第128話

「ということでヴァンパイアの少女が目覚めたんで会って話してきました。精神的には、まぁ落ち着いているかな?って感じでしたね。と言ってもあんな出来事があったことを考えるとって事なので気をつけないと爆発する可能性があるかなって思ってます」


ダンジョンの中でだとE国の人たちにこの話を聞かれる可能性があったので、ダンジョンの中で色々仕事をしていた河村さんを連れて家に戻り、ヴァンパイアっ娘についての報告を始めた。



「となると直ぐに接触するのは避けた方が良さそうかな。少女のためにも八咫鏡を使いたいんだけど」


八咫鏡は未来を映すだけじゃくて、嘘発見器にもなるんだっけ?


ヴァンパイアっ娘に八咫鏡の前で人間に敵対する気は無いとかそんな感じの質問をして、そんなつもりないと答えて嘘じゃないと証明出来れば、少なくとも三種の神器の効果を知っている一部の人達にから信用は得られるか。


三種の神器の効果が知られると、奪おうと狙われる可能性があるので大っぴらにすることは出来ないけど。


三種の神器の存在自体は有名だし、なにかすごい効果があるんじゃ?って予想しているネット掲示板はチラホラあったけどね。


「必要だとはいえ三種の神器の使用許可が出たんですか?」


効果は教えられても実際に見せてもらったことは無かったのに、個人のために効果を使う許可が降りたの?


「まぁ、全ては映司くんがいるからこの一言に尽きるけど。使用許可が降りた。草薙剣の強化アイテムの話もあったでしょ?天皇陛下がそれを受け取るか受け取らないか映司くんと直接話して決めたいと言っていてね。その時に三種の神器の保管場所に映司くんを連れていくことになる。だったらヴァンパイアの少女もその時に連れていけばいいと言うことになった」


八咫鏡と草薙剣の安置場所は同じ場所じゃないはずだからついでにとはいかないはずなんだけど…

使わせて貰えると言うなら有難く使わせてもらうか。


天皇陛下と会うことは確定か…


一応権力は一切持たない国の象徴的存在だから多少の粗相があったからって、なにか起こる訳では無いけど、やっぱり緊張するな。


ちなみに多少の粗相って緊張して躓いたりとか、返事どもったりとかそのレベルだからね?

突然、天皇陛下を殴るとかタメ口で話すとかそれは当然、多少の粗相ではない。

いきなり殴るとか普通に犯罪だし。


何となく俺ならそのぐらいやりそうって思われてる気がしたので、念の為、言っておく。


と言ってもE国の王族を新しい戦術の実験台にするような奴なので、信用は無いかもしれない。


確かに相手の態度によっては普通に殴り掛かるだろうし。


テレビで見る感じからして天皇陛下は悪い人じゃないと思うけど、他の人はよく知らないし。

皇后陛下も悪い人じゃなさそうな感じだったな。


この2人と話をする分には問題ないだろう。


天皇家の事は皇室っていうんだっけ?皇室の中に権力欲の強いひとがいないとも限らない


そんな人物からしたら三種の神器なんてまさに最高のアイテムだろうな。


本当にただ話を終わりとはいかにだろうな。


とは言え須佐之男との約束もあるし、天皇陛下のところに行かない訳にはいかないか。


後から皇室の人間が三種の神器を持って従わないものは敵とみなすと暴れだしましたとかなったら困るし。


今回、俺が草薙剣の強化アイテムをもって釣り餌になることで、そう言う連中を事前に排除出来るかもな。


そんなに 上手くいくかは分からないけど。


スキルを手に入れて力を手にしたことで短絡的な行動にでる人がすごい多いから、割と簡単に釣り上げられるかもね。


力を手に入れると人は変わってしまうってのはまさにその通りだな。



「まぁ、様子を見てなるべく早くこの事を話しておきます。あちらとしてはなるべく早い方が良いんでしょう?」


政府としても強力な武器がさらに強力になるなら早くしたいだろうしな。

今の時代どれだけ戦力があっても充分ということは無いだろうし。


「日本での被害をどれだけ減らせるかがかかっているようなものだから、無理をしない程度に急いで欲しい」


本当は今すぐにって言いたいんだろうけど、さすがにそう言ったりしないか。


と言っても、ヴァンパイアっ娘に話をする以前に俺の予定も色々詰まってるし、今後突発的に増えていく可能性大だから、直ぐにってのは無理だろうな。


母さんに頼んでおいたヴァンパイアっ娘に持っていくための料理が完成したようなので、話を切り上げて、料理を持ってダンジョンに戻る。


「そういえばヴァンパイアって普通の食事も食べるの?」


「普通の食事も効果はあるぞ。ただ、定期的に血を摂取する必要はあるが」


やっぱり血の確保も必要か。


「前みたいに俺の血を飲ませればいい?」


「ヴァンパイアからしたら龍の血は麻薬みたいなものだから、非常時以外やらない方がいいと思うぞ」


麻薬ってなんか嫌な例えだな。

でも、俺の血は上げない方が良いとなると確保手段を真剣に考える必要があるな。


「ここら辺に適当に魔兎でも出現するようにして、血のドロップ率を上げとけばいいだろう。500羽ぐらい倒せばポーション瓶に入った血がドロップするぐらいの確率までしか上げられないが。魔兎は弱い魔物で数を出現するように設定しても、ほとんどリソースを消費しないし。数を倒せば問題ないだろう」


ドロップするまで倒せば確率は100%ですってことか。


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読んで頂きありがとうございます。



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