第404話
「で、自分が呼ばれたって事ですか」
「秀明さんのスキル〈RPG〉にはゲームみたいなマップを表示する能力もあるって言ってましたよね?それが有れば。マグロを探すのも簡単かなと思って」
ゲームの出てくるようなマップって敵味方中立って分類されてマップ上に人を含め生物が表示されたりするじゃん?
なら、秀明さんのマップも同じこと出来てそうじゃん。
そんなマップが使える秀明さんがいればウィーがいなくても那覇ダンジョンで簡単にマグロを捕まえる事ができるんじゃないかと考えている。
ソフィアがつけてる俺が作ったアンクレットに宿るかたちでヴァルムがついているけど。
回復特化だからなヴァルムの能力は。
戦闘出来ない訳じゃないけどウィーに比べて戦闘力は低い
「まぁ、ここまで凄い助けて貰ったし。そのぐらいお易い御用では有りますけど……俺、息継ぎ無しで長時間水中にいるのは無理ですよ?」
「秀明さんのマップ頼りに空を飛んでマグロを探すので問題ないですよ」
海上からでも調べる方法があるならその方が早いからな。
「なるほど。あっそうだ。1つお願いが有るんですけど。妻たちも沖縄に連れて行って良いですか?」
「秀明さんの奥さんたちに関してはSCSFの所属になっていますし。沖縄に連れて行くのは大丈夫ですけど。ダンジョン内に連れて行くのは無理ですよ?」
「それは大丈夫です。デートをしたいだけなので」
成程。そう言うことか。
「それなら良いですけど。那覇ダンジョンでの要件を終わらせてから奥さんたちは改めて沖縄に連れていくって感じでいいですか?
俺たちがダンジョンに入っている間、自由に行動させるとなにかに巻き込まれる可能性もありますし」
秀明さんの奥さんたちはレベルやスキル、魔物にダンジョンが存在する世界で何十年。人によっては何百年生きてきた人達だ。
地球は同じような状況になってからまだ数ヶ月しか経っていない。
こういう言い方はあれだけど年季が違う。
なにかに巻き込まれたとしても返り討ちにできるだろう。
だとしても騒ぎを起こすだけで面倒なことになるからな。
異世界人は危険な存在だって思想の人が声を大にして騒ぎ出すだろう。
まぁ、色々な思惑があってだろうけど。
本当に異世界人が危険と思っていないけど。目的のためにそんなことを言っている連中に加担している連中もいるだろうし。
本来なら、外に出ること事態止めて欲しいけど。
まぁ、秀明さんは幻覚系の能力を使って姿を変えたりできるので、秀明さんがいるなら問題ないと言うことにしている。
全てダメってのはストレス溜まっちゃって予想外の行動をとってしまう可能性も有るからね。
「少し面倒をかけることになってしまいますが、それでお願いします」
秀明さんの了承が取れたので早速那覇ダンジョンの目の前に転移する。
秀明さんはSCSF所属になったからライセンスの発行が優先的に進められたから既にライセンスを持っているので、正面から堂々とダンジョンに入れる。
「ダンジョン内で釣りをしている人達がいるんですね」
秀明さんが波打ち際で釣りをしている人たちを興味深そうに見ている。
「砂浜には魔物が出現しないらしくて釣りポイントとしてそこそこ人気らしいですよ」
結構釣れやすいみたいだからね。
まぁ、釣りしている人の邪魔をする理由もないので少し離れた場所で龍の姿になって秀明さんを手の上に乗せて沖?ダンジョンの奥に向かって飛んで行く。
「俺のマップでは生物も表示されますけど。マグロだけを狙い撃ちみたいな事は出来ないので手当り次第って感じにはなっちゃうけど、どう周ります?」
「前回見つけた時は1匹だけで、ダンジョン内を泳ぎ回っている感じだったから。中立の反応で1匹、ダンジョンをずっと泳ぎ回っている。そんな感じの反応に向かっていけばマグロに辿りつけると思うんですよ」
生物がマップに表示される時は
友好、中立、敵対でそれぞれ色が違う丸として表示される。
なので、種族までマップを見ただけで判断することが出来ない。
なので動きや群れているか等そう言った情報を元に推理する必要がある。
何度かハズレを引いたけど。5回目でクロマグロを発見することが出来た。
できるだけ食材としての質を下げないないように最小の傷で一撃で倒す。
血抜きをしてから、ディメンションルームにしてあるマジックボックスに収納した。
これで鮮度を保ったままバステト神に渡すことができる。
バステト神へのお土産分の確保は完了したけど。せっかく来たなら自分たちで食べる分も欲しい。
と、思ったが。それらしき反応に向かってもクロマグロと遭遇することが出来なかった。
カジキマグロとか他の美味しそうな魚は手に入ったから成果ゼロって訳ではないけど。
クロマグロの出現数はかなり少ないようだ。
あそこまででかいサイズのクロマグロが少ないだけで、もっと小さいサイズが複数で泳いでたり、別のマグロがいたりする可能性は有るけど。
これ以上探して秀明さん達のデートの時間を減らす訳にはいかないからな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます