第256話
「時間的には一時間しか寝てないけど。体調は大分良くなったかな」
ケツァルコアトルの復活で力を消耗したけど。少し寝たことで多少は調子が戻ってきた。
本調子には程遠いけど。
まぁ、ケツァルコアトルを復活させたおかげで、ソフィアが種族進化出来たし。
これだけでも復活させて良かった。
まぁ、ケツァルコアトルからも何かしら報酬を用意してもらうつもりだけど。
それはケツァルコアトルが完全復活してからだな。
そっちの方が豪華なものを用意してくれるだろうし。
それにしても、ケツァルコアトルは自身の復活を俺に任せて良かったのかな?
多分だけど、ケツァルコアトルって風属性の龍だよね?
いや、龍っぽい姿をしているだけで龍に似た別の何かって可能性も有るか。
兎に角、結晶化したあばら骨だって綺麗な緑をしてたし、風属性を司る何かって事だと思うんだけど。
俺の絶炎を取り込んだことで火属性要素を取り込んじゃっているよね?
それってケツァルコアトルが弱体化する事になったりしない?
「問題ない問題ない。そもそも私一属性に偏った神じゃないし」
当然のように目の前に現れたな。
地球のアナウンスの内容からして、また1パーセントの力しか復活して無いはずなのに……
ケツァルコアトルレベルなら1パーセントの力でもこの程度余裕と言うことか。
「一属性に偏った神じゃないと言うのは?」
「私は水や農耕に関わる蛇神であり、人々に文明を授けた文明神で、人類に火をもたらした神でもある。ついでに風を司っていたり、太陽神だったり金星の神だったりもする。どうだ、属性てんこ盛りだろう?」
てんこ盛り過ぎるな。それに人類に火をもたらした神だって言うなら、絶炎を取り込んだところで何か変化が起きる心配もないだろう。太陽神でも有るみたいだし尚更心配いらない。
なんと言うか属性盛りすぎじゃない?
でも、ケツァルコアトルを初めとした創造神レベルの存在になるとこのぐらいが普通なのかな?
「問題ないなら、それで良いや。ケツァルコアトルがそれだけ巫山戯た存在だってことで納得しておく。それと土御門家との話し合いはどうなったの?」
無理やり押し付けて帰って来ちゃったけど。
ちゃんと良い感じに話纏まった?
「当分はケツァルコアトルと言うことを隠して土御門家の式神として人の為に戦う事になった。その代わりに、当主である忠明には世界中に散らばる私の体の情報を集めて貰う」
取り敢えずはそんな感じで話が纏まったんだね。
当主の忠明と言うのは土御門総理の事だから、外国の情報を探っていると言うのが漏れると色々面倒な事になりそうだから、かなり大変かも知れないけど。
ケツァルコアトルの力を借りられるんだから、むしろ情報だけで良い事に喜ばなくちゃいけないだろう。
私の体を集めろと言われても可笑しくない。
と言うか普通そう言われると思うし。
「復活させてくれた映司にはしっかりとお礼をしてあげたいところだけど……現状の私では映司の喜ぶようなお礼が出来ない。申し訳無いけど少し待って欲しい」
「問題ないですよ。神を復活させた行為が功績と認められて地球から報酬を貰っているし。追加で貰えるんなら当然欲しいですけど。直ぐになにか用意してもらうよりかは、時間をかけていい物を用意して欲しいです」
「そうか……地球が……。確かに神の復活となれば地球から報酬が貰えても可笑しくないか。そう言う事なら時間をかけて最高の報酬を用意させて貰おう」
そう言えば、今の地球は増えすぎた人間を間引きつつ個としての力を付けさせようとしているけど。
ケツァルコアトル反発したりしないよね?
ケツァルコアトルがいくら人間贔屓の神だからと言って神である事は変わりない。
余っ程地球が理不尽な事をしない限り対立する事は無いかな?
……ないよね?ケツァルコアトルが地球と対立しても逆にいい結果にならないだろう。
神同士の争いの余波で人類滅亡とか。
惑星をテラフォーミングして人類の生存権を広げる計画も有るから、地球と対立すると言うよりか、それに協力って感じで地球とは仲良くして貰いたい。
ケツァルコアトルが今日はそろそろ帰ると言うこのなので、フィロの育てた果物をお土産に渡しておいた。
何か食べるものが欲しいって言うからフィロの育てた果物を渡したら美味しそうに食べていたからな。
ケツァルコアトルのお土産として渡す分は態々人間が食べても大丈夫か成分調査してからとか考える必要無いし。
それにしても、骨しかないのに口に含むと消えるんだよね。
どこに吸収されてるんだろう。
それと、お酒は確実に地雷だと思うので渡していない。
見えてる地雷を踏み抜く趣味は無いからね。
ケツァルコアトルがこんな事になっている元凶みたいなものだからねお酒は。
「お土産まで貰っちゃって本当に申し訳ない。私に手伝えることがあったらなんでも言ってくれ。できる限り手伝うと誓おう」
ケツァルコアトルを復活させた報酬として、それが一番でかい報酬だよなと思いながらケツァルコアトルを見送った。
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