊するか?
それはそれで日本よりC国の近い位置にある国から文句言われそうだな。
最良は核を撃たせないことなんだろうけど。
「因みにそれ、いつの事なのかまで分かります」
八咫鏡の予知は何時起きるのかわかるものと分からないものがあるらしいし。
「……10分後」
「10分後?」
「そう、10分後」
もうちょっと早く予知してよ八咫鏡。
いや数時間前には予知されてたか。
だからこそ俺にめっちゃ連絡が来てたわけだし。
それでも、もうちょっと早く予知して?って思うけど。
せめて1週間前とか。
「そんなこと考えてる場合じゃないか」
「発射は潜水艦からされるらしく時間があったとしても事前に止めるのは難しい」
本気で厄介だな。
発射されるのは日本海。時間も無いし。急いで飛んで行くか。
海面から顔を出した瞬間破壊、これしかないだろう。
「映司、これを持って行け。容量1万トンで時間停止機能がついている私からしてもレア物の腕輪型マジックバッグだ」
何それ。俺が使ってるマジックバッグが実はマジックバッグじゃなかった?って思っちゃうぐらい凄い性能してるじゃん。
容量1万トン、時間停止機能付きで腕輪型なら俺が核ミサイルに触れるだけで収納できる。
これなら地球を汚染させずに核ミサイルを無効化できる。
「使ったらちゃんと返せよ?さっきも言うがそれは私からしてもレア物なんだから」
「それは当然、貸してくれるだけで充分です」
ほんとリーリンさんと友好的になっておいて良かった。
「核ミサイルを発射する潜水艦は私が鹵獲しておく。英司は核ミサイルの無効化だけを考えればいい」
もうリーリンさん1人で充分じゃん。
そう言えば、リーリンさんと最低でも同レベル。もしかしたらリーリンさんより強いかもしれない太古から生きるダンジョンマスターが京都にいるんだよな。
恐らく酒呑童子だと思うけど……
この状況をどんな気持ちで見てるんだろう?
っと核ミサイルの無力化だけを考えろって言われたばっかりじゃん。
もう時間も5分しか無い。急いで日本海に向かった。
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